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本当にやりたいことは、犬のしっぽと幼稚園の砂場に…

今日の東京は、雪が激しく舞っている。
振り始めてから幾度となく、窓から雪が降る様子を眺めていた。
降ってるなぁ……と思うだけなんだけど、なんとなく見てしまう。
夜になって、暗い空から白い雪がコンコンと落ちてくる感じも良くて、今もぼんやりと見入っている。
なんとなく絵本の世界だなと思って、見入ってしまう。

降ってくる雪を見ていると、思い浮かぶ映像がある。
犬がしっぽを振りながら駆け回り、
猫がこたつの上に丸くなっている、そんな絵だ。
完全に子供の頃に歌っていた童謡の影響なのだけど、
雪は、幼少期の思い出とセットになっている(東北育ち)。

関係ないけれど、
犬が喜ぶとしっぽを振るという、あの習性、個人的にとても共感する。
何かとんでもなく嬉しいことがあったとき、
思わずスキップしちゃうとか、口笛吹いちゃうとか、笑みがこぼれちゃうとか、そういう肉体的反応だ。
心のなかにしっぽがあったなら、勝手に動いているなと思う。

話は変わって。
今さらながら、世界的ベストセラー「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」を読み始めた。
タイトルは知っていたし、評判も知っていた。
ライターの先輩からも勧められた本だった。
素直じゃなかったのか、なんなのか、「そうですね」と言ったまま、読むタイミングを失い、いまのいままで放置していた。

が、今さらながらタイトルが気になり、読んでみようと思った。
なぜなら、最近の自分内テーマが、「子供時代を思い出す」だからだ。

子供の頃の記憶を引っ張り出してみる、ということを始めたのは、
尊敬する会計士の先生の影響だ。
彼曰く、「自分の才能は、子供時代にヒントがある」。
自分が本当にやりたいことはなにか、
自分が幸せを感じることはなにか、
そのヒントは、子供時代を思い出してみると見つかるものだという。

会計士としてバリバリ働いて稼ぎもよかったけれど、
果たしてこれが天職だろうか、と悩んだとき、
子供の頃は人前で話して笑わせることが得意だったことを思い出した。
なんだ、俺、結構面白いやつだったじゃん!
忘れていたその特技を活かして、その方は大学の先生になったという。

さて、自分は子供の頃、なにに夢中になっただろう。

「アンネの日記」に夢中になり、架空の親友を相手に日記を書いたり、
連載漫画の続きを待てず、自分でストーリーの続きを書いたり、
憧れのスターや芸能人に、ファンレターを書いたうえ、
憧れのスターをひたすら愛でる「私的ファンクラブ会報誌」を勝手に作って書いていた。
幼い頃、夢中になったことに、「やりたいこと」「幸せなこと」のヒントがあるというなら、私、これからも書いていていいのか、と思った。

ちなみに、『愛の不時着』のリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)でいえば、これが「ピアノ」になるのだろう。
今は軍人だけれども、本当の幸せは「ピアノ」にあった。

さて。
「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」を読んでいて、こんな一節があった。

人間、どう生きるか、どのようにふるまい、どんな気持で日々送ればいいか、本当に知っていなくてはならないことを、わたしは全部残らず幼稚園で教わった。(中略)

何でもみんなで分け合うこと。
ずるをしないこと。
人をぶたないこと。
使ったものは必ずもとのところに戻すこと。
ちらかしたら自分で後片付けすること。
誰かを傷つけたら、ごめんなさい、と言うこと。
(さらに、続く)

「人生に必要な知恵はずべて幼稚園の砂場で学んだ」 ロバート・フルガム 著 池央耿 訳

幼い頃に、おやつはみんなで分け合うことを学んだし、
ブランコではずるして横入りをしてはいけないと学んだと思う。
知らないうちに、それが当然のことと受け入れていたと思う。

「三つ子の魂百まで」というけれど、
実際、7歳くらいまでの記憶がその人の人格を形成するそうだ。
もちろん、成長していく過程で、どんな人に出会い、どんな経験をするかで、いくらでも人は変わっていくものだ。
一方で、心のしっぽを自然と振ってしまうような、純粋に心が躍るものは、幼い頃の記憶に鍵があることも事実だと思う。

というわけで、子供の頃を思い出してみる作業は、
とても楽しいので、オススメしたい!



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