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先輩の歪んだけん玉が繋いだ絆

私のけん玉を、名前も知らぬ中学生が華麗に転がしている。
流暢な英語でけん玉の説明をしてくれている。
謎すぎる状況を忘れたくない。なので、忘れないうちに書き残しておく。


私は自由な雰囲気の企業で働いている。
中でも最も自由に働いている先輩は、最近けん玉を持ってきていた。
仕事の話をしながら遊んでみたが、全く剣先に入らない。

玉が歪んでいる。私はそう確信したが先輩は言った
「練習が必要だね」

いやいやいや、あなたのけん玉は歪んでますよ。
と、言っても仕方がないので、私はマイけん玉を会社に持ち込んだ。

私のけん玉は、大切な友人が私にくれたものだ。
「あなたならきっと上手くなれるからやってみて」
と、認定印のついた大空を私に託してくれたあの日を忘れない。

宝物だ~

会社に持ち込んだら差は歴然。
やりやすさが全然違いまっせ!!!とドヤ顔し、けん玉名人を職場で発掘するなどして楽しいひと時を過ごした。
数日間楽しんだが、夏休みに入るので持って帰ることにした。


夏休み直前の金曜日の夜。
アメリカ、インド、ドイツ、韓国の方たちとホテルで会食していた。
彼らは上司の上司や、他部門の偉い人たちなので雲の上の人たちであるが
同僚である。
下っ端で幹事業が趣味の私は喜んでその接待に参加していた。
全編英語、日々の練習の甲斐あって自分のトークで笑いをとれるぐらいには楽しめたという…😊

コース料理を食べ終え、会話も落ち着いてきた頃。
私は先述のけん玉を思い出す。幸いにも私より実力が上の先輩もいるので、
「やっちゃいますか!?」と無茶ぶりをしてけん玉で余興を始めた。
何も考えていないのに無謀である。笑

けん玉をテーブルで回して、海外から来た方にも遊んでもらうなどした。
楽しんでもらえて嬉しかった。

しかし私たちには圧倒的に足りなかったものがある。
「もしかめ」である。

もしもし亀よ♪亀さんよ♪のメロディに合わせて小刻みにけん玉をプレイするあれである。
あ~~~できたら見せたかったな~~と思っていたら、
何やら隣のテーブルの中学生たちが私たちを見て、成功した時に拍手をくれるではないか。

この時、このレストランには弊社社員と、中学生+コーチの2組しかお客がいなかったのだが、何やら協力的な雰囲気なので、ふってみた。

「誰か上手な方いないですか…?」

すると、上手な上に英語ネイティブな子がいた。
というか15人ぐらいしかいないのにネイティブを含む5人はペラペラだった。なんて集団なんだ…教育水準高い…

ノリノリでもしかめを披露してくれた中学生。
けん玉を紹介してくれた中学生。

めちゃくちゃ親切だし、英語もけん玉もバッチリだし、私感動しちゃったよ…。

彼らはスポーツの大会で、前泊のためにこのホテルにいたという。
せっかくなので私たちが開発している医療機器の実演を見てもらい、
今はこういうことができるんだよ、と楽しんでもらいました。
資格がないので他人に使うことはできないのが残念ですが仕方なし。

最期は全員で記念写真を撮ってお別れしましたが、なんだったんだあの会は…神…。
と、満足感とともに宴会は終了しました。

彼らは試合で無事に勝てただろうか。
気になって、今日は思いを馳せてしまいました。
優秀な彼らの輝かしい未来を祈ってやまないっすよ。

歪んだけん玉を持ち込んだ先輩に感謝しています。
ちなみに、この宴会で彼はけん玉を披露してくれませんでした。笑

長い文章ですが読んでくれてありがとうございました。

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