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FAR:Changing Tidesの話

先日、FAR:Lone Sailsの続編であるFAR:Changing Tidesというゲームをプレイしました。前作に引き続きとても良いゲーム体験でした。前作、および今作についてのネタバレ注意です。

船の操作と新機能

ゲームシステムは前作と同じく自分の船を操って右へ右へと進んでいくものなのですが、船自体は前作の陸上船とは別物で、海に浮かぶ樽のような見た目になっています。エンジンに燃料を入れてふいごを動かして火をおこし、風が吹けば帆を上げて、エンジンのほうは備え付けのホースで水をかけて火を消して…ソナーに反応があれば船を止めてクレーンを下ろし、燃料が切れたら船体底部に降りて補充する、ちょこまかと忙しかった前作に負けないくらいやることがあります。

船の内部が見える画像
上部には帆、船体後部にはクレーンなどの設備がある

今作はこれまでになかった要素として「潜水機能」があります。といっても高性能潜水艇のように思うがままにに動き回れるのではなく、できる入力は上/下への移動と前/後ろへの移動のみです。これを使って船体位置をちょいちょいと微調整しながら海底洞窟を抜けたり、海中で作業をしたりするのです。

ほかにも、ほとんどが白い四角い箱だった燃料が、今回は誰かの旅行カバンや白い荷包み、ステレオみたいな物体になっているなど燃料にもバリエーションがあります。前作でもあったちょっとレアな、人類の名残を感じさせるオブジェクトも健在です。再序盤で手に入る鉢植え(おそらく前作の郵便ポスト枠)に水をかけ続けることで花が咲くおまけ要素も良かったです。

展開について

前作のラストは火山によって船が大破し、ボロボロになりながら海岸にたどり着いて狼煙を上げるという衝撃的なものでした。長い旅路をともにした船が真っ二つになってしまい、おろおろしながら進んだのを覚えています(しかもこの時流れるBGMのタイトルが「Half」です ひどい)。今作もそんな経験者をヒヤッとさせるような演出があり、なんと序盤の航海中に潮が引いてしまい船が座礁、そのあとに津波が押し寄せてきます。その結果船体後部は折れてしまい、真っ二つのHalf、とまではいかないまでも三分の一くらいは失われてしまいます。本当にビビり散らかしました。

座礁する船体と押し寄せる津波(画面の奥)

(そのあと修理ドック的な場所で船体の後ろ半分を新しくつけられます)

また、後半で氷河の下に埋まった船を見つけるのですが、その中に座っている死体がなぜか前作主人公の肖像を持っています。

前作主人公の肖像を持っている長い髪の人物

これにもビビりました。前作主人公があの後どうなったかは明言されていませんが、この一シーンから「狼煙を上げたことでほかの生き残りたちと合流できた主人公。その後は船を乗り換えながら世界を放浪して生きていたが、最後は極寒の地で燃料を切らして亡くなった」まで想像しました。実際はおそらく前作主人公のお母さんあたりかと思われます。

相変わらず美しい世界

このゲームの前作から続く魅力の一つに、通り過ぎる景色の素晴らしさがあります。ひたすらに滅んだ陸地を進んでいく前作では主に、夕焼けや朝焼け、それに嵐の後の星空なんかが個人的には記憶に残る美しさでした。今作ではそれに加えて、行動範囲に追加された海中にも心に残る風景があります。

引き続き綺麗な夕焼け
前作にはなかった水平線が見える
海中で出会えるクラゲの群れ 鮮やかに光っている
他にも浅瀬の魚群やクジラ?らしき生物もいる

そして終盤、滝を越えるために主人公は船と気球を接続し大空へ飛び立ちます。壮大なBGMと圧巻の景色が合わさり長い旅をしてきたことを感じさせてくれる名シーンの一つです。なんというか、「気球で滝を飛び越える」って「自分の帆船で気ままな旅をする」ってのと同じくらい素朴なロマンの一つだと思うんですよね。それが両方とも味わえちゃいます。

眼下にどこまでも広がる景色と大きな滝のあまりの壮大さに息をのんだ

他にも役目を終えたと思しき海底プラントなんかもあります。浮上する廃墟都市や巨大な機械が好きな人(自分)も大満足です。序盤の壁画に書いてあった海上の謎の建築物ってこれのことですよね?何があったんだろう…

浮上した海底プラント的なもの 迫力がある

今作は、前作を知らずに始めても全く支障なく海の旅楽しめるようにはなっていますが、わたしとしてはそれでもやはり順番にプレイすることをお勧めしたいです。既プレイヤーのことを意識していそうな仕掛けがそこかしこにあるので…実際私もこの記事の中でも何回「前作」と言ったかわかりません。海の旅が楽しめる人はきっと陸の旅も楽しめますので、ぜひ二作品とも合わせてプレイして、そして風景と音楽に癒されたり心地よい孤独感を味わったりしてください。

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