冒険ダイヤル 第36話 伝えられずにいたけれど
「お前は天才だ」
駿は陸に向かって拍手した。
「ほんとだ、僕って天才?」
陸はぽかんとして自分でも拍手する。
やがてつば広帽子の内側に顔を埋めて絵馬がぶつぶつと何かを言い始めた。
「王様の耳はロバの耳…」
「エマちゃん?どした?」
深海が怪訝そうに覗き込んだが絵馬は帽子で顔を隠したまま隣の陸の肩に寄りかかった。
陸はため息をついてそれを押し戻す。
「エマちゃん、駄目だよ言わないで」
「もう限界」
絵馬は帽子で顔を覆ったままくぐもった声で答える。
深海は帽子に向かって問