ハートのイアリング

「瞳はダイアモンド」(歌:松田聖子)から
およそ1年後にリリースされた
「ハートのイアリング」
この楽曲の作詞は
松本プロジェクトのリーダー松本隆。
作曲はこのプロジェクトに初参加した
Holland Roseこと佐野元春。

佐野がHolland Roseという名前を使うようになった理由
これを知っている方はかなりの音楽通だ。
命名までのプロセスには
ちょっと泣かせるエピソードがあった…

1984年、当時佐野はラジオで音楽番組を担当していた。
私もよく聴いていたサウンド・ストリート
『元春レディオ・ショー』である。
ある日 ひとりの少女から1枚のリクエストハガキが届いた。
ハガキには HOLLAND ROSE(ホーランド・ローズ)の
「キス・オン・マイ・リスト」と書かれていた…。
 分かりましたか?
「キス・オン・マイ・リスト」です! 
1980年代の洋楽ヒットチャートを席巻したグループ
そう、ダリル・ホール&ジョン・オーツ!
通称「ホール&オーツ」だったのです。
「ホール&オーツ」≒「ホーランド・ローズ」。
リクエストした彼女は
たぶんDJが流暢な英語で「ホール&オーツ」と紹介したのを
「ホーランド・ローズ」と聞き違えたんだろうと。

佐野はこの“素敵な聞き違え”
HOLLAND ROSE(=オランダのバラ)の魅力的な響きを
他のシンガーに曲を提供する際のもうひとつの名前とした。
彼は、この名前しか考えられなかったと述懐する。

そうして書いた曲が、名曲『ハートのイアリング』だった…。

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