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【対談】VTuberグループ「あおぎり高校」がviviONへ移籍。Brave groupとviviONが業務提携。viviON、Brave group、クリエイトリング、三社への対談インタビュー

株式会社Brave groupは株式会社viviONとIP事業領域における協業を見据えた業務提携を実施し、それに伴いBrave groupの子会社である株式会社クリエイトリングが手掛けるVTuberグループ「あおぎり高校」のviviONへの移籍が決定したことをお知らせいたします。「あおぎり高校」の移籍日は2023年4月1日となります。(※)

この背景にはviviON、Brave group、クリエイトリング、3社の重なる想いと志があります。どんな背景で移籍と業務提携が決まり、これからどんなことを実現したいと考えているのか。株式会社viviON代表明石様、経営戦略部/コンテンツ部ゼネラルマネージャーの生原様、株式会社Brave group代表 野口、そして株式会社クリエイトリングの代表 藤井に対談を通じて伺いました。

(※)プレスリリースhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000160.000044525.html

明石 耕作 (写真中央)
株式会社viviON 代表取締役
大学を中退して美容師になり、その後IT業界へ転じた異色の経歴を持つ。美容院勤務中、インターネットに夢中になり、Webサイトを運営。趣味が高じて、美容師からIT業界へ。株式会社ライブドアの前身企業で頭角を現し、分社化と同時に独立する。その後、運営会社は株式会社ゲオへ買収される。異動を経て、2021年10月に株式会社viviONの代表取締役に就任。※対談には冒頭のみ参加

生原 優介 (写真左)
株式会社viviON 経営戦略部/コンテンツ部ゼネラルマネージャー
大学卒業後、ソフトバンクモバイル株式会社(現 ソフトバンク株式会社)に入社し、法人事業に従事。その後、ゲーム系ベンチャー企業にてグループ会社の代表取締役や新規事業の責任者を歴任。上場準備や事業立ち上げなどビジネス開発を中心に担当。2019年に株式会社エイシスに入社、その後株式会社viviONに転籍。
現在は、ゼネラルマネージャーとして新規事業や新規コンテンツ開発を管轄。

野口圭登 (写真右)
株式会社Brave group 代表取締役
2011年の在学中に株式会社Vapesを創業。2016年に同社を株式会社ベネッセホールディングスへ事業譲渡、50社以上のスタートアップへのエンジェル投資、共同創業を経て、2020年に株式会社Brave group代表取締役に就任(現任)。メタバースプラットフォーム事業を展開する当社子会社の株式会社MetaLabや、「RIOT MUSIC」等を運営するSuperYellow株式会社の代表取締役も兼任。

藤井慎一郎
株式会社クリエイトリング 代表取締役
大学卒業後、株式会社ソフトウェア・サービスにて医療システムの開発・保守に従事。 2018年10月、株式会社バーチャルユーチューバー(現、株式会社Brave group)に入社し、 IP事業部のプロデューサーとしてVTuberグループ「あおぎり高校/Vtuber High School」を運営。 2019年12月、株式会社Brave groupの子会社である株式会社クリエイトリングの代表取締役に就任(現任)。

「あおぎり高校」の移籍、及び業務提携の背景について

野口:まずviviONさんをご紹介頂いたのは、Brave groupの社外取締役から、ちょうど1年くらい前に生原さんをご紹介頂いたのが始まりでした。
元々、Brave groupとクリエイトリングの今後の経営方針について藤井と話をしていく中で、Brave groupの目指す未来とクリエイトリングの目指す未来を考えた時に、Brave groupが目指す未来をたどっていくと、クリエイトリングの選択肢や可能性を狭めてしまう可能性があるのでは、という話が出ることがありました。
そういった話をする中で、クリエイトリングにとってもっと選択肢が広がる会社さんとご一緒するのも可能性の一つとして考えられるよね、という話もしていて、その流れでviviONさんをご紹介頂いた形になります。

クリエイトリングが運営する「あおぎり高校」はviviONグループさんが運営しているDLsite(※)でボイスなども販売していたりで元々お世話になっていたということもあり、「あおぎり高校」運営チームもviviONさんについてはよく存じ上げておりました。

(※)DLsiteとは:viviONグループが運営する、同人作品、ゲーム、コミックを販売している国内最大級の二次元総合ダウンロードショップ。
URL:https://www.dlsite.com/home/

そうして3社でお話をさせていただくことになり、viviONさんの掲げるビジョンや事業ポートフォリオへの共感、そして今後やっていけることの選択肢の可能性を考え、今回の移籍及び業務提携という形になりました。

藤井:クリエイトリング自体は何かのビジョンを掲げて運営してきたというよりも、クリエイターひとりひとりが出来ることをやって積み重ねてきたという側面が強いんですよね。そういったクリエイター集団としては、「ユーザーとクリエイターが楽しみながら、
幸せに生きていける社会にする」というビジョンを掲げ、尚且つ大きなプラットフォームの運営をされているviviONさんとご一緒させていただくことで、様々な相乗効果を発揮し、発展していけるんじゃないかと思いました。

これまではただただコツコツと制作を行い数字を伸ばしていくことに邁進してきたのですが、今の規模感になってくると、クリエイターだけだと機会損失が生まれてしまうということを感じていました。viviONグループさんとご一緒していくことで、より多くの視聴者、ファンの方が楽しんでくれるようなコンテンツをプラットフォームという土台を使ってうまく展開していけるんじゃないかなと思っています。

生原:viviONとしては、元々お取引があったので「あおぎり高校」はもちろん、VTuberという領域にも関心があったので「RIOT MUSIC」等Brave groupさんの他のIPも存じ上げてました。プラットフォームとしてもVTuberの人気がとても高いので、初めてお話をさせていただいたときから、いろいろな取り組みや展開が出来そうだなという印象でした。

また、viviONグループはクリエイターがとても近い会社なので、二次創作やファンアート等、クリエイターを巻き込んだ展開は積極的にやっていけるんじゃないかと思っています。そういった意味で、今回の移籍、業務提携をきっかけに今後様々な取り組みをしていけそうだというイメージが湧いた点も、今回の決め手になったかなと思います。

それとviviONはクリエイターととても距離が近い会社で、クリエイター集団であるクリエイトリングとは相性が良いとも思いました。

明石:我々の目指すところとしては企業のミッションとしても掲げている「全ての二次元オタクを幸せにする」というところになり、クリエイターとオタクを結びつけていくことが我々の強みでもあると考えています。メタバース領域で様々なエンターテイメントを展開するBrave group、「あおぎり高校」を運営するクリエイター集団であるクリエイトリングとは多くのシナジーを生んでいけると思いますし、ビジョンも共にしていけるのかなと感じました。
藤井さんと話していて、藤井さんのクリエイター気質がviviONのカルチャーともマッチしそうだなとも思いました。

「あおぎり高校」メンバーの反応と藤井の想い

藤井:まずviviONグループさんの名前を出した時はみんな「あー。納得」という感じでした。あとは特に新人の子たちは驚きの反応と、現状と比べてマイナスに働かないかという不安要素があったように感じます。
そこについては確実に担保するから安心してついてきてほしいなと思いますし、現状手が回っていないところがあまりにも多いので、そういうところを改善してより「あおぎり高校」が有名になれるように強固な組織体制を作っていきたいというところを素直に話して、メンバーも理解し納得してくれたと思います。

藤井:より大きいオフィスに、とかトイレが男女別になるとかいう表面的なところにも反応はしてましたね。そこなの?という感じですが…(笑)

生原:こういった反応や藤井さんの想いを伺っても、皆さんとご一緒していくのが楽しみですね。

藤井:今後もっと具体的に今の課題を、私も含め、「あおぎり高校」のメンバーや他のクリエイターさんもちゃんと認識をして、それをどう改善していくかを話していく中で、ようやく移籍の実感が湧いてくるんじゃないかなとも思います。
私も含めてなんですけど、現場でひたすら毎日コンテンツのことに明け暮れていると目の前の課題は見えるんですけど将来的な課題は見落としがちになってしまうんですよね。
今我々に組織として必要になってくるのは、半年後・一年後先、といった将来のビジョンだと思っているので、しっかり見定めてもらうためにも凄く良い機会だと思っています。

現状の課題と目指すこと

藤井:まず目の前の課題としてはたくさんあるんですけど、例えば台湾最大の同人イベント「FANCY FRONTIER開拓動漫祭」に昨年出展したりもしたのですが、それ以外で海外展開をなかなか動けていないとか、グッズももっと出せるのに全然出せていなかったりとか、いろいろあります。
今の我々の規模感だからこそ、より一層取り組みもしていかなくてはいけないんですが、舵取りしている自分がPCの前でコンテンツ制作に明け暮れていると、そういった時間も取れない状況で。これからの打つべき戦略としては動画や配信で数字を集めること以上のことが求められるタイミングかなと思っているので、そういった意味では本当に課題だらけですね。

将来的には、まずはこの移籍がよかったねという空気感を作りたいです。ちょっとメタい話なので視聴者さんが読むとなると嫌なんですけど(笑)、四畳半の和室ですし詰めになって打ち合わせしていたあの場所から、こんな大きくて綺麗なところになったんだ、といったネタにして、よかったねという空気感を視聴者にも味わってもらいたいなとは思いますね。そういう空気感を作れないとどうしてもマイナスな面で見られてしまうところがあるかと思います。
これまでのYouTubeで活動しているクリエイターたちが、自身のステップがあがっていくところ、例えば『ここに所属しました』とか『こんなところに引っ越しました』とか、ステップがあがっていくというのがあると思いますが、そういったステップアップしていく街道をうまくコンテンツに落とし込んで応援しもらう価値を生み出していかないといけないんですよね。我々がやるべきことは直近はそれですね。

「あおぎり高校」の事業拡大推進を始めとする3社での今後の連携・展開について

藤井:クリエイトリングからの視点ですと、業界の中でもBrave groupが強い点は、自社でIPの運営をしているのに加え、ライブやイベントの制作をやっている組織も社内にあって、それをすべて一貫してやっているという点だと思います。それを続けてきて、実際にノウハウがかなり培われているなというのは会議の報告等でもすごく実感していました。
年末に発表がありましたが、今度「Palette Project」とのツーマンライブ『めいくあっぷ!』を2月に開催予定なんですが(※)、それも自分が一緒にライブやってほしいです、ライブ制作について甘えさせてくださいって話をした感じですね。そもそもライブってどうやって作るの?っていうところから。

(※)「Palette Project」と「あおぎり高校」によるツーマンライブ『めいくあっぷ!』がオフラインで開催決定!

イベント制作会社さんに発注するという選択肢もありますが、キャラクターを作っているクリエイターたちがいて、その隣にはイベントを何回もやっているようなスタッフもいて、そういった連携がシームレスにできるというところは本当に強みだなと思っています。
なので今後Brave groupとはそういったイベントでの連携を続けていけるかと思います。

あと今後例えばそういったイベントの際にviviONさんのプラットフォームも絡めて、プロモーションも兼ねて一緒に出来ると大きいことができるんじゃないかなとも思います。

ー今後「あおぎり高校」のイベント展開がいろいろ期待できそうですね

藤井:5年目に差し掛かってまともなイベントをほとんどやっていないのも我々くらいかと思うので、イベントはどんどんやっていかないとなと思ってます。

野口:藤井も言ってくれた通り、Brave groupは組織が強いというのと、いろいろな紆余曲折を経ている会社なので、だからこそ今に生きていることがあると思います。
viviONさんとしては「あおぎり高校」の移籍が、VTuber事業を行うにあたっての大きな試みになると思いますが、これまでやられてきたグッズ展開やプロモーション、イベントといったことは当然あるんですが、VTuberならではみたいなことが相当存在すると思っています。
それについてBrave groupとしては約6年間ノウハウを蓄積してきたので、VTuber事業をやってきた我々だからこそ提案できる展開といったところをBrave groupが担い、viviON・Brave group・「あおぎり高校」という3者の座組で展開していけると良いなと思います。

移籍という形になることに関してはBrave groupとしてはやや寂しい気持ちもあり、もっとこういったところを提供してあげられたらいいなという点があるので、Brave groupとして力になれるところは引き続き連携し、できなかったところをviviONさんに入っていただいて出来るようになるということが藤井も含めた「あおぎり高校」のチームのモチベーションにも繋がると思うので、viviONさんにも寄り添って頂いて、共に成長を後押ししていけると嬉しいです。

生原:viviONはプラットフォーマーを長く続けてきているのが一つの強みだと思っています。私達が貢献できることはいろいろあると思うんですが、当然一つは既にいるプラットフォームのお客さんに向けてIPの魅力を発信し、よりいろいろな人に届けられるというのがありますね。
あとはASMRの制作は相当得意なので、めちゃくちゃすごいASMRのコンテンツ展開等も個人的にはありえるかなと思います。
エンジニアと話していても彼らはどういった作品が売れているかについても当然見ていますし、かなりの熱量を持って制作しています。熱量があるスタッフ、お客さんがたくさんいるので、そういった方に向けた展開は全力でやっていけるかと思います。

あとは冒頭の話とも重なりますが、私達は会社としてクリエイター全般に対して、何かポジティブになるようなことをベースに事業展開をしてます。VTuberも新しいクリエイターの一つだと思いますが私達はまだVTuberの知見はあまりないので、「あおぎり高校」はもちろん、これをきっかけに何かVTuber全体に対していろいろなこと、それはサービスかもしれないし、ただ応援するという以外にある選択肢を広げていくようなことができるようになると良いなと思っています。
viviONは「全ての二次元オタクを幸せにする」をミッションに掲げていて、今二次元オタクというとVTuberが好きな人もたくさんいるので、そこに対してプラスになることを作っていけるのは、より会社のミッションに繋がることだと確信しています。

枠を超えてVTuber領域で様々な連携を。各社の想いと志。

生原:viviONとしては新しくこういった領域にチャレンジしていけることについて凄く嬉しいなと思ってますし、ご一緒することでもっともっと新しい企画やVTuberの面白さを世の中の人のたくさんの人に届けていけたらと思っています。

あとは当然ながら、「あおぎり高校」のメンバーもそうですしスタッフさんも、viviONグループに来て良かったと思えるような展開ができるように頑張っていきたいと思います。

野口:今回移籍という形にはなったんですが、Brave groupは親会社から後方支援に回ったという感覚でいます。なので完全に切り離されたという感じではないと思ってますし、個人的にも藤井も含めたクリエイトリングチーム、「あおぎり高校」はずっと応援していきたいです。
これからBrave groupとしてはもっと大きい会社にしていきたいと思っていますし、Brave groupとして出来ることを増やしていきますので、今回のご縁やお世辞は抜きに、Brave groupを必然と選んでもらって協業を続けていける、というそういう会社にしていきたいです。

あとはやはり藤井自身、その他のメンバーの成長が、viviONに入ってどうなるんだろうというのが楽しみではあります。巣立つような形にはなるんですが、もっともっと成長してもらってこの提携・移籍が良かったねというような形になるといいなと思ってます。

viviONさんのカルチャーやビジョン、とことんクリエイティブに向き合うという点はクリエイトリングのカルチャーともとてもマッチすると思うので、やりやすい関係ではあるんじゃないかと思っています。今回の移籍が一つの区切りになり、藤井が今までやりたかったことや変えたかったことを変えるきっかけにもなると思うので、そこは楽しみだなと思いますね。

生原:これをきっかけに出来ることをいろいろ増やしていきたいですね。

藤井:全体的にVTuberシーンを俯瞰してみた時にこの規模のVTuberグループが移籍するということはかなり大きなことだと認識しています。
これをきっかけに爪痕を残したいなと思っているのと、VTuberとしてやれることってやり尽くした感あるよねというのが業界としてあると思うんですよね。この約6年くらいで、VTuber事業って案外キャッシュポイントがなくない?という点で苦しんできたところも多いと思うんです。我々は配信だけではなくShortsで伸びたという側面があるので、クリエイターたちにとって、まだまだこういう方法でのし上がれるというのをどんどん見せていきたいなと思います。それはクリエイターに対してもそうですし、視聴者に対してもですね。
いいクリエイターたちがVTuberになったりして個人でも台頭していくべきだと思ってるんです。そういった意味で、世のクリエイターの方々に、我々の方から選択肢を与えられて見せていける、そういった存在になりたいです。

会社概要

■株式会社viviON会社概要

・会社名:株式会社viviON
・設立:2021年10月1日
・資本金:50,000,000円
・代表者名:代表取締役 明石 耕作
・所在地:〒101-0022 東京都千代田区神田練塀町300
            住友不動産秋葉原駅前ビル12階
・事業内容:インターネット関連事業・コンテンツ制作事業
・URL:https://vivion.jp/

■株式会社クリエイトリング会社概要

・会社名:株式会社クリエイトリング
・設立:2019年12月20日
・資本金:1,000,000円
・代表者名:代表取締役 藤井 慎一郎
・所在地:〒112-0011 東京都文京区千石4-46-13 前田ビル501
・事業内容:VRエンターテインメント事業
・URL:http://aogiri-hs.com/

■株式会社Brave group 会社概要

・会社名:株式会社Brave group
・設立:2017年10月11日
・資本金:1,878,013,651円(資本剰余金含む)
・代表者名:代表取締役 野口圭登
・所在地:〒108-0023 東京都港区芝浦2-17-9 大友ビル2F-C
・事業内容:メタバース領域における
      ①IP事業
      ②Platform事業
      ③Incubation事業
・URL:https://bravegroup.co.jp/
・グループ会社
  株式会社バーチャルエンターテイメント
   https://virtual-entertainment.co.jp/
  MateReal株式会社
   https://matereal.biz/
  株式会社クリエイトリング
   http://aogiri-hs.com/
  株式会社MetaLab
   https://metalab.co.jp/
  And Epoch株式会社
  SuperYellow株式会社
  株式会社Game & Co.
・関連会社
  MetaBash Inc.


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