Guyatone LG-65T

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Guyatone LG-65T

基本仕様(spec)
LG-65T
1963-
NECK:Maple
NUTS:Plastic?
NUTS WIDTH:42mm
FRETBOARD:Rosewood
FRET WIDTH:2.0mm
FRET:20F
SCALE:Medium(Gibson Style)
LENGTH:628mm
BODY:Lauwan
PICKUPS:Single coil
NECK PU:4.0-6.0Ω
BRIDGE PU:4.0-6.0Ω
2 VOLUME:(500K×2)
1 TONE:(100K×1)
SWITCH:2PU on/off solo/rythm
BRIDGE:Plastic?
TREMOLO:Jazzmaster Style(違うタイプあり)


GUYATONE LG-65Tは今現在楽器屋、ネットオークション、リサイクルショップetcの市場でもっとも出回っているビザールギターだと言い切れると思います。
1948年設立の松木電気音響研究所(GUYATONE)のソリッドギターで、最も売れたとされています。
LG-65Tは1963年に生産が開始され、エレキギターブーム最盛期の65年に最も生産されたと思われます。(経験上昭和40年のシリアルが圧倒的に多い)

LG-65Tは前年に発売されたLG-55Wにトレモロアームとリズム、ソロスイッチが搭載されたモデルで、ビギナーの多くがこのギターを最初に手にしたと言われております。

また多くのGUYATONEがアメリカに輸出されたKENTというブランド名で販売されました。KENTではLG-65Tはラスベガスという名前で販売されていたようです。

65Tの輸出モデルはまだ調整した事はないのですが他の型番の輸出モデルに関しては通常の国内の物と木材が違っておそらくマホガニー系の材が使われてる場合があります。
ブラウンカラーであきらかに重量が違い通常のビザールギターと比べた時にサウンドが現行のギターに近い芯のある良い音なのでKENT名義でブラウンカラーのGuyatoneを見つけたら狙い目かもです。

LG-65Tのカラーは3種類で、サンバースト、65年以降にホワイト、レッドの各3種類が確認できてます。(KENT名義ではブラウンもあり)

サンバーストにはレフティも存在します。
(微妙にシェイプが違うようです。)

またサンバーストはナチュラルカラーのヘッドの他にマッチングヘッドの物があります。
ポジションマークは初期の長方形型から60年代後半からネックサイドに爪型の物もあります。それに伴い自分の経験上、後期の爪形のポジションマークが施されてるネックはヘッド側にトラスロッドがあります。初期のネックはトラスロッドがないタイプ、ボディ側にあるタイプがあります。


ネックのスケールはボディが小さいのでショートスケールに間違われやすいですがミディアムスケールの20フレットです。
このネックは確認できるだけで、LG55,65,80,85,100,130,140,145等に共用で使われております。
ネックの他にもブリッジも共用で使われております。このブリッジは三弦を巻き弦にする事でオクターブが合うように設計されています。
シングルコイルのPUもほぼ同じものがLG-50A、55、130、140、145、また同メーカーのラップスチールにも使われております。
通常は楕円よりの丸みを帯びた長方形型で、白いカバーにポールピースを囲む黒いカバーですが、輸出モデルではLG-85Tに使われている角張った長方形のPUが使用されています。

 
PU
このLG-65Tのサウンドの要であるPUは前年発売の55,55Wと同じ白いカバーのシングルコイルPUで抵抗値が経験上4.0~6.0KΩ前後で出力は低めになっています。
サイズは他のPUとはそのまま代替不可能な、幅22mm×長さ74mm×厚21mm
ポールピース幅49mm
ハイがキツめではありますが意外に音も太くP90に近いと言ってしまうと語弊がありますが歪ませて使うと意外に太めな音です。
あまり粘りは感じないです。
 
POT,SWITCH
2VOL,1TONEのポットはVOLがA500KΩ×2 TONEがB100KΩでトーンコンデンサは0.02(LG130,140もほぼ同じ)
solo/rhytm切り替えスイッチのコンデンサは0.002が付いていてこのスイッチでローカットしてくれます。
シングルコイルに500KΩを載せる事により更にハイを出やすくしてトーンでは100KΩを載せてその分抑えようとする為に使っているのでしょうか?
ですがLG65Tを弾いた事がある方は分かるかもしれませんが、更にスイッチを切り替える事でキンキンで手がつけられない程の高音域が出るようになります。それに加えて鉄のピックガードがより金属音っぽさを強調して現代のアンプ、シールドでは凶悪なサウンドになっています。
これはあくまで推測ですが当時のGS、サーフミュージックのギターサウンドはチャリンとした音がスタンダードだったようなのでおそらくこういう音を狙ったものなのかと思いますし、フロントをメインに使う事で大分使いやすくなりますし、スイッチの構造上リアのみからフロントのみの切り替えが難しい事からフロントメインで使うのを狙っているのかもしれません。また当時の今と比べるとまだそこまで質の高くないシールドやアンプを使うと良い感じだったのかもしれません。
話は逸れますが個人的にはこのギターをフロントで歪ませた時の低音弦の潰れ方がファズっぽくとても良いので一度は試しに弾いてもらえたらと思っています。
 
木材
ネック材はメイプル、指板はローズウッドで現代でもポピュラーな材が使われていますが、ボディ材は現在ではほぼ使われていないラワンが使われています。ラワン材は当時も安く買える材木で普通に考えると大量生産品だったために選ばれていたと考えられます。軽いラワン材がギターに使われた事により当時の独特なパーツも相まって個性的な音を生み出しているのかもしれません。
 
まとめ
改めてGuyatone LG-65Tは個人的に一番最初のビザールギターに適したギターなんじゃないかと改めて思います。
値段にしても幅はありますが相場で
30000-50000円、ジャンクや安ければ10000-30000円で、
質もビザールギターの中では悪くはないと思います。
自分で直すにしても配線もそこまで難しくなく、ロッドも効いてくれる部類なので多少いじれる人にも最初の1本に良いかもです。

しっかり調整するとなかなか良い音が出ると思いますし、ビザールギターの弱々しくも味のある似非ビンテージ的な音から歪ませたファズ風なサウンドまで楽しめます。

自分は初めて弾いた時に自分が当時持っていた60年代のFender Mustangより良い音がすると勘違いをおこしました。(笑)

でも歪ませた時の自然にファズっぽくなるサウンドは今も好きですね。

Bridge Guitarsでも他の楽器屋でもネットオークションでも機会があったら是非試してみて下さい。

あとGuyatoneはノブが格好良い。

Bridge Guitars
タカザワ アキラ


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