おいしいもの

おいしいものが食べたいなあ、と思うことがある。
それは長時間車を運転したあとだったり、仕事でびっしりと書かれた仕様書を読んだあとだったり、夫の親族の集まりに出席したあとだったり、要は脳が変な疲れ方をしたとき。
そういうときに、ふと、おいしいものが食べたい、という欲求が顔を出す。
だけど、この”おいしいもの”には正体がなくて、なにを食べればこの欲求から解放されるのかわからない。
そんな時はこれまでに見たり読んだりした、実在するけど架空の食べ物のことを考える。
それは、コロッケだったり、白いパンだったり、和菓子だったり、アイスキャンディだったり、大きなオムライスだったりするけれど、どれも正解なようでどれも不正解で、ただ実在の姿ではなく文章の描写や絵でそれらを思っていると、なんとなく気が済んでくる。そしてそこまでの儀式めいた一連の流れが終わったら、手近にあるお菓子をちょこっと食べて”おいしいもの食べたい”は憑き物がとれるように終わる。

さきほどはチョコバッキーを1つ食べました。


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