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ひかる短編集

高校 3

「ひかると映画鑑賞」


えー何故、同じ1年生なのに私がこんなにビビラレてるかと言うと、1学期で辞めた〇田が1年の番長はひろしさんだ・ひろしさんだと触れ回り、知らない内に番長に祭り上げられていた。

まぁ番長が何なのかも知らないのでその侭にしている。

2年のクラス替えでひかると一緒のクラスに為りました。

最初も授業が終わるとクラブに一目散で行く為に、クラスには余りいませんでした。

でもひかるがいるのは直ぐ分かりました。(学年の担任団が私とくっ付けて置けば虐められないからだと思う)

早く話し掛けたいけど、好きに為った子にはなかなか話し掛けられないと云うあれです。

新しいクラスにも慣れてきた、ある日、友達から《裏ブルーフィルム上映会》の誘いを受けました

放課後、友達の家に集合と連絡が入りました。

もう呼ばれたメンバーは朝から静かな大騒ぎで、飲み物持参で集まりました。

私は中学の時に同級生の○○さんとの特訓が有りましたから、そんなに必死では無かったですが・・・。

箱ティッシュを持参した強者もいました。

今で云う無修正の裏ビデオの事です。

勿論ビデオなんて有りませんから、映画の様に映写機で写すタイプです。

私が参加した目的はおま〇こを見たいゲスな皆とは少し違いました、セックスはどうして遣れば良いかを知りたかったのです、ほぼ目的は達成しました。

まだまだこれから色々な事を知らなければ為りませんが、怖いもの知らずで見終わった後はもう天下を取った気でいました。

もうみんな大興奮・・・女のおま〇こッて気持ち悪いと言う奴や、知ったかぶりをした奴がいましたが、私には分かりました。

全員童貞です。


あくる日は体育館が使えない日だから筋トレと自主練です。

筋トレをしていると、ひかるが横に着ていました。

腹筋をしていて回数が100回やったので、その侭倒れて仰向けに為るとひかるが居ました。

「あッ、どうしたんだぁ、あいつらにまた虐められたのか?」

「あいつら僕にビビッてあれ以来近寄って来ないよ」

まるで自分で追い払ったかの様な言い方です。 

「ひろし君どうして昨日クラブ休んだの?」

「えッ・・・それはちょっと・・・」

「ちょっとどうしたの?」

「お腹が痛かったから帰ったんだよ」

「大変だぁ病院に言ったの、お医者さん何て言っていた」

「いや・・・病院は・・・行かなかった」

新しいクラスで初めて話すのに、馴れ馴れしい・・・こんなヤツだったか。

「大丈夫だったの?」

「帰ったら・・・治ったみたい」

「ふーん・・・治ったんだ・・・へーぇ」

「なんだよ・・・言いたい事が・・・」

「いいたい事が、何!!」

「いや・・あるなら・・・はっきり・・・言わない方が・・・丸く収まったり・・・」

「何!!聞こえない!!」

「どうしたの、ひょっとして怒られている?なんでぇー、いやー何そんなに怒ってんのかなーぁっと思ったりして・・・」

「別に怒って無いよ」

「いや、なんか絶対怒っている・・・感じ」

「怒っているか怒って無いかは僕が決める」

「はい。それはそうです」

「どっちだと思う」

今自分が決めるって云ったじゃん、何か知らないけど相当怒っているなぁ。

「何か怒っている様な・・・」

「様なじゃ無い、怒っている!!」

「やっぱ、怒っているじゃん」

「ひろし君と僕は何?」

「僕は何って‥クラスメート・・」

「はぁ、何それ!!」

「・・・・」

「僕たちは親友だよ」

「親友?」

「だってひろし君言ったじゃん、俺たちマブダチだって、僕調べたんだよ、マブダチってそしたら親友って云う意味でしょ」

「はいそうです」

「親友に嘘吐くの?ひろし君は?それとも親友って言うのが嘘?」

「ウソじゃない・・・です」

「じゃぁ、もう一回だけ聞て上げるね」

「・・うん・・ハイ、お願いします・・」

「昨日はどうしてクラブを・や・す・ん・だ・の?」

「・・・友達の家にいきました・・・」

「お腹は痛く無かったの?」

「・・・痛く無かった・・・」

「1個目のウソ、それで、〇柳君の家で何したの?」

何でこいつ〇柳ッて知ってんだぁ、ひょっとして昨日誘わなかったの怒っているのか?

「・・あのー・・ひょっとしてお前、昨日、誘わなかったの怒っている?」

「僕はただマブダチとして・・・」

「分かった・分かった、お前を誘わなかったのは悪かった」

「・・いや僕は友達・・・」

「分かった、今度合ったらお前も絶対誘う、これで許してくれる」


「もう新しいクラスに為って1ヶ月近く為るよ」

えッ話、変わるのかよ・・・。

「もうそろそろ親友なら名前で呼んだ方がいいと思うんだぁ」

「まぁな」

「だから僕のこと、いまからひかるって呼んでいいよ」

「ありがとう」ッてか、皆お前のことひかるッて呼んでるぞ。

「僕もひろし君のこと、ひろしって呼ぶから」

「うん、分かった」

「これでもっとマブダチらしくなったね」

「あぁ」

「それとね」

「えぇーまだあんのー」

「マブダチなんだから、ひろしは帰りは僕と一緒に帰りたいでしょ」

「・・・・」

「だから今日から僕が一緒に帰ってあげるね」

「・・・ありがとう・・・」

「まだもう絵を少し描いてるから、終わったら一緒に帰ろ」

「分かった」

ひかるはそれじゃ後でッて行っちゃった、俺もう練習終わりなんだけど・・・。

結局1時間ほど教室で待ちました。

「ひろしも終わったの、僕も終わった、一緒に帰れるねぇ」ッてか1時間待ったけど・・・。

「お前のカバン・・・???」

ひかるが人差し指を立てて軽く振っています、良く外人が遣る様なしぐさです。

「・・・?」

訳が分からずポカーンとしていると

「マブダチでしょ」

「あぁーそう云う事」

「ひかる君」

「ひかるでいいよ、鞄がどうしたの」

「いや、ひかるの鞄、重たそうだなぁッと言おうとした」

「ちゃんと呼べるじゃない、それでいいよ、うん、重たいよ」

名前を呼んだことで納得したのか美術道具をロッカーに片付けに行った。

ひかるの鞄をヒョィと持ち上げて歩き出すと慌てて付いて来て。

「えッ持ってくれるの」

「あぁ、見てたら何だか可哀相だ」

「悪いよ」

「今日は親友になったご祝儀だ」

「それならぁ僕これを持つ」

脇に挟んでた私の鞄を持ってくれた。

「これでおあいこだね」

何がおあいこだぁ、俺の方が10倍重たいよ。

ただ唯一の誤算は、その日から卒業まで、ひかるの鞄を持つのは私の役目に為った事だ。



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