「食堂み」の女たち11

「禿げ頭は絶対に現れると思う。オレの考えに間違いはない」「うちらもそう思てる。けどなんでや」「隙間があるからや。ぼくと…オレとおばはんは夕方しか見れん。ほんでミナちゃんは数時間だけや。それ以外の時間に六十の禿げ頭がおったはず」「じゃあどうすんねん。うちらは限界やで」「自由な時間がある人がいる」「あほ、ほんなんおるわけ…」

三人は顔を合わせ「おる!」声が重なった。

浅井則子があっさり引き受けてくれたのは意外だった。「ええよ。やっても」六十の禿げ頭を描いた似顔絵を美奈が渡した。「一応、特徴を文でも書いといたから」下手くそな絵と字があった。


続きは明日

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