WARを簡単に説明する

要約版

1987年の『Baseball Abstract』で、ビル・ジェームズはWARを発明した。彼はそう呼んでいなかったし、それ自体WARでもなかったが、WAR gameの90%を占めていた。彼のideaはとんでもなくsimpleで単純な次のようなものだった:
WAR = IP/9 * (lgERA + 1 - ERA) / 10
実際は、10で割っていなかったので、彼が本当に入れたのはRAR(runs above replacement)だ。

数年前、ピート・パーマーはWAA(平均以上の勝利)を導入した。
更にsimpleだった:WAA = IP/9 * (lgERA - ERA) / 10

この違いにお気づきだろうか?「+1」?そう、1980〜1990年代にかけてビル・ジェームズとピート・パーマーの論争は、全てこの+1だったのだ。

同じ立場に立たせる解決策は、WARとWAAを個人別勝敗記録に変える事だっただろう。この争いは、基本GAPを埋めるための扉を開いた。

WAAについて簡単に説明:
WAA = IP/9 * (lgERA - ERA) / 10

分解してみよう。IP/9とは何か?full time相当試合数。9イニングを投げれば1試合に相当する。90イニングなら10試合、180イニングなら20試合、225イニングなら25試合だ。

lgERA-ERAとは何か?ERAは9イニング(full time相当試合)あたりの自責点であり、lgERAはリーグERAである。つまり、lgERAからERAを引くと、その投手のERAがリーグと比べてどれだけ優れているかになる。リーグERAが4.00で投手ERAが2.50なら、その投手はリーグよりERAが+1.50、つまり1試合あたり+1.5点優れている。

つまり、IP/9(または試合数)にlgERA-ERA(または1試合当たりの平均失点)を掛けると、平均失点が算出される。4.00のリーグで180イニング(または20試合)を投げてERAが2.5(または1試合平均打点が+1.5)の投手は、20×1.5=30点の価値がある。

最後に10で割るのは、失点を勝利に換算するため。平均より30run多い事は、平均より3勝多いまたは3WAAに相当。

WAAの限界がわかる。平均を下回っても、イニングを稼げば稼ぐほど、minusになる。 teamは平均的投手に多く金額を支払い、平均以下の投手にもかなりの金額を支払う事を考えると、積極的に貢献している投手に対してWAAという形でminusの数字を示すのは奇妙だ。がビルの指摘だった。

ピートはリーグ平均を "ゼロ "ポイントに選んだ。平均と比較する時はそういうものだ。しかし、ゼロが価値がない別の意味を表したい。そのためには、ある投手があまりにひどくて、実際には何の貢献もしていない点を見つけ出す必要がある。そこで、ビル版の「Plus1」が登場する。

ピートはこう言った:(lgERA - ERA)
ビルはこう提案した:(lgERA + 1 - ERA)

つまり、投手はリーグ平均と比較される代わりに、リーグ平均より1点上と比較される。ERA2.50の投手は、リーグ平均ERA4.00と比較される代わりに、「zero baseline」代替 levelERAのERA5.00と比較される。代替を+2.5点上回る。20試合に換算すると、彼は+50点(RAR)つまり5WAR。

180イニングを投げたリーグ平均の投手なら、WAAは0、WARは2となる。なぜ2WAR?180イニングは20試合。そして彼のERA4.00はリーグ平均と同じであり、代替投手より+1run優れている。20×1は20RAR、つまり2WARだ。

それだけだ!WARの90%はこれで説明できる:
WAR = IP/9 * (lgERA + 1 - ERA) / 10

さて、Baseball ReferenceはビルのWAR原型と比較してどうだろうか?ビルが「+1」を行ったのは、経験則に基づく推測に基づくものであった事に留意されたい。彼はWARを作るためにWARを考案したのではない。1986年のロジャー・クレメンスとドン・マッティングリー(1978年のジム・ライスとロン・ギドリー)を比較するためにWARを作ったのだ。そのため、彼は妥当な代替レベルを考え出し、+1が目的に合致した(冗談ではない)。

20年後、私がWARの枠組みを導入した時には、もっと多くの仕事があった。というのも、私はより広範なものを作る必要があったから。ビルが土台を作ってくれたので、後は私たちが全てのピースをはめ込んでいくだけだ。他の人たちはWARのframeworkを使って独自の実装を行った。Baseball Referenceで2023年の投手を見てみると、リーグ平均を0.88上回るERAを設定する事で、少なくとも50IPの投手の総投球WARと一致する。これらの投手のWARは408で、(ビルが当初提案した+1.00ではなく)+0.88にすると、同じく408WARになる。0.88は+1.00より良いのか?少し考えてみよう。

例ローガン・ウェブは216IP24試合に相当。ERAは3.25だった。リーグ平均ERAは4.33なので、+0.88でzero baselineはERA5.21となる。つまり、ウェッブのWARは単純にこうなる:WAR = 24 * (5.21 - 3.25) / 10 = 4.7 WAR
約20年前、キース・ウールナーはVORP計算(WARの前身だが得点形式)の中で、リリーバーと先発投手を区別した。彼は、先発投手よりもリリーフ投手の方がERAが低くなりやすいと推論した。正しかった。これは基本的に、リリーバーは三振が17%多く、HRが17%少なく、BABIPが17%低く、失点が17%少ないというものである。四球は横ばいだった(私の理論では、四球はbusiness costであり、誰もが基本的に自分の投球styleにある程度四球を受け入れる)。それぞれのcaseでちょうど17だったのか?そう、かなり近い。つまり、先発投手のERAが5.00だとすると、リリーフ投手では17%、つまり0.85下がる。

Baseball Referenceは?正確かわからないが、1試合あたり0.50点の開きが当てはまる。いずれにせよ、異なる基準があるという基本的な考え方を示したいだけだ。つまり、+0.88ではなく、リリーフが+0.54、先発が+1.04という基準だ。そして、両方投げる投手は、中間のsliding scaleを持つ。

ご興味のある方は、この2つのrateを求める簡単な方法をご覧ください:
gs×2 / (g + gs)
つまり、SPのみは100%、純粋なRPは0%。10先発して40登板した場合は、10×2 / (40 + 10)で40%。そして、限界baselineは0.50の40%=0.20。したがって、+0.54 + 0.20 = +0.74となる。+0.54から+1.04の範囲であるだけは覚えておいてほしい。

1986年のロジャー・クレメンス(先発投手)は、ビルの経験則に基づく推測である+1.00がかなり有効であった事がわかる。

ローガン・ウェブにとっては何を意味する?
0.88を使う:WAR = 24 * (5.21 - 3.25) / 10 = 4.7 
代わりに+1.04:WAR = 24 * (5.37 - 3.25) / 10 = 5.1

単純な方法。もちろん、野手、球場、相手打者、leverageに関する他の調整も考慮しなければならない。ウェブの場合、referenceによれば、0.4勝の調整で5.5WARとなる。投手によっては、その投手固有の状況によって、明らかに逆の調整を受けるだろう。

上記の単純WARとreferenceWARの比較は以下の通りである。 これはr=0.94である。 

simple WAR ローガン・ウェブのWARは4.7。
Simple WAA ウェブ平均より+2.6勝。
ウェブは24登板したので、ジャイアンツ投手の全イニングの15%に相当する。

ジャイアンツの162試合を例にとり、92試合を非投手に、70試合を投手に配分してみよう。ウェブのイニング数は全体の15%だから、70×15%で10.5試合。これが彼のGame spaceである。

平均的投手は、10.5試合与えられれば、5.25勝5.25敗となる。従って、平均より+2.6勝多い投手はこのような成績になる(私はこれをIndisと呼んでいる):

7.85 - 2.65
代替Levelの投手の成績はどうなるだろうか?勝率3割前後としよう。つまり、代替Levelの投手は3割5分×10.5試合で3.15勝。つまり、代替Levelの投手はこうなる:3.15 - 7.35

そして7.85は3.15を4.7勝上回る。したがって、WARは4.7となる。

もし、ビル・ジェームズとピート・パーマーがローガン・ウェッブの二次元的表現に同意したら、こうなるだろう:7.85 - 2.65

そうすれば、それぞれが比較したい基準値を決める事ができたはずだ。
ピートは「.500と比較する」と言った。7.85-.500×10.5=2.6勝。
1987年のビルは「3割と比較する」と言った。7.85-.300×10.5=4.7勝。
それで終わり。こうして、2つ見解の一致を得る事ができる。みんなhappyだ。

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