見出し画像

デュエプレ殿堂・ナーフカード解説vol.6~「魔光大帝ネロ・グリフィス・ルドルフ」

今回紹介するのは第17弾「ライジング・アライズ-希望の王女-」に収録された「魔光大帝ネロ・グリフィス・ルドルフ」です。


「魔光大帝ネロ・グリフィス・ルドルフ」は、デュエプレ一周年企画のカード人気投票で一位を獲得した「魔光大帝ネロ・グリフィス」のリメイクとして収録されました。

「魔光大帝ネロ・グリフィス」は、主に「魔弾グローリー・ゲート」や「魔弾バレット・バイス」などの「ナイト・マジック」を持つ呪文でアドバンテージを稼ぎながら、「破壊龍神」や「暗黒皇グレイテスト・シーザー」のような強力なフィニッシャーによる決着を狙う「ナイトコントロール」に採用され、第11弾環境で活躍しました。

「ナイトコントロール」は繊細なプレイングが要求されるものの、広く対面を見ることが出来るため愛好者はかなり多いデッキでした。また、DMPP-10EX~DMPP-11の『「赤青剣誠」vs「ナイトコントロール」』環境が屈指の良環境であり、多くのプレイヤーに愛されたことも「ネロ・グリフィス」の人気の理由でしょう。

【能力解説】

そんな「魔光大帝ネロ・グリフィス・ルドルフ」の効果がこちら。

 《魔光大帝ネロ・グリフィス・ルドルフ》 コスト8
クリーチャー:エンジェル・コマンド/ダークロード/ナイト 8000
・ブロッカー
・自分のクリーチャーはすべて、種族にナイトを追加する。
・自分のナイト・クリーチャーが破壊された時、ゲーム外からランダムなナイト呪文を探索し、その中から1枚をコストを支払わずに唱える。その後、その呪文をゲームから除外する。(この効果は、各ターン中1回のみ発動する)
・W・ブレイカー

自分のクリーチャー全体への種族「ナイト」の付与、そして自分のナイトが破壊されたときにゲーム外から「ナイト」呪文を探索し唱えることが出来ます。要するに呪文版GR召喚みたいな感じです。

唱えられる呪文は以下の19種。

どれも強力な呪文ですが、特に当たりなのは除去&シールド焼却をこなせる「超銀河弾HELL」で、下手にウィニーを並べると「HELL」一枚で壊滅する、なんてこともあり得ます。

まぁ都合よく「HELL」が当たる確率は15%程度とそこまで高くないので、どこまでいっても所詮ガチャ、せいぜいおもちゃカードだし、環境で暴れることはないでしょ…って感じで、このカードは発表された時あまり評価されていませんでした。

ダメだったからここで紹介してるんですけどね。

皆さんソシャゲでリセマラってしたことありますか?目当てのキャラが出るまで、何度も何度もガチャを引き続けるアレです。

たとえ目当てのキャラが出なくても、出るまで回せば絶対当たるんですよ。

【環境での活躍】

そうして組まれたデッキがこちら、【ドロマールドルフ天門】です。

このデッキのコンセプトは極めて単純です。

「特攻人形ジェニー」を始めとした自壊持ちクリーチャーでひたすら自壊しまくり、「ルドルフ」の能力を何度もトリガーさせ、「HELL」を始めとした当たりが出ることを祈ります。

「ナイトコントロール」の繊細なプレイングはどこへやら、パチンカスデッキへの変貌を遂げてしまいました。

さらに言えば、これらの呪文はすべて「ジェニー」のハンデスや「アクア・バースター」のバウンスのおまけに撃てるので、「1ハンデス+4ドロー」「バウンス+シールド2枚追加」などの明らかにコスト論を逸脱した挙動を行うことが出来ます。おじいちゃんおまけで人を殺しちゃだめって超天編で学んだでしょ。

さらに「ルドルフ」はなぜかブロッカー持ちなので、なんと偶然たまたま「ヘブンズ・ゲート」から踏み倒せるんですね。

ヘブンズ・ゲートから踏み倒す相方として愛用されていたのがこの「大河聖霊エル・ドラード」。

アッパーされブロッカー持ちに

「エル・ドラード」は相手の攻撃時に1ドローして、手札から「S・トリガー」カードを一枚使うことが出来ます。シンプルにぶっ壊れてるカードで、もちろん「ヘブンズ・ゲート」や「地獄門デス・ゲート」を踏み倒せるだけで十分ぶっ壊れてるのですが、特にイカれてるのが「ザビ・デモナ」と「アクア・バースター」の射出です。

この二体は自壊できるS・トリガーであるため、相手の攻撃に合わせて「ルドルフ」の効果を起動できてしまうんですね。

「ヘブンズ・ゲート」を絡めたカウンター展開では、「ルドルフ(8)」+「エル・ドラード(9)」→「ザビデモナ(4)」+「サイキッククリーチャー(5)」+「HELL(10)」で驚異の36コスト踏み倒しが可能になります。お前は水原か。

また、「エル・ドラード」の唯一の弱点である除去耐性を「ルドルフ」のpig付与によって疑似的に補えるため、この二枚の相性はまさにバツグン。

正直言ってしまえばこのデッキのメインエンジンは「エル・ドラード」で、「ルドルフ」は「エルドラード」の補助及びフィニッシュ時の詰めとして使われていたんですよね。「エル・ドラード」を一番うまく使えるから強かったんです。

序盤にハンデスで相手の行動を削ぎながら、中盤以降はエル・ドラードによる制圧を行うこのデッキは、DMPB-03での「ヘブンズ・ゲート」の再録以降DMPP-17「ライジング・アライズ」中期~DMPP-18「ゴールデン・ビクトリー」環境トップに立ちました。

破壊による除去は「ルドルフ」の能力を起動してしまうため、「陰謀と計略の手(バウンス+ハンデス)」や「堀士の銀(マナ送り)」を初めをした非破壊除去の採用や、「龍圧の覚醒者ヴァーミリオン・ドラヴィダ」による呪文ロックをフィニッシャーとして取り入れるなど、明確に「ルドルフ」を意識した構築が多くみられるようになりました。

とまぁここまで「ルドルフ」の強さを説明してきたわけなんですが、実はこのカードがナーフされた理由には別の理由があります。

それは「1ゲーム当たりの試合時間の延長」です。

ルドルフから唱えられる「魔弾ソウル・キャッチャー」及び「煉獄と魔弾の印」は、それぞれ墓地回収と蘇生ができるため「特攻人形ジェニー」のようなウィニーを使いまわし、文字通り半永久的に「ルドルフ」の効果を使用し続けることが出来ます。

フェニックスシステム搭載

ルドルフが2体も3体も並んだ日にはまさに地獄絵図

「ジェニー」→ルドルフ効果3回起動(マナ加速×2)(焼却)(蘇生)→「ジェニー」→ルドルフ効果3回蘇生(2ドロー×2)(-2000×2)(ジェニー回収)→「ジェ二ー」…と、ループデッキもかくやという圧倒的なソリティアが始まります。

【ナーフ後】

まぁソシャゲとしては不健全だよね~ってことで、2023年3月23日のアップデートでナーフされました。

ナーフ後の「ルドルフ」がこちら。

ターン1がつけられ、自壊持ちクリーチャーを使いまわしてリセマラをする動きが不可能になりました。

明確な不利対面であるビッグマナ(4cメンチ・アナカラーザビミラ)の台頭によりもともと環境的には下火だったうえ、ナーフによって最大の強みを失ったことで「ルドルフ天門」はDMPP-18環境から姿を消しました。

しかしながら、ぶっ壊れカードを一番うまく使えるポテンシャルは健在。

DMPP-20期の公認大会での準優勝や、DMPP-23期のGrand Master決定戦ではBorsalino選手が持ち込みデッキとしての採用、直近では「ロージア」を採用したタイプがヘルボロフカップの最終100位に残るなど、今だ活躍中の一枚といえます。

今回は「魔光大帝ネロ・グリフィス・ルドルフ」を紹介しました。次回は「無双竜騎ボルバルザーク」を紹介予定です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?