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「女性の事務職について」(2021年3月)


 女性が仕事を探す時、事務職は人気の職種の一つと言えるだろう。
 現在の事務職は、オフィスで書類の整理や電話対応に加えて、ペーパレスの時代になってきているから、当然パソコンスキルはいろいろと備えていなければならない。  
 また事務と言っても、一般事務や営業事務、貿易事務、経理や庶務、総務など仕事内容も様々だ。ITやWEBの仕事も増えて、WEBページのちょっとした修正をしたり、SNSの発信を担当する事もあるかもしれない。電話対応だけのテレオペレーターや、ひたすらデータ入力だけの事務仕事というのもたくさんある。


 コロナウィルスの流行に伴い、このような事務職を各従業員の自宅で行うテレワークという働き方が2020年の春から急増した。これまではオフィスに机を並べて行っていた事務仕事を、インターネットで繋いで連絡をとりながら、それぞれの自宅で行う。
 女性にとって、特に家事を切り盛りする主婦の人たちには、このようなテレワークで行う事務職というのは、通勤時間を省くことができてフレキシブルな働き方が可能になる。ちょっとした雨の日は仕事の合間を縫って、ベランダに干した洗濯物を片付けることができたり、小さな子供がいるママ世代や親の介護が必要な女性にも、今まで以上に働きやすい環境が整いつつあるのではないだろうか。  


 昔、大学生の頃に春休みに、税務署の総務課で事務のアルバイトをしたことがある。天気の良い日に朝、布団をベランダに干しておいて、昼休みに布団をしまいに、アパートまで自転車をこいだことを思い出す。
 仕事内容も届いた郵便物の整理や、職員、署長室に来る来客へのお茶だしなどが主な仕事で、役所のアルバイトということもあってか、今考えれば随分と長閑な雰囲気だったように思う。

 2020年の1月から6月まで、私は派遣会社から営業サポートの事務職に派遣されて働いていた。マスクやアルコール消毒液などを、病院などに卸している世界的に有名な会社での仕事だった。
 1 月の後半からマスクの問い合わせの電話が毎日ひっきりなしで、電話を受けると内容を営業担当者にチャットやメールで連絡をするという作業をひたすら行っていた。もちろん、営業担当者は全国各地に散らばっていて、一度も顔を見たことはなかった。
 その仕事では福岡市内にある事業所に、私は通勤していたが、インター ネットのおかげで、日本中の病院や医療機器販売の会社、営業担当者と電話とチャットとメールで細かい連絡のやり取りをする事ができた。
 世の中のIT化が進むにつれ、たくさんの人とより広範囲に繋がることができ、コミュニケーションを取る事が可能になった。

 最近はさらに、企業の中で働く外国人従業員と接する機会も増えてきている。
 派遣会社から勤務した、グローバル企業の経理部には中国人の社員の方が何人か在籍していた。現在、在宅ワークで行っている電話営業の仕事の会社でも、東南アジアの国から日本に来ている方が多数、社員として働いている。  

 女性の事務職は、かつては男性社員の影に隠れた、サポート的な業務であることが多かったことだろう。しかし、現在は会社から自宅からネットで世界中に繋がり、国際色も豊かである。
 そして、その業務内容も、サポートの枠を超えた個人の仕事人としての能力がさらに求められる重要な職務になってきていると言えるだろう。


(※2021年3月にテストで書いた文章ですので、その時の状況での内容となります。)

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