“ナツハゼ”の実生について。

この記事は、2023年9月3日に行った“ナツハゼ”の実生についてまとめた記事です。
今回、ナツハゼの実生をチャレンジするのは初めてであり、実験的に実生を行ったので、内容を本記事へ記してみることにしました。





ナツハゼについて。

まず“ナツハゼ”について記します。

【分布】北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島南部、中国
【自然環境】日当たりのよい山地及び丘陵地に生える落葉低木。

邑田 仁、米倉 浩司 著(2018) スタンダード版 APG樹木図鑑 北隆館出版 

自分の故郷は福島県の阿武隈高地にありまして、実家周辺で割とよく見られる樹木です。樹木が好きな私に、祖父が『上の畑の近くの林の中にヤマオトコがあるから盆栽にでもしてみるといい』と発言したのがきっかけとなり、実生してみることしました。
ちなみにこの辺の地域では、ナツハゼのことをヤマオトコ(山男)とよび、正式名称がナツハゼであることを知らないようです。
自分の祖父母も知りませんでした。

今の時期、この辺りの地域では黒く熟している実があり、初めて口にしてみましたが、ブドウのように甘く驚きました。

個人的な見分け方のポイントを以下に記してみますので、ご参考ください。
※あくまで素人目線ですのでご了承ください。

葉の表面







参考内容。

ナツハゼ(ツツジ科)は有用な自生枝物であり栽培が望まれている。しかし、増殖においては挿し木が困難であるため、実生繁殖が試行されている。これまでに、種子を採種後すぐには種し、温度を23℃に保つと、半年以内に70%程度発芽させることが可能であることがわかっている。そこで、は種用土及び種子消毒等の処理の違いと発芽率の関係を検討した結果は以下のとおりである。(1) 鹿沼土とバーミキュライトを等量混合したものをは種用土に用いた場合、種子選別及び種子消毒の有無にかかわらず、は種1ヵ月後には概ね50%発芽し、は種6ヵ月後には概ね70%が発芽した。(2) 鹿沼土と調整ピートモスを等量混合したものをは種用土に用いた場合も、種子選別及び種子消毒の有無にかかわらず、は種1ヵ月後には概ね50%発芽し、は種6ヵ月後には60%以上が発芽した。 以上のことから、ナツハゼの種子を採種後すぐには種する場合、は種用土は鹿沼土・バーミキュライト混合及び鹿沼土・調整ピートモス混合どちらでもよく、種子選別や種子消毒等の処理は行わなくても、60~80%程度発芽させることが可能であった。

福島県農業試験場“ナツハゼの実生繁殖法”2023.9.13 
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/448734.pdf


播種内容。

昨年、カエデの播種を行いましたが1つも発芽しませんでした。
有識者の方から、8月下旬や9月上旬あたりの熟していない状態の方が発芽率が高いとの助言を頂きました。
全ての種子に対して同じことが言えるかは分かりませんが、ナツハゼでも種子の熟し具合で発芽率が異なるかを試してみたいと思います。

1鉢ごとに10粒蒔きました。
左下は、余ったCの種を適当に蒔きました。

【A】大部分が緑色の状態
果肉の部分が硬く、苦味も強くとても食べられる状態ではありません。
種は白かったです。

【B】大部分が赤い状態
一部の緑色の部分は硬い状態。
同じ実でも、場所によって種子の色が異なっていました。

【C】黒く熟している状態
柔らかく、食べると美味しい。
種子の色は茶色。

ちなみに、使用した用土は鹿沼土とバーミキュライトの混合土。
蒔いた種子が、流れたり、乾燥しないようにするために5mm程、覆土を行いました。

動きがありましたらまた更新します。
お楽しみに。

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