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浙江省紹興へ出張した昔話①

1988年に入社したわたしは、いい加減な上司に命令され、初めての海外出張で中国に行った、1990年の頃である。現地の出張者がピックアップしてくれる。

上海浦東空港に着いていちばん最初に思ったのは街中臭いのである。下水が整備されていないからだ。汚水はすべて道路の側溝から川に流れる。外灘の黄浦江なんかは水は泥色。上海市民2400万人の糞尿と汚水が流れている。

わたしは仕事なので、そのまま紹興という街に連れていかれお客様の工場へ入った。そこではその設備を買うのは決まったが詳細の仕様決定と価格の交渉がまだだった。

技術者のわたしはこういう場には同席しないが成り行き上その場に居る。その場には地方人民政府の役人と銀行の担当者と、輸出入を取り仕切る国有企業と何やかやで12人ほどになる。

午前は短時間でご挨拶と説明をしたらもうランチ。ご飯食べましたか?が挨拶になる文化、はるばる日本から来たメーカーの人間を大切にもてなす。立派な円卓の大皿料理などで。

わたしから見たらゲテモノだらけ。ウナギのブツ切りの煮物、カエルの足の甘辛炒め、川魚の香草と生姜の薄味煮物。豆腐を発酵させたもの。とか、糞尿の川で泳ぐ魚とか食べられない。食べたフリをしてやり過ごす。台湾の紹興酒とは異なりここの紹興酒は黒いし甘いし。
やっと食べることができたのは、豚のバラ肉、角煮風醤油砂糖煮と空芯菜の炒め物である。

ごはんは白くない。少し灰色でパッサパサで美味しくない。ここではお米は炊くのではなく蒸し米なのだ。

散々飲んで酔っ払って午後からまたミーティング。価格交渉が始まった。つづく…

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