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【歌詞語り】アリス「秋止符」

谷村新司さんが亡くなられて1年が経ちました。亡くなられはしましたが、まだまだ多くの人の心の中に生き続けているのは間違いないと思います。

筆者もそのうちの一人です。高校生のころ、周りの「普通の人」はMr.Childrenや、小室ファミリーの曲を聴いてましたが、色々こじらせていた筆者は「懐メロ」を好んで聴いており、その中に「アリス」も含まれており、数多の作品の中でもかなり聴きこんでおりました。

そんな「アリス」の谷村さんは、おしゃべりもめちゃめちゃ面白く、色々なテレビ番組で披露するエピソードトークなんかはどれも抱腹絶倒モノでしたし(ここで詳述は避けておきますが)、「HEY!HEY!HEY!」にも出演されたときも、面白いだけではなくて、ダウンタウンのお二人とのいい距離感をみるにつけ、何だか癒されもしたのです。

そんな谷村さんが作詞した曲には「冬の稲妻」「チャンピオン」も名曲(カッコいいのですが、「アー」という歌声がカッコよくも、ちょっとオモロくもある)ですが、本稿では「秋止符」から。

アリス「秋止符」
発売年:1979年
作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

左ききのあなたの手紙
右手でなぞって真似てみる
いくら書いても埋めつくせない
白紙の行が そこにある

「秋止符」作詞:谷村新司

この歌い出し。日々明るくは過ごしてはいたものの、学業も部活も今ひとつで、そしてもちろん「非リア充」で、いかにもさえない筆者が、この歌に出くわすや否や、この歌詞が心に深く刺さってきました。これは失恋の歌なので、当時の筆者は失恋もヘッタクレもない高校生でありましたが、何ともやるせない「空虚さ」を「埋まらない手紙の行間」になぞらえて歌ったことに深く感じ入ってしまいました。そしてアリスの世界観にどっぷりと浸かっていくのです。

歌い手、詞人、そしてお笑いもやってしまう。谷村新司さんは稀代のエンターテイナーとして、人々の心に生き続けるのです。

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