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夏休みの思い出、エジプト旅行

先週くらいから温度が少し下がり、秋の気配を感じる今日このころ。夏休みで訪れたエジプトについて書こう。

ひたすら食っちゃ寝、ぐうたらホテルライフに最適、フルガダ

滞在したのはエジプトのフルガダ。

フルガダは紅海に面したエジプト屈指のリゾート地。
ヨーロッパや中東から休暇に来る人で賑わっているが、
数十年前は何もない小さな漁村だった。

フルガダではリゾートホテルがたくさんあり、私が宿泊したホテルも含めて大体がブッフェ形式の朝食、ディナー、ドリンク込みのところが多い。ドリンクはロビーのバーはもちろんのこと、プールやビーチにあるバーでも飲みたいものを頼むと出してくれるので、けっこうお得なシステムではないだろうか。

エジプトはホテルがピンキリで当たり外れが大きいらしいが、今回泊まったホテルは快適でご飯もとても美味しく、おかずもちょいちょい変わるのでディナーが毎晩楽しみだった。

フルガダはリゾート地でゆったりするにはもってこいだが観光する場所はほとんどないので、遺跡などの観光地を回るツアーに参加するとより楽しめる。

地元のスーパーに行くのが大好き!
エジプト人がよく食べるピクルスがぎっしり並ぶ
レモンのピクルス。エジプト産のレモンなのか、丸っこくてゴルフボールくらいの大きさ。しょっぱ辛くて酸味も強い。
やみつきになる味で毎日食べていた
ミント茶あり、紅茶あり、コーヒーあり。
種類も豊富
クリスプス(ポテトチップ)が大量に売られていた

訪れたのはたしかに暑い時期ではあったが、今回は特に暑かったようで気温は毎日41度。後に訪れたルクソールは内陸部なので更に暑い45度だった。日陰にいても暑すぎて、本を数行読んだだけで集中力を失いプールに入らずにはいられなかった。  

紅海はとても澄んだ水色で、ダイバーにも人気。ダイビングにはフルガダも含めてシャルムエルシャイクも有名であるが、今回その地域は政情不安もあり行かなかった。

紅海でダイビング&シュノーケリング
ホテルのロビーからの眺め。
日が暮れた後、ビーチをゆっくり歩くとカニがいっぱいいた。意外と動くのが早くて私を見るなり瞬足で逃げていった

ホテルの敷地内はゆったり過ごせるが、観光客が一歩外に出るとサバイバル状態。一言で言うとカオス

まず道路には信号機がない。
車線はあってないようなもの。
車が追い越す時、曲がる時は基本的にクラクションを鳴らし様子を見ながら進んで行くのでそこらじゅうでクラクションがブーブー鳴りまくり。
今まで私の中でジャカルタが交通事情カオス•ナンバーワンだったが、今回その記録はフルガダに塗り直された。ラフな運転と道路の様子はアフリカだけにサバンナのようだったと言っても過言ではない。

道路を渡る時も信号がないので、タイミングを見計らって猛ダッシュで渡る。地元の人は慣れているので車がビュンビュン飛ばす道路を余裕の表情で急ぐこともなく歩いて渡っている。

滞在中に大変だったのは、良いタクシー運転手を探すことだった。
先に書いたようにエジプトにはカオスな面があり、物やサービスの値段もあってないようなものなのだ。エジプトポンドが下落している今、観光客を見るとネギを背負ったカモを見つけたかのように外貨をくれ、とたかってくる人たちもたくさんいた。
タクシー運転手も例外でなく、相場が60EGP(エジプトポンド)のところ600EGPだと観光客を舐めているとしか思えない、とんでもない値段を吹っ掛けてこようとした運転手もいた。相場に近い値段で乗せてくれた運転手に会ったら連絡先を聞いておき、また別の機会に出掛ける時に来てもらった。

大体どの運転手も自己紹介に始まって、締めくくりはセールストーク(○○○に行くならいくらで乗せてあげるよ、という類いのオファー)が多かった。一度アレクサンドリア出身の運転手に乗せてもらったら、物腰柔らかでセールストークも一切なくて、また帰りに送ってもらえないかと頼んだら、あっさり来れないと断られて驚いた&残念だったけど高評価だった。

同じ砂漠の国でも、前に訪れたカタールの砂漠はベージュっぽい白でさらさらして、街もきれいで整備されていた。さすが石油で潤ってる国といった感じ。
エジプトの砂漠はゴツゴツして岩っぽく、色は黄色みが強くてラクダ色っぽい。
建設中なのか、あるいは予算が足りなくなったのか、途中で建設を止めてしまったらしい建物もそこらじゅうで見た。

ちなみにフルガダには出稼ぎで来る人が多く、アスワンやカイロの出身の人が多かった。

ベドウィンの暮らす砂漠

ホテルで申し込んだツアーでベドウィン(アラブの遊牧民族)が住む砂漠に行った。途中の道があまりにガタガタなので車酔いして帰りたくなったけど、いざ着いたら行って本当に良かったと思った。

スターウォーズはチュニジアで撮影されたらしいが、本当にスターウォーズのタトゥイーン(砂漠の星)さながらの神秘的な景色が広がっていた。

そこら辺からダース・ベイダーやオビワンがライトセーバーを振り回して出てきそう
観光客慣れした人懐こいラクダちゃん。ベドウィン主食のナンのタネ(焼く前に捏ねたやつ)をガツガツ食べていた。
つぶらな瞳が可愛い
日が暮れる頃は薄い赤紫の空。とても静か。
星がきれい

砂漠は昼間は暑いが夕方からクールダウンして(それでも暑いが)、空の色が薄くなり月や星がよく見える。昔の羊飼いたちは星座を見ながらこんな静かな夜を過ごしていたのだろうと思いを馳せた。

エジプト観光には外せない!ルクソール

エジプトといえばピラミッドなど有名な遺跡がたくさんある国。遺跡を見るのが好きな私にとって、ルクソールは絶対に行きたい場所だった。
ツアーもたくさんあるけれど、45度もある酷暑で日帰りツアーはキツいだろうと1泊した。

遺跡を歩くだけでも十分楽しいが、特にナイル川沿いはアガサ•クリスティの探偵小説「ナイルに死す」の舞台。私の好きな要素が詰まった旅に気分が上がる。

地図で見るとそれほど遠くなさそうだが、車で片道4時間かかる。

ルクソールまでひたすら砂漠

車で飛ばして4時間なら、車のない昔は歩いて何日もかかったことだろう。旧約聖書にはモーセがイスラエル人を引き連れエジプトからはるばる紅海ヘ逃げる話がある。エジプトには他にも奴隷はたくさんいただろうに、こんな砂漠を延々としつこく追いかけてくるなんて、そのファラオ(王)は相当執念深い性格だったのではないか…あら嫌だ、ストーカー気質の人?などと目的地に到着するまでに妄想するのも楽しい。

ちょうどリサーチのためにエジプト考古学者の河江肖剰先生が解説する遺跡やラムセス2世の動画を見ていたから、余計に想像力が膨らんでいたのもある(補足すると河江先生は鍛えてマッチョ、かつ知的で素敵です)。

ルクソールのホテルから見えるナイル川。
奥に見える岩山は遺跡「王家の谷」
ルクソール神殿。
手前のオベリスクのもう片方はパリのコンコルド広場にある。両方見れたことが嬉しくて勝手にニヤニヤしてしまう。
近くで見ると迫力満点
肌が焦げるように強烈な日差し。
空気もすごく乾燥して、なかなかハードな天候
夫婦?仲睦まじかったに違いない
(そうじゃなければこんなレリーフは残さないはず)。
わんこも暑すぎてクーラーが効く入り口で昼寝
カルナック神殿。
未だに柱の上にどうやって石を積み上げたか謎のまま。
その謎がまたミステリアスで惹きつけられる

かつての繁栄が今も感じられる神殿は鳩の憩いの場所となっていた。ちなみに鳩料理はルクソールの郷土料理。観光客のおじちゃんが疲れたのか、ベンチで昼寝していた(しかも気持ち良さそうにイビキかいてた)。平和だわ。

宿泊先ホテルで見つけたエジプトのワイン。
ワインアプリ、Vivinoで照合不可だった!
レストランで食後に出てきて美味しかったミント茶。
クレオパトラも好きだったらしいモロヘイヤスープやタジン鍋のカレーを食べた。エジプト料理は旨い!

ルクソールでの遺跡や食事は申し分なかった。
ケチをつけたくはないが、唯一嫌だったのがサービスの押しが、か•な•り!しつこかったこと。

ホテルの近くに観光客向けの馬車がおり、私たちを見るなり近寄ってきた(カモネギ来たぜー!って顔してた)。これから食事だと言うとレストランまで着いてきて、食事が終わったらまた来るという。そして待ち伏せするかのように本当に来た。
私は嫌な予感がしたが、夫は一回くらい乗ってもいいと言うので乗ってみたら、降りた後もずっとついてきて、すでに何度も断っているのに人の話を聞いていないのか、ずーーっとしつこくセールストークを繰り返し、帰りも乗るまで追いかけてきそうな勢いだった。タチの悪いストーカーかよ!そいつのせいで激しく疲れた。

あとでホテルで聞くとルクソールはしつこい押し売りで有名らしい。

注意喚起の意味も含めて書く。
もしルクソールに行く人がいたら観光客向け馬車には気をつけてください。嫌な予感がしたら視線を合わせずにそそくさ逃げましょう!

何でもしつこいのは相手をうんざりさせるだけだよってアラビア語で言ってやれたら良かったのに。

こんな輩はいたが、総じてエジプト旅行を楽しめた。

いろんなエジプト人の人たちが口を揃えて秋のアスワンはいいよと言っていたので、今度はもうちょっと涼しい季節に遺跡を見に来たい。

#夏の思い出