生きたBricoleurに触れる
2017/12/27 水田道男
12月のはじめに、社員合宿で沖縄を訪れた。
当初の予定では、社員“旅行”と言えるような工程も一部組入れていたのだが、運の強い社長のお陰で、全日程雨または曇り。天の配剤により、中身の濃い“合宿”となった。
組織の歩みの検証や、未来への展望、個人に対する要望・期待の交換、各人がよく活用するフレームワークの共有、そして新しい研修プログラムの設計等々、実り多き合宿となった。
今年は、本間さんの「ヤフーの1on1」や中原さんの「フィードバック入門」など、フィードバックに関する書籍が我々の業界では注目を集めたような印象が個人的にはあるが、フィードバックの力強さと同時に、その難しさ、つまり相互の関係性という文脈次第で、功罪両極に触れる怖さも改めで認識する機会にもなった。合理としての信用に加え、情理としての信頼が無いと、上手く機能しないのだと思う。
荒天続きということもあり、そもそも沖縄に行く必要あったの?という声も頂いているのだが、それはさにあらず。初日の昼に、弊社と同じ店名を掲げる、カフェ・ブリコルールさんにご挨拶に伺うという、とても大切なイベントがあったのである。
ユーズドを中心とした服飾雑貨とハンバーガーを看板メニューとするカフェの併設店。
商品のセンスやハンバーガーのおいしさはもちろんのこと、私が一番感銘を受けたのが、お店の共同オーナーであるお二人が醸し出す空気感。
お店を経営しているのではなく、営んでいる。
事業ではなく、生業。
仕事をするのではなく、届けている。
正確にではなく、丁寧に。
掛け算ではなく、足し算。
ブリコルールという言葉に共感する人って、何だか共通項があるのかな、とひとり嬉しくなった次第である。親戚が増えたような、気持ちと言えばいいのだろうか。
兼松佳宏さんが、「BEの肩書き」ということを提唱されている。「BEの肩書き」とは、我々の生き方を支える根っこの部分であり、自分が貢献できる価値の源となる働きのこと。ブリコルールって、私にとっては「BEの肩書き」なんだと思う。「DOの肩書き」ではないから、分かりにくいしマーケティングや営業的には不向きなんだと思うが、でもこれでいいんだ、と得心できた出会いとなった。
兼松さんは、「BEの肩書き」を探求するガイドを公開されている。自分なりのBEに向き合うには、年の変わり目のこの時期が良いのではないだろうか。ちなみに、兼松さんのBEの肩書きは、「勉強家」。素敵ですね。
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