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【連続小説】 冒険ダイヤル

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おさななじみとの再会を願う、高校生たちの物語。 そこには小さな謎解きが待っています。
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2023年12月の記事一覧

冒険ダイヤル 第26話 嘘はついてない 

いつだったか駿と三人でおやつを食べようとして公園のベンチに並んで座っていた。サラダせんべ…

アイチャイム
6か月前
10

冒険ダイヤル 第27話 七つのお祝い

スマホが鳴動した。 今度は非通知からだった。駿は一度深呼吸をしてから応答した。 予想通り魁…

アイチャイム
6か月前
9

冒険ダイヤル 第28話 忠告 

深海と陸はそれぞれ海老とホタテが団子のようにいくつか刺さった串焼きを手にしている。 暑さ…

アイチャイム
6か月前
7

子供は見ないでね 【短編】

「おれたち三人でクリスマス会しようぜ」 魁人がそう言い出した。 「三人だけで?」 「そう。…

アイチャイム
6か月前
17

冒険ダイヤル 第29話 幾夜ねざめぬ

駿は祠で拾ってきた袋を受け取ると無言で中を調べ、取り出した物をみんなの前に並べた。   ひ…

アイチャイム
6か月前
10

冒険ダイヤル 第30話 今は夏

注文したかき氷が運ばれてきた。 こんもりとした白い氷のてっぺんにアイスとゆで小豆がのって…

アイチャイム
6か月前
8

冒険ダイヤル 第31話 来年の約束

「おれたちふたりで狸を見に行こうぜ」 下校時間、魁人は深海があげた給食のコッペパンを片手に何度もこちらを振り返ってくるくる回りながら帰り道を歩いていた。 ランドセルの遠心力を楽しんでいるようだ。 その日は駿が珍しく風邪をひいて学校を休んでいた。 三人で行こうと約束したのに待ちきれなくなったのだろう。 「お前には狸運があるんだと思う」 「狸運ってなによ」 魁人は狸をよほど縁起がいい生き物だと思っているらしい。  「前見ないと危ないよ」 「らいりょぶ、らいりょぶ」 魁人はパンを

冒険ダイヤル 第32話 そうだけどそうじゃない

喫茶店に残された駿と陸はしばらく無言だった。 飛び出していった深海には絵馬がついていった…

アイチャイム
5か月前
7

冒険ダイヤル 第33話 橋の向こう側

深海は絵馬を振り切って走っていた。 彼女には本当に申し訳なかったけれど、喫茶店に戻ったら…

アイチャイム
5か月前
6

冒険ダイヤル 第34話 ラブレターの書き出し

「今度の週末にお疲れさん会をやろうよ。ふーちゃんが戻ってきたらその話しようよ」 ナポリタ…

アイチャイム
5か月前
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