【歌詞語り】牧野アンナ「Love Song探して」(ふっかつのじゅもん)
牧野アンナ「Love Song 探して」
発売年:1987
作詞:三浦徳子
作曲:すぎやまこういち
復活の呪文を入力する、あの煩わしい作業を「Love Song探して」となぞらえているのが素敵です。
そう、昔のRPG、ドラクエで言えば、I・IIまでは、「セーブデータ」というものはありません。ゲーム中断時に「ぽびいけて ゆきばたき…」などの不規則な仮名列、すなわち「復活の呪文(ふっかつのじゅもん)」をノートに書き留めて、次回ゲーム再開始時に、その文字列を、十字キーでカーソルを一生懸命動かして入力し、見事合致すれば、物語の続きを始められる、という、今思い起こせば、卒倒するような作業をこなして遊んでいました。
もちろん、一文字でも間違えば、続きは遊べません。字の汚い小学生でも、そのときばかりは、丁寧な字で「復活の呪文」をノートに書きつけたものです。
作曲はすぎやまこういち先生。筆者が小学生当時、あるインタビューで、すぎやま先生が「ゲーム音楽は、プレイ中に繰り返し繰り返し流れるので、絶対に飽きのこないものを作ってます」という旨の発言をされていました。特にこの「復活の呪文」を入力するときは苛立ちがちです。そういうすぎやま先生の思いは、プレイヤーに対する愛を感じます。
(めちゃくちゃ余談ですが、すぎやま先生が「徹子の部屋」に出演されていたのを見ました。能弁なすぎやま先生、あの黒柳徹子さんですら「はぁー、はぁー」と圧倒されて、ただただ相槌を打つだけという時間が流れているのをみて、小学生ながら、「ようしゃべるおっちゃんやなぁ」と思った記憶があります)
作詞はヒットメーカー三浦徳子さん。一生懸命に復活の呪文を入れる人たちを応援するかのLove Songになってます。
そして、何より「自助」こそが肝要と歌う、
のフレーズも刺さります。
そして、牧野アンナさん。歌手活動ののち、安室奈美恵などを輩出した、沖縄アクターズスクールのチーフインストラクターをつとめ、現在はダウン症の子供たちにダンスを教えるスタジオ LOVEJUNXを経営されています。
さて、本稿のタイトル画像や、歌詞カードの画像は、筆者所有のアナログ盤です。無知な小学生だった筆者は、このドーナツ盤を\700で買えば、サントラ盤が聴ける、と思い込んでいました。実際には、片面に一曲ずつ、お姉さまの歌声が入ったものだけで、勝手にガッカリしていました。しかし、結構重ねて聴き込んで、楽しんだものです。当時は牧野アンナさんがそんなすごい経歴を重ねられるなんて、想像だにしませんでした。
そしてこのドーナツ盤はしばらく実家に眠っていたのですが、2年ほど前に、実家で断捨離が行われた際、「こんなん出てきたで」と見つけてくれたので、改めて私の手元に戻ったのです。その際、ついでにレコードプレーヤーも引きとり、再度鑑賞できる状況になってます。素敵。
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