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『雨が止むやつ』の話【蓮ノ空感想文】


『雨を止ませる曲』


 そんなものがあるでしょうか。

 そしてそれを信じられるでしょうか。


 僕には蓮ノ空を応援してきて得ることが出来た宝物のような瞬間があります。これはその宝物ような瞬間のお話。

 去る2023年11月29日、金沢城公園特設ステージで開催された『蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ第103期11月度Fes×LIVE』のことについて、書き遺していきます。


 まず初めに、僕は毎月のFes×LIVEの時は金沢に足を運んで、蓮ノ空を追いかけている友人と一緒に現地でFes×LIVEを視聴しています。7月度Fes×LIVEは金沢駅前の鼓門で、8月度Fes×LIVEは徳光海岸の『#LOVE』のオブジェ前で、音楽堂開催の場合は卯辰山公園見晴台で毎回のFes×LIVEに参加してきました。11月度Fes×LIVEは金沢城公園特設ステージということで、当然金沢城公園に行きましたが、残念ながらFes×LIVE開演時間の20:00には閉園しているため、中で見ることは叶いませんでした。

 中には入れないということでこの日は金沢城公園石川門口正面から視聴しました。


 さて、そんな今回のライブで披露された『ツバサ・ラ・リベルテ』という曲は、蓮ノ空女学院の101期生である元スクールアイドルクラブの部員、そして現生徒会長である大賀美沙知から贈られたものでした。

 沙知が作曲したその曲は『雨が止むやつ』と、彼女は言います。

 大好きな大切な後輩のために過去に作曲していながらも、ずっと渡せなかったその曲は、オープンキャンパスを機に1年の時を経てついに綴理の手に渡され、6人となった蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブはその曲を11月度Fes×LIVEで歌い上げました。



 この日の金沢は朝から終日雨という天気予報だったんですよね。流石に大雨が降りしきる中であれば外で視聴というのも難しいため、一瞬金沢フォーラスでの応援上映に行くという選択肢も過りました。ましてやこの時期の北陸は既にかなり寒いため、雨の中で1時間弱もの間LIVEを見るというのはかなり厳しくはあるものです。

 それでも夕方には幸運にも雨が止んだ。これももしかしたら沙知先輩が止ませてくれたのかなと、そう感じるほどのものでしたから、僕たちは急いで、金沢城公園に向かいました。

 そんな中始まったFes×LIVEはOn your markから始まり、衣装アンケートの後、KNOT、ド!ド!ド!、Holiday∞Holidayと各ユニットが歌ったわけですが、今回はこれらについては割愛します。


 この後の幕間でのReMIXパートが始まった時、金沢にはぽつぽつと雨が落ち始めます。「やっぱり雨降ってきたな、ギリギリ持たなかったかな」とは思いましたが、活動記録13話、オープンキャンパスの時に蓮ノ空の6人が雨の中でも歌ったこと、そしてそれを中学生達は傘に守られながら見たことを思い出し、それすらもリンクしたようで嬉しくなりました。

 しかし、時を同じくしてFes×LIVEの映像の中でも満天の星空に雲がかかり始め、雨が降り始めたんです。すぐに活動記録を絡めたFes×LIVE内の演出だと気付きましたが、金沢城公園前にいた僕は「そこまでもリンクさせたのだ」と、一瞬ですが本気で感じました。

MC直後
ツバサ・ラ・リベルテ前(少し見辛いですが雨が降っています)

 バーチャルの世界に現実が『追いついた』とでも言いましょうか、そんな中でついにその曲は歌われます。自由への翼を意味する曲、『ツバサ・ラ・リベルテ』が。

※このポスト今見たらめちゃめちゃ尖ってるんですけど......…
当時僕たちの周りには誰もいなかったからこそこの奇跡が、いや運命が誰かに伝わるとは本気で思えなかったんですよね。決して本当に『伝わらなくて良い』とは思っていなくて。想像以上に多くの方から反応を頂いて本当に嬉しい気持ちで、この出来事を蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさんと共有出来たのが何よりも良かったなって思います。


 きっとオープンキャンパスで見ていた中学生と同じように、そのパフォーマンスに、雨を忘れて魅入ります。色々な蟠りが解け、鎖が外れ、自由になった夕霧綴理を中心とした6人、いや7人は妖艶な衣装、ダンス、歌声を魅せてくれました。

6人のスクールアイドルと1人のスクールアイドルが作る『七色』


 そして『雨を止ませる』曲は、Cメロになると雨が止みます。

 7人のスクールアイドルの想いが7色の虹をかけ、雨を止ませたのです。その曲が持つ力と想いは確かに自由への翼を得て、天に昇っていき、正しくそれを『晴れさせた』のだとFes×LIVEを見て感じました。

 そしてその曲はついに、現実の世界をも変えてしまった。いや、真なる意味で現実の世界と『リンク』した。金沢城公園前で見ていた僕たちも強い雨に打たれながら画面の向こうにいるスクールアイドルを目に焼き付けていたはずがあろうことか曲が終わる頃には雨が止んでいた

雨あがりの金沢城公園前


 そんなことがあろうかと。

『雨を止ませるやつ』

 僕はその沙知先輩の言葉は当然のように、その『表現』だと思っていました。本当に雨を止ませる曲なんてあるわけがないんですよ。歌で天候を変えてしまうなんてことなんてあり得ないじゃないか、と。

 いまから9年前、µ'sというスクールアイドルグループの高坂穂乃果が、「雨止めー!」と叫んで雨を止ませたのを覚えています。僕はそれに近い『何か』を感じましたし、その『何か』は金沢の天気をも変えてしまったんです。


 あんなにも鳴っていた地面を叩く音も、僕たちがさす傘を叩く音も、気付けばしなくなっていた。

雫が鳴っている
それは絶えず地面を叩いた

「ツバサ・ラ・リベルテ」より


 たった5分間、いや5分間もないそのタイミングだけ雨が降っていたという事実、これを読んでいる貴方は信じられますか?もしかすると信じ難いかもしれません。

 それでも、僕が体験した〝それ〟は『運命』であり『奇跡』なのだと思います。

奇跡か偶然か どう呼ぶかは
僕ら次第だね

「ツバサ・ラ・リベルテ」より

 曲開始直前に雨が降り始め、曲が終わるタイミングで雨が止んだこと。きっとそれは偶然に起きた事象ではなく必然に起こった奇跡、あるいは彼女達が引き寄せた運命なのだと、本気で感動しました。



 僕は想いを持つことも、それを信じることも大好きです。何も目には見えないけれど確かにそれは力を持っていて、どこかでその想いは形になって目に見えるようになる。本気の想いはどこかで実を結んで何かを成し遂げるかもしれない。それを今回身を以て体験したことは何よりもの宝物になりました。

寄り添い合い起こす奇跡
嘘じゃない

「Legato」より


 あの時あの瞬間あの場所にいたのは僕と、一緒にいた友人の2人だけかもしれない。でもだからこそ蓮ノ空のスクールアイドル7人が起こした『奇跡』は、確かに刻んだ『軌跡』として残していきたい。決してフィクションの物語ではない、僕たちと〝同じ空の下〟で生きる彼女達の『キセキ』を、大切に残していきたい。多くの人に知っていて欲しい。そんな想いで今回ここに記録を遺しました。

 そしてこれは僕の中の物語だけなんかじゃなくて『みんなで叶える物語』だって。〝みんな〟でこの奇跡を分かち合って、この空の下で一緒に歩んでいく時間が嘘じゃないんだってことを知れた、そんな出来事。


 活動記録は物語なんかじゃない。彼女達6人と、12人と僕達で歩む〝時間〟という活動の記録。また新たにその1ページを、一緒に描くことが出来たことはこれからも大切な『記録』となっていくんだろうと、心の底から思います。

 蓮ノ空のみなさん、最高の『キセキ』をありがとう。


 最後にもうひとつだけ書かせてください。
 そもそもどうして配信ライブのためにわざわざ現地に足を運ぶのか、それをある友人に聞かれたことがあります。でも僕にとってはそれは簡単で、『同じ空』で生きる彼女達を現地という最も近い場所で感じることが出来るからです。
 蓮ノ空はバーチャルだからこそ常につながっていられる(リンクしている)ことも疑いようのない素晴らしい事実である一方、バーチャルだからこその壁があることもまた事実なのです。現地に行って同じ場所でライブが行われていても僕が見ているのは目の前にいるスクールアイドルではなくて画面の向こうにいるスクールアイドル。だけれど、彼女達6人はライブ中には会場にいる人に手を振ってくれるように僕自身がその実在性を感じることができるのが『現地』に拘る理由です。
 そしてここに残してきた記録は、その現地に拘る意味を何よりも証明するものだった。だからこそ現地に拘り続けてきて良かったと心の底から感じられたし、これからも一緒に『新時代のみんなで叶える物語(バーチャルスクールアイドルプロジェクト)』を紡いでいきたい、そう思える出来事でした。

 これを読んでいるみなさん、ぜひ一度金沢で、現地でFes×LIVEを視聴してみませんか?きっと蓮ノ空が魅せてくれるキセキを、自分の肌で感じることが出来ると思います。


 時は2023/11/29、これはそんな『蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ 第103期11月度Fes×LIVE』のお話。


 ここまでお読み頂きありがとうございました。


 最後に、このnoteは以前に書いたこの記事を【蓮ノ空感想文】に合わせて再編したものであることを書いておきます。


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