歌詞を聴くようになった。

今週の前半は「しんどーー!」って思うことが多かった。なんかこの「しんどーー!」っていう感覚は割と久しぶりで、大学時代はなんだかんだ自分のやりたいことしかしてなかったので当然といえば当然なのだけれど。絶賛社会の洗礼を浴びさせていただいており、「10時台に家に着いたし今日はちょっとゆっくりできるな〜」とか思っちゃうバグ調教も施されてきて。

そんなこんなで平日に音楽を聴く時間が通勤時間だけになるのだけれど、特にある程度仕事も任せられるようになって本気で忙しくなった今週、通勤時のミュージックに大きな変化が見られた。

先週まで:キリンジ、藤井風、フィロのス、ジャミロクワイ、UNCHAIN、ミックスナッツ

今週:サザン、桑田、ミスチル

要すれば、グルーヴと複雑さがいらなくなった(というとレジェンドたちに失礼だが)。特に今週1番聴いたのは桑田の『明日晴れるかな』で、「うへーそうだよなぁがんばろ!!ありがとう!!」とか思ってた。これは個人的にはだいぶコペ転。ちょっと前までは歌詞が耳に入ってくる人の気持ちが1ミリも分からず、なんなら韻として楽器の一部、くらいの感覚だった。大学4年目の終わりかけでちょっと「意外と歌詞を聴くのもあり??」みたいなタイミングはあり、少しずつそんな気はしてたけれど、今まで本気で「リズム・ハーモニー・メロディー」だと思ってた音楽に、「メッセージ」がちゃんと並んできたのは生まれて初めてかもしれない。

たぶんおんなじことを話し言葉で言われたり、小説の中とかで出てこられても浅すぎて冷めるだけだとは思うのだけれど、そのリズム、そのハーモニー、そのメロディーで言われるとグッときちゃうというか、音楽としての質が説得力として機能してるというか。そこに「腰が動き出すようなグルーヴ、理解不能なくらいのすごさ」はそんなに必要ないというか。思いがけず音楽に対する認識が拡大された、そんな1週間でした。

『明日晴れるかな』は、歌詞として見たときにBメロがとってもいい仕事をしていて、「いやいやそうなんすよーー分かってくれますこの葛藤??」ってなって、サビでのカタルシスのいい助走になってるのだけれど、改めて解析してみるとちゃんとハーモニーとしても合致してる気はする。ⅣのM7の音で桑田が先に拍を食って入ってきて(「神より」)、桑田がリードするように王道進行が展開されてエモさが出てきて、サビ前はドミナントのドミナントやらサブドミナントマイナーやらでタメにタメて(Ⅱ7→Ⅵ♭→Ⅴsus4→)、サビで満を持して『「愛」失くして「情」も無い??「哀」無くして「楽」は無いぜ??』とかステキなメロディーで言われたら本当にそうなのかもなぁってなるというか。

まあもちろん、「あーームズイムズイ、そんな曲出されても理解するのに割く体力残ってないわ!」の状態はあまり良くないので、しんどさのシグナルとしても活用しようと思う。幸い木曜日あたりからちょっと業務量的にも仕事慣れ的にも落ち着いたのでいっぱいキリンジとか聴けるようになった。こいつら学生時代お門違いなライバル意識があったからあんま聴いてなかったけどゲロかっこいいな。



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