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2024年1月5日 [朝刊チェック] 毎日新聞 1&3面 「DX阻む戸籍70万字」 - 政府のデジタル化 7万字絞り込みに異議

法務省によると、現在、戸籍には70万もの文字が使われているとの。スマートフォンやパソコンで表示できない文字も多いようだ。
岸田文雄政権は、デジタル化を進めるために、戸籍で使える文字を70万字から7万字に絞り込んだ。
政府のデジタル化で、戸籍の漢字が変更になったNさん。元の漢字に戻すよう東京家裁に申し立てた。漢字が変わると、印鑑や名刺などを一新する必要があり、社会生活に多大な影響を及ぼすと主張した。家裁は、1992年、Nさんの主張を認める判決を下し、戸籍の漢字は従来通りに戻った。
昔は、紙の戸籍に手書きだったため、誤字や俗字も多かったようだ。本家と分家を区別するために「点」を加えるなど、独自に作られた字も多いと聞く。全ての戸籍に使われる70万の漢字には、それぞれに深い意味がある。

わたなべの「べ」に使われるのは、主なものだけで24文字ある。全国のわたなべさんが、代々、誇りを持って漢字を選んで戸籍を繋いできた。この重い歴史をぜひ尊重したい。

2024年1月5日 毎日新聞朝刊一面

同朝刊三面

一方、オーストラリアなど英語圏で使われている文字アルファベットは、わずか26。何という違いでしょう。日本は世界でも稀に見る、美しく、繊細な文化を長く継承してきた。これほど、文化の違う欧米と、同じ方法で日本のデジタル化を強引に進めるのは無理があります。

[まとめ]
- 現在、戸籍に使われている、70万を超える漢字には、一字一字に家の長い歴史と大きな意味がある
- 政府のデジタル化で、長年代々引き継がれてきた、由緒ある多くの漢字が消滅する

[提言]
- 歴史的経緯を尊重し、全国の戸籍を管轄する法務省は、現在使用されている約70万の漢字をすべてデジタル化する
- 戸籍を管理する各市町村自治体は、戸籍の漢字は変更することなく従来通りすべて継続する
- 戸籍・住民票には、カタカナやアルファベットを併記する (読み方を明確にするため)

# 2024年1月9日、記事を加筆訂正しました


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