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公園のボートで外海に漕ぎ出します(笑)

2017/04/18 水田道男

2017年5月19日。
この日は、私たちブリコルールにいって、とても大切な日になるような気がしている。
内輪の話で恐縮であるが、日本の人事部主催のHRカンファレンスにて弊社の代表の野元と顧問の石原が講演をさせて頂く。

創業以来個人的なコネクション中心に仕事をさせて頂いている私たちにとっては、初めて外海に漕ぎ出すような心境である。
講演テーマは、「2025年のHRMテーマと職場開発の重要性 ~そして、『職場を、チームにする』~」で、私たちの事業コンセプトそのものを置かせて頂いた。職場開発というテーマは、あまりにも当たり前すぎる=セミナータイトルとしては訴求力不足、との懸念もあったが参加の受付枠が埋まったとの連絡を主催者から頂いた時は、ホッとしたと共に、講演内容をしっかり作りこまねばと新たな緊張も感じた次第である。

日経新聞のやさしい経済学欄での連載で(2017年3月22日~3月31日)、一橋大学の守島先生が「毀損した日本企業の組織力」とのタイトルで持論を展開されていた。
守島先生は、「組織が持つべき基盤的な組織能力として以下のようなものを考えています。(1)理念・経営ビジョンが共有されている(2)機能する(人が育つ、協働する)職場がある(3)組織内のコミュニケーションが活発である(4)リーダーが継続的に輩出される(5)人を尊重する(6)常に改善改良を目指す(7)知が共有される――などです。能力というより状態に近いかもしれませんが、持続的な競争力を維持していくためには、組織を常にそうした状態においておくことも大切な組織能力です。」、そして「組織力の主な“担い手”は、職場そのものです。」と述べられている。
更に、組織開発について「今後は人事部門に限らず、経営の道具箱のなかの必需品になると考えられます。」、「今後も人の育成が不必要になることはなく、人材育成への投資を怠ってはいけません。ただ、今強く求められるのは組織力や組織能力を高める組織育成なのです。人材と同時に組織への関心を高めることが重要です。」と述べられ、連載を締めくくられている。

この連載を読んで、私は自分の問題意識に更に確信を深めた訳だが、実は外部の人間として、職場に介入するということの構造的な難しさも感じている。
理想的な職場への介入の在り方は、直接的/非構成的/継続的。ただし、これは様々な物理的制約があり、標準的なソリューションとはなり得ない。
よって、私たちが数多く提供できるのは、間接的/構成的/定期的な職場への介入となる。
今回のセミナーでは、職場のリーダー層人材への人材開発施策を通して間接的/構成的/定期的な職場への介入を狙った取組をご紹介したいと思っている。

それ以外にも、人事制度の運用や企業理念の活用という構成的なルーティンの在り方の自明性を疑ったり掘り下げるような介入(私たちの言葉で言う組織資源開発)もあるだろうし、普段は目に見えない組織の深層にあるものを取り扱うような介入(私たちの言葉で言う関係性開発)もあるだろう。
何れにせよ、今回のセミナーを契機に、外海との接点を出来るだけ増やさせて頂き、私たちの組織自体が経験学習サイクルをしっかり回す、チームとなるべく精進したいと、良き緊張を覚える今日この頃である。

(セミナーの参加枠は締め切られているが、もし上述のようなことで私たちと対話をしてみたいといお気持ちをお持ちの方がいらっしゃれば遠慮なくお声がけ頂きたい。喜んで、セミナーの内容も含めてご紹介させて頂くつもりである。)

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