【season17 ダイヤ1到達】命削りリリスコントロール 解説
デッキレシピ
はじめに
メイン・EXのカードがシーズンを跨いでほぼ固定化されてきたため、今回はカード個別解説は要所に絞り、延々後回しになっていたデッキ自体の解説を主に書いていきます。
また、ほぼ同じ構築で現在(season18)ダイヤ5までは到達しましたが、そこから先はうんともすんともです。WCS以降ティアラメンツ以外の選択肢が増えてメタが散ってしまったのと、肝心のティアラメンツにもデビフラ・エクストリオで構えられ厳しい状況が続いています。
胸を張って環境で戦えますとは言えるデッキではありませんが、拡張性が高くまだ環境に食らい付けます。
どんなデッキ?
先日拝見した記事の中でデッキカテゴリをMtGのデッキタイプに当て嵌めてわかりやすく解説されたものがあり、私もあやかってMtG公式より引用致しました。
私の組む【命削りリリス】も、大まかにはデッキ名に冠する通り《悪魔嬢リリス》及び《闇黒世界-シャドウディストピア》のシナジーを中心として、罠で延命しながら命削りの宝札でアドバンテージ差を広げ、《覇王龍の魂》を集めて《覇王龍ズァーク》で殴るデッキです。遊戯王のデッキタイプは他TCGのそれとは乖離しがちですが、このデッキは引用した理念を体現したコントロールデッキと言えます。
環境デッキと違って1ターンでデッキ内のリソースを出力しながら制圧盤面を築いたりはできず、短くとも3〜4ターン以上かけて勝利します。
ターンがかかる分高出力のカードが多く、状況が整い次第1度のバトルフェイズで決着することが多いです。
また1、2枚で仕事をするカードが多く、リソースを小出しにできるのでロングゲームにも強く、20ターン前後であれば余裕を持って戦い抜くことができます。
採用カードを大別すると『1枚で場に影響を与え続けるカード』と『単発妨害』それと『モンスター』と『ドローソース』の4つに分けられます(覇王龍の魂及びズァークは『ワイルドカード』後述)。
それぞれのカード間にもちろんシナジーはありますが、できるだけ他のカードが無くとも仕事をするものを選出し、カード間の潤滑油としてリリスが存在し、シャドウディストピアがあればさらにシナジーが強まるという構築を目指しています。
また、自分の場にアドバンテージを生み出すカードが少なく、かつ失ったアドバンテージを取り戻し辛いため、0:1交換になりかねない手札誘発や無限抱擁の採用は避けています。命削りの宝札での最大枚数のドローを狙うため手札から任意に処理できないカードを採用したくないのもあります。
誘発を積まないことは一つの弱点となっておりFTK系のデッキや【魔術師】に先行を取られると敗色濃厚です。
そうでなくても後攻を取らされた場合は相手の展開しきった盤面を返していくことになります。
また相手モンスターの対処に重きを置いているため、魔法罠に触れるカードが薄く、アドバンテージを恒久的に生み出す置物が苦手です。【電脳界】《朱雀門》、【シャドール】《影依の偽典》、【幻煌龍】《幻煌の都パシフィス》や、カード単体だと《醒めない悪夢》、こちら後攻時の【エクソシスター】などきついマッチアップもあります。今後の課題です。
それ以外のデッキはなんとかなるのかと言えば、先行取って5.5: 4.5、後攻で3.5:6.5ぐらいです。つらいね。
ただし相手の誘発や環境メタがほぼ効かず、こちらが罠での対応幅があるため、その差のお陰でどのデッキ(先に上げた一部除く)に対して常に同程度のダイアグラムで戦うことができます。
完全制圧やFTKがなければ常にワンチャンスあり、相手の盤面をどう捲っていくのか考えながらプレイできるのがも魅力です。
どう戦うの?
先行1ターン目
目指すゴール雑にいうと永続1枚以上+罠2枚以上、それに準ずる場を目指します。
永続は環境に刺さるものが入っているはずなので(スキドレ、御前、season17で言うと次元の裂け目、暗闇を吸い込むマジックミラー) 罠は永続でフォローできない部分をサーチやドローで集めます。
今季の次元の裂け目を例にすると、ティアラメンツには刺さるが、ほかはイマイチなのでティアラ以外に刺さる魔のデッキ破壊ウイルス(それに変換できるトラップトリック)を用意したいです。コストは覇王龍の魂を探すか天獄の王、無ければ最低限シャドウディストピアを張ると言ったところ。
この時、悪魔嬢リリスが引けている場合、自身をリリースしてでもカードを集めます。先行1ターン目でシャドウディストピア+リリスを維持するケースは、以下の3つの場合。
1)永続が引けている
2)覇王龍の魂がある
3)トラップトリックがある
この内少なくとも2つ以上を満たし、その質が高ければ維持を検討します。現環境でリリスとシャドウディストピア+罠1,2枚ででターンを返すのは無謀です。リリスは1妨害のみで、罠含めて2~3妨害しか組めません。踏み越えられやすく、妨害できても次ターンにリソース不足で負けかねません。リリスは後引きの2枚目から相手をリリースするイメージで、先行ではとにかく盤面を強固にすることを目指します。またこの時リリスでサーチする罠は、引けている罠にもよりますがトラップトリックを最大枚数選択し、相手にできるだけデッキ内容を悟らせないように努めています。
先行でのドローソースの切り方
基本的に命削りの宝札を安全に通すことがゴールです。
引けている組み合わせも考慮し、以下のように行動しています。
1)チェーン確認をONにする
2)悪魔嬢リリス召喚
3)リリスの効果発動の確認ポップアップが出るまでのラグを確認
4)命削りの宝札セット。再度ポップアップのラグ確認
5)ディストピア、テラフォ、強欲で謙虚な壺以外の魔法罠を伏せる
・アフリマと合わせて持っていたらテラフォ、謙虚は伏せる
・テラフォと謙虚のみであれば、謙虚を伏せる
6)テラフォ発動
7)アフリマ発動
8)強謙を発動(うらら確認)
7までにうららが確認できていれば命削り→謙虚の順で発動する。
9)ディストピア発動(増殖するG確認)
・ディストピアを素引きしていたら謙虚より前に発動する
10)命削りの宝札を発動
リリスのようなフリーチェーンの効果は相手にチェーン発動するカードが無い場合、最速で効果発動の有無を確認するポップアップを表示します。翻ってポップアップが遅い場合は相手がチェーンするか長考している証左です。これを利用してリリスがいる時に囮のサーチカードを発動してうららのチェーンがあるかを確認することができます。
また、自分のターンにリリスがいる状態で場にカードを伏せると優先権が相手に移ります。相手が発動できるカードがない場合、リリスの効果が最速でポップアップします。このタイミングで発動できる手札誘発は増殖するGや叢雲遠呂智などになるので、うららと判別するため 3) と 4)で確認しています。
そして 4)以降でサーチカードを1枚手札に残し魔法罠を伏せますが、これは相手に罠デッキであることを明かし、このターン中に発動できるカードは残りの手札しかないと誤認させるためです。ルール上速攻魔法以外の魔法はセットしたターンでも発動できることを利用し、手札のサーチカードにマストカウンターのうららを消費させてセットした命削りを通すことが狙いです。このテクニックは応用が利き、後手捲りの際にディストピアや不要な効果に妨害を切らせるとき、やはり魔法をセットして手札を少なく見せかけて、命削りや罠を通せることもあるので大事にしてます。
が、拮抗勝負が環境で流行っている場合、この方法でターンを返すとカウンター罠が無い場合壊滅します。不安を覚え、season17は特に永続+トラップトリック(マインドクラッシュをサーチ)+手札1枚+αでターンを返し、拮抗勝負に備えるという盤面を目指していました(マインドクラッシュについても後述)。妨害の質によっては拮抗勝負を割り切ることも必要なので、その差を詰めながら考えています。
後攻の心構え
諦めないでください。
後攻で一番よくないのは相手の盤面に萎えて細い勝ち筋を見落とすことです。エクストリオやバンブーシュートがいない限り捲れる可能性があります。相手の見えている妨害を数え、どのように踏んでいくかを考えます。拮抗勝負がある体でメイン1を終了して揺さぶりをかけたり、1手目で長考してうららを避けたり盤外でできることもあります。300秒フルに使ってやれることを全部やりましょう。
通したいカードを決める
動画ではティアラメンツ相手に後攻から《次元の裂け目》を通すため、サーチして見せた《闇黒世界‐シャドウディストピア》に《クロノダイバー・リダン》の効果を当てさせています。
通したいカードを決めて、初手と相手の盤面や対応を見つつアドリブで動きます。定石化は難しいですが、最初は永続罠やウイルスなど、相手に影響を及ぼし続けるカードをゴールに設定すると分かりやすいです。決められれば大抵泥仕合に持ち込め、ぎりぎり勝てます。また、このターンと次の相手ターンに使用できないカードは温存せず妨害を当てさせるのも大事です。たとえそれが《命削りの宝札》だとしても、ターンが帰ってこなければ負けるので妨害を当てさせましょう。うららチェックと並行できていればドローソースは良いデコイになります。
ピックアップ解説
今回は短めに、新規採用罠と《覇王龍の魂》の解説。
覇王龍の魂
ワイルドカード
1)《覇王龍ズァーク》闇/攻守4000の用意
2)《覇王龍の魂》の墓地効果により魔法カードの発動を抑制
3) 墓地効果を通せればクリアウィングほか3体を特殊召喚
4)《覇王龍ズァーク》の効果にチェーン《月の書》《皆既日蝕の書》で全体除去
5) 2体並べてエクシーズ/リンク/融合を出して戦線維持
6) コストによるライフ調整
できることを箇条書きにしてみました。多いことはいいこと。
毎シーズンこのカードを褒めている気がしますが、それでも足りないくらいこのカードには救われています。
今回は特に5番について。
《覇王龍の魂》から特殊召喚した《覇王龍ズァーク》は次のエンドフェイズ時にエクストラに戻ります。モンスターの採用枚数が少ないデッキなので、できる限り《月の書》で裏返して《覇王龍の魂》の制約を断つか、素材として使い場にモンスターを残したいところ。
今季は以下の2枚を採用しました。
・《天霆號アーゼウス》
《覇王龍ズァーク》2体でライフを取り切れなかった際に選択。
・《No.77 ザ・セブン・シンズ》
《御前試合》下で選択。4000あるので壁として優秀。
ほか、候補として今も調整しながら以下2枚も試しています。
・《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》
《御前試合》下でも選択可能。
リリースのため《闇黒世界‐シャドウディストピア》でトークンを残せる。
シーズン中は結局出す機会には恵まれなかったです。
・《グラビティ・コントローラー》
エクストラゾーンの《覇王龍ズァーク》1体でのリンク召喚。
《無限泡影》の的になって永続を無効にされてしまうことから、早々に抜けてしまいましたが、ダイヤ1帯の対スプライトでの泥試合にもつれ込んだ際、このカードが無いために敗北する場面がありました。要検討。
マインドクラッシュ
拮抗勝負対策
《トラップトリック》からサーチできる《拮抗勝負》対策の罠を5月に探していました。
拮抗勝負を対策できる通常罠(5/3追記)|ゆめきゆう (note.com)
様々試す中、コストがいらない《マインドクラッシュ》が1番丸いという結論に達しました。使い方も簡単で相手の場にカードが無い状態でバトルフェイズ開始時に《拮抗勝負》を宣言すれば良いだけ。懸念していた持っていないのにバトルフェイズに入る行為には幸い当たらず、発動した際は確実に落とせました。プレイする際の注意として、発動コストはありませんが自分の手札が1枚以上ないと発動することができないため、手札を1枚残してターンを返す必要があり、《命削りの宝札》と若干嚙み合わせが悪いです。ただ、条件自体は簡単なことや、《天獄の王》を公開していターンを返す場合はそのまま条件を満たせることから、そこまで気にはならなかったです。
不要札の処理
不要な永続を処理する際に使用。これはうららをケアしつつ綺麗に決まった場合。
いたちの大暴発
ライフポイント管理
発動タイミングを問わず盤面を返せる罠を探して行きつきました。
《覇王龍の魂》と相手のダイレクトアタックをもらいながら、LPを減らして調整して使います。このカードがあるお陰でLPの減りがむしろメリットとなり、如何に敗北せずにLP1に近づけるかを考慮していました。
永続罠と絡めて捲りに用いていましたが、LPが減るまでターンがかかるので、先行1ターン目に伏せる罠としてはやや弱く、重ねて引いてLPの減りが間に合わず除去されてしまったりなど、使いづらさもあります。
また、自分のLP丁度の攻撃力を持つモンスターは戻すことができず、LPに端数がでるようにLPの千の位が奇数の時《覇王龍の魂》を発動して端数を作るなどケアが必要なところもありました。
TOD(タイムオーバーデス)
名前が出てしまうため最後はカットしましたが、相手のバトルフェイズ中にタイムアウト勝利しました。
相手ターンにこのカード発動直後にタイムアウトで勝利することがややありました。どういうことかと言うと、このカードのデッキに戻す処理は1体ずつ❝相手❞が選択しデッキに戻します。処理中、相手のタイムカウントが動くためタイムを消費させて勝利する場合があります。主に最終盤面に到達するまで時間のかかる【ティアラメン】相手に起こりやすく、バトルフェイズに入られた途端タイムアウト勝ちになることもありました。あくまで相手処理のスピードに依存するのであてにはできませんが、これぞ盤外戦術という感じで使ってる側は楽しかったです。
終わりに(6/19記)
6月初めには投稿したかったのですが、あれよあれよと時間が過ぎ、こんな時期の投稿となりました。
記事としての鮮度は古くなってしまいましたが、《マインドクラッシュ》と《いたちの大暴発》の使用感を残したく書き残します。
また各シーズンの恒例で、制限施行されるに前シーズンのダイヤ1構築でプラチナ帯(season18からはダイヤ帯)を抜けるというのをやっているのですが、今季はかなわず。《マインドクラッシュ》が後攻で扱いづらく素引きが思いこと、《いたちの大暴発》は展開中の総攻撃力の低いスプライト群が増えて妨害にならず、このレシピではWCS後の環境に適応できていないことを痛感しました。環境は生き物やでぇ…
幸いseason18も最高ランクに到達できたので、月内には記事にしたいと思います。代り映えしないデッキですが、また懲りずに読んで頂ければ幸いです。
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