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読書家でも何でもないけど、村上春樹を薦める

ちょうど、新しく読書連載を始めたいなぁ…と思っていたら、大好きなリトさんが、オススメの本を教えて欲しいと書いているじゃないか。

読書感想文は、実は昔にnoteにも書いたことがある。
が、その記事はどうやら誰も読まなかったらしい。

記事の整理をする時に消してしまった。
内容もひどいものだったので。
(ちなみに、『アルジャーノンに花束を』について書いた)

で、今日オススメするのは、こちら。

村上春樹の『1Q84』です!!!

全6巻ある。

実は、この話について、解剖してやろうと画策しているのだが、複雑なので、何から手を付けたらいいかわからず、まさに今、夜な夜な読み直している最中である。

(だから、noteの記事を書くのに時間を割いていないとも言える)

話の軸が複数あるので、気軽に読むのには、もしかすると向かないのかもしれない。

でも、オススメする。

“ハルキスト”とまではいかないかもしれないが、私が最もよく読む作家は村上春樹であり、一番好きな作家も村上春樹である。

村上作品の中でおススメする作品は色々あるし、
どんな人かによっておススメする作品も変わってくるとは思うが、

『1Q84』を初めて読んだ時、これが村上作品の中で一番好きだと思った。

今日は、簡単に『1Q84』を概説する。

《あらすじ》

主人公は2人いる。
天吾(男性)と青豆(女性)。

彼らは小学校の同級生で、10歳の時に青豆が天吾の手を握り、2人は見つめ合った。
しかしその後は、青豆が転校した後、お互いの消息を知らないまま、1984年の日本を舞台として物語は展開する。
この時点で2人とも29歳である。

青豆はスポーツインストラクターであると同時に、暗殺者としての裏の顔を持つ。
老婦人(緒方)に、女性をDVで苦しめる男性達の暗殺依頼を受けて、心臓発作に見せかけて殺害することを繰り返す。

一方、天吾は、予備校講師をする傍ら、小説家を目指している。
ある日、知り合いの雑誌編集者から新人賞応募作の下読みを任されて、天吾は「ふかえり」という少女の書いた『空気さなぎ』という小説を見い出し、編集者に薦める。しかし、文章が拙いため、編集者から代わりに天吾が『空気さなぎ』の書き直し(いわゆるゴーストライター的な役割)を行うことを依頼される。

2人は、別々の世界線を生きながら、それぞれ共に「さきがけ」という新興宗教団体に関わる事件に巻き込まれていく。
※あくまで主観です

『1Q84』を私自身がまだ理解しているとは言い難いと思うが、幾つかオススメポイントを挙げる。

この話には、幾つも引っかかるべきポイントがあると思うが、今日中に記事を公開にするために、簡単に思い付けるところだけをかいつまんで紹介する。

▶︎ 文体

この本に限らず、村上春樹の好きなところ。
英語を日本語訳したかのような文体である。

もっとうまく訳すこともできるだろうに…とすら思うような和訳。

村上春樹は、翻訳家でもある。

彼の翻訳したグレートギャツビーを読んだことがあるが、これは村上春樹が書いた話ではないのか?と思った記憶がある。

私の旧友に言わせれば、「村上春樹の文章は大したことない」ということになるのだが、
確かに、文豪達の日本語からは少し離れている気がする。

でも私は、このややいびつな日本語が好きなのだ。
(村上春樹に「いびつな日本語」とか言っちゃっている。何卒目を瞑ってください)

比喩表現はやたらと長い。

この話の冒頭あたりに、主人公の青豆が非常階段を降りるシーンがあるのだが、
ただ階段を降りるのに、どんだけの文字数費やすんだよ、というページ数を費やす。

しかし、後で、この非常階段を降りるという行為に対して、思いも付かなかった伏線回収的なことが起こる。


あれ?兎にも角にも文体です。

▶︎ 突き抜けた狂気的”純愛”

純愛が何だかよく私にもわからないが、この話の核を為しているものの一つには、純愛があると信じている。

彼らの恋愛事情(あるいは性的な事情)だけに目を向ければ、純愛という文言に首を傾げたくなる。

でもそれは、確実に、いびつな聖母マリアのような風合いを持っている。

純愛って狂気じみている、という感想も同時に抱いているが、4巻目のラストが大好きなので、もしよければ読んでみて欲しい。

狂気的な純愛を示唆するワンフレーズ↓

「チベットにある煩悩の車輪と同じ。車輪が回転くると、外側にある価値や感情は上がったり下がったりする。輝いたり、暗闇に沈んだりする。でも本当の愛は車輪に取りつけられたまま動かない」

▶︎ それぞれの“信念”

この”信念”には、どちらかというと、後ろ暗いものが多く含まれている。

この話は、カルト教団がガッツリ中心に居座っており、
登場人物それぞれに、後ろ暗い過去の遺産に引きずられて、抜け出そうと試みるものの抜け出せない染みついた信念が付きまとう。

その信念達が、とても共感深くもあり、自分の中のどこかしら(依存心的な何か)をチクリと痛ませる。

それの何が面白いんだ?という話だが、『1Q84』を読むことで、自分の心の奥底から、自分から引き剥がせないもののことを俯瞰的に考えることができるような気がする。

▶︎ 何度もしがめる

ハッキリ言って、初回でこの話を理解し切ることなどできない。まだ理解はしていない。

史実、音楽、宗教など。

まだまだ他の知識を積まない限りは、この本の言わんとすることを理解することはできない。

だから、知識を掻い摘めた気分になれなくはないが、読み終えてなお、
「くっそー、全然わかんねえ」
という、消化不良感が残る。

そのくせ、ストーリーはめちゃくちゃ面白い。

だから、何度でも読みたいという気持ちにさせられる。



長々ととりとめもなく書いてしまいました。
粗暴なオススメで、村上春樹や1Q84ファンの方には申し訳ありません。

何はともあれオススメです。

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