書籍情報

イティハーサはこれまで豪華本・ぶ~けコミックス・ハヤカワ文庫で紙の本が刊行され、近年では電子書籍も出回っていますが、ハヤカワ文庫版以外の紙の本は絶版となっています。
それぞれ微妙に構成が違うのでここにまとめました。

<豪華本>全15巻
最初に刊行された単行本。表紙の紙と遊び紙は作者自身が選定し、曼陀羅も作者が自ら手掛けている。全ての巻にカラー扉絵付き。2巻と5巻以外には三つ折りポスター付き。また、一部の巻には後書きが付いている。

3巻…あとがき漫画『遠くへ行きたいっ!!』青比古の名前設定についてさりげなく描かれている。
5巻…あとがき『植物について』
6巻…あとがき『雨について…』
7巻…あとがき漫画『ジョニーについて話そうか』肩こりの話。
8巻…あとがき『七年目の…○○気』
9巻…あとがき『ふまじめな余暇のふまじめな考察』
10巻…あとがき『哀愁の職人気質(しょくにんかたぎ)』豪華本の曼陀羅の作成過程について。
11巻…小説家・谷甲州氏による解説(タイトルは単純に『解説』)
13巻…小説家・久美沙織氏による解説『神名を持つ漫画家』
14巻…小説家・大原まり子氏による解説『人が人であるための闘い』
&作者自身による『あとがきにかえて』

<ぶ~けコミックス>全15巻
豪華本が手に入らない、高い、などといった読者の声を受けて、通常のぶ~けコミックス版も発行された。一部の巻におまけ記事つき。

2巻…『イティハーサ冗談スペシャル!!』掲載。
※1987年ぶ~け4月号に載った豪華本発刊記念特別記事。
4巻…「水樹和佳全作品リスト」掲載。
※版によっては載っていないことがあります。目次には記載があるので落丁と思われます。
9巻…『おまけ四コマ劇場』4コマ漫画3本掲載。
※同じものが水樹先生のHPにも載ってます。
14巻…『あとがきにかえて』掲載。
※豪華本14巻のものと同じ。
15巻…『あとがき』掲載。コミックス用の後書き。

<ハヤカワコミック文庫>全7巻
イティハーサ完結後、版権が早川書房に移り刊行された。
豪華本・コミックスだと全15巻の話を7冊にしたので、頁と頁のつなぎ目が不自然な部分は加筆で調整している。各巻に解説付き。
(加筆部分は別記事で紹介しています)
全巻購入特典・専用ボックスのプレゼントキャンペーンが実施された。

※2023.6.6追記・文庫版の注意点について。
第3巻は夢枕獏氏の解説が入っていますが、
思いっきり最終話のネタバレをしてしまっていますので、
イティハーサを初めて読む人は解説を読まない方がいいです。

第7巻の初版は、扉絵タイトルが誤植で「目に見え神々」になってしまっています(正しくは「目に見え神々」)
後の版では修正されているようです。

<kindle日本語版>全15巻 ※電子書籍
クリーク・アンド・リバー社より刊行。豪華本がベース。
各巻にカラーページ、水樹先生により後書きあり。サイン付き描き下ろしの鷹野のイラストが巻末に付いている(どの巻も同じイラストです)。
豪華本に付いていた三つ折りポスター画像とカラー扉絵が載っているが、カラー扉絵は一部カットされた箇所あり。

<kindle英語版>全15巻 ※電子書籍
クリーク・アンド・リバー社より刊行。豪華本がベース。
各巻にカラーページ。後書き等は無し。
こちらは日本語版と違い、三つ折りポスター画像とカラー扉絵が豪華本と同様に載っている。

<英語版ペーパーバック>全15巻 ※詳細は別記事参照
kindle英語版をAmazonが製本したもの。
kindleと同様にカラーページ・扉絵が所収されている。後書き等は無し。
画像を反転せずにページのめくり順を日本語版と逆にしているため、見開き部分はページが左右逆になってしまっている。
2023年6月2日現在購入可能なのは1,3,5,6,7,8巻のみ。

<その他各種電子書籍>
ハヤカワ文庫版・kindle版を元にしたものが各電子書籍サイトで販売されている。無料で読めるのは以下のサイト。

スキマ…2023年6月2日現在、全話無料で閲覧可能。文庫版ベース。

LINE漫画…143話まで無料。1日の閲覧数に制限あり。
文庫版ベース。コメント機能あり。

ピッコマ…98話まで無料。1日の閲覧数に制限あり。
kindle版(豪華本)ベース。

余談ですが、豪華本と文庫版は絵柄が微妙に違う箇所(特に初期の巻の目元、口元)が見受けられます。それは以下の事情によるものです。

それとわからない程度ですが、実はちょこちょこ手直しもしています。
告白してしまえば、コミックス、豪華本、文庫、
全部に手直しがはいっています(^ ^;)。
今わたしの手元にある原稿は手直しの入ってしまっている原稿なので、
ぶ~け掲載時の絵はもうこの世には存在していないことになります。

水樹先生のホームページ2000年7月の近況より引用

私は豪華本・コミックス版を読んで育ったため、文庫版を初めて読んだときは上記の理由から、ちょっと違和感がありました。また、サイズが小さくなることで細かい線などが潰れてしまい、水樹先生の持ち味である、繊細な表情が打ち消されてしまっている気がするので、やはり豪華本が一番好きです。

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