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リモートでもチームビルディング

2020/08/10 野元義久

リモートが快適な人

ブリコルールのメンバーは、
「心身、快適ですよー!そもそも、リモートワークの方が自分には合ってたんですよね」
と言います。頼もしい言葉です。

私たちの仕事にはリモートワークが合ってるそうです。
ひとまとめの仕事を任せてもらい、それを独力で成し遂げられる人たちにはリモートワークが快適なんだそうです。効率がいいからですね。
通勤を含めた移動時間がなくなり、「ちょっといいですか?」というインタラプトがなくなって、昼夜の惰性なお付き合いもなくなりました。“時間”というとても貴重な資源が自分の管理下に置かれるので心身は快適になっていきます。この快適パワーを仕事に向ければ効率は良くなります。何も問題ありません。

私自身も、前回・前々回に書いた通り、快適方向で過ごしています。
ズームで気軽に、柔軟に、たくさんの人とお話できるようになりましたし、かたや、考えたり、書いたり、勉強するという集中タイムが取りやすくなりました。新幹線や飛行機の中…というこれまでの集中タイムはなくなりましたが大丈夫です(…各地に出掛けて美味しい食事がしたい欲求だけはなくなりませんが)。

…とすると、このままでも良いのかも??

ここで考えておきたいのは、
“ひとまとめの仕事を任せてもらい、それを独力で成し遂げられる人たち”
というところです。
一体、そんな私たちはどこからやってきたのか?
果たして、私たちはこれからもずっとこの状態をキープできるだろうか?

快適な数ヶ月を経験した今だから頭をもたげてきたお題です。

コロナ禍は成長しなくてもいい?

まず、私たちは独力では仕事力を上げることは出来ません。
私の場合、目の前にお仕事があって、誰かが上手いやり方を(乱暴に、時々は丁寧に)教えてくれました。万一、下手を打ってもフォローしてくれるバックアップがあったからチャレンジもできました。そして幸運にも自分が好きで得意だと思える仕事にたどり着きました。その仕事を独力で努めることができるようになりました。できるようになるための相応の努力もしましたが、その経験ができる土俵を用意して頂いたことに感謝が尽きません。

高い目標なんて持てず自らでは山に登り始めない私を、先輩や上司が川にポンと投げ入れてくれたから足掻き始めたわけです。溺れる寸前で助けてくれる“場”もありました。リモートになって“互いを投げ入れ合って、溺れそうになっていないかを観極めて関わり合う環境”になっていないならば、少なくとも私のような川下りメンバーの成長は期待できません。

みんなの“今できること”で仕事を分担しあうならばリモート環境で十分でしょう。でもそれは、これまで以上のパフォーマンスは期待しないという前提の話です。これまで以上にできることを増やしていけるかが問題です。
コロナ禍でマーケットの需要が減退していくから、提供側の仕事力も上がらなくていいのでしょうか…そんなことはないでしょう。減退するかもしれないからこそ、自分の仕事力を上げていきたい人は多いと思います。私も仕事を通して自分や周りの人が成長していく世の中であって欲しいと思います。

たとえば、
リモートでも新卒の仕事力を上げていけるでしょうか?
マネジャーのメンバー育成力は上げられるでしょうか?
互いを川に投げ入れ合って、観極めて関わり合うチームになれるでしょうか?

チームがあるから成長する

週刊少年ジャンプ連載 「ハイキュー!!」より。
自我が強すぎてチームになじめず流れ者となってしまった高校生に、受け入れた社会人メンバーが語り掛けます。

チームから逃げてあっちこっちで定住すること無く練習
そりゃ楽な道を選んだもんだ

チームっつうのは
頼もしく
時に煩わしく
力強い味方であり重圧だ

それと向き合う事もしないでバレーやってるつもりかよ

…自分がチームを向きチームも自分を向く
それが出来たならチームも自分もぶつかりあって強くなれる

そんでもしそれが出来たらラッキーだと覚えておけ

“そういうチームはどこにでもあるものじゃない”

名前も出てこない人が言うセリフです。
ハイキュー!!は名言だらけ。それもいろんな登場人物がそれぞれに名言を語るという点でも素晴らしい作品です。紙のコミック、全巻大人買いしたい!

“チームは頼もしくて煩わしい”というのは自分だけの感覚じゃなかったんだなー、って安心しました。そして、“ぶつかりあえるチームがあるから個人も強くなる”という話にも共感します。

リモートでは“ぶつかりあう”のが難しくなります。みなさんのリモートワークはいかがでしょうか。

リモートでぶつかりあう方法

ぶつかりあっても大丈夫だという感覚は“肌でしか感じられない”と思います。
リモートは肌が接しないので“大丈夫”という感触を得にくいのです。京大総長でいらした山極さんもこの点を指摘されています。人間が相互信頼を得るチャネルとして備えている5感のうち、リモートは触覚・嗅覚・味覚の3つが使えないので信頼を紡ぎにくいのです。

…では、あきらめるのか?

正直なところ、リモートで健全にぶつかりあうことは難しいと思っています。
それでも、ブリコルールは「職場を、チームにする」と言っていますので簡単にあきらめるわけにはいきません。探求の日々です。

一つのヒントはコンテクストの交換です。
自身の学びのために、「日本体験学習研究会第20.5回全国大会Special Event」に参加しました。Tグループという学習論・方法に触れているメンバーの会です。

そこで参加したワークがコンテクストの交換でした。
詳細は伏せますが、“自分たちの議論をコンテクストレベルで内省しあう”というものです。この内省作業では少しずつメンバーがぶつかりあっていきました。コンテクストの交換が進むうちに初対面同士でも”もうちょっとぶつかり合っても大丈夫“という確実な手応えがありました。

すでに場づくり力のある参加者たちがワークしていたという“やりやすさの下駄”はあります。
下駄の高さを観て、丁寧に場づくりをし、ぶつかり合いの調和を生むことができればリモート環境でも成長が期待できます。リモートでも仕事力を上げていけるチームをつくることがブリコルールの役割です。私たちにとっては成長のチャンスということです!

みなさんからもリモート環境での“上手いぶつかり合い”のヒントをお寄せ頂けたら幸いですm(__)m

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