コロンブス

　Mrs. GREEN APPLEのコロンブスという楽曲のMVが差別的であるとして公開停止になった（ミセス　新曲MVが”差別的”と炎上→コカ・コーラのCM動画も非公開に | 女性自身 (jisin.jp))。

　無知は許されないとする批判があるが、アーティストは「類人猿が登場することに関しては、差別的な表現に見えてしまう恐れがあるという懸念を当初から感じておりました」と説明しており、歴史を知っていてもこのMVを製作しなかったといえるかどうかについては何とも言えない。

　では、なぜ、アーティストには悪意がないにもかかわらず、当該MVが差別的であると思わなかったのであろうか。

　おそらく同様の問題はこれからもアーティストに限らず法人・個人を問わず繰り返されるであろう。

　それはなぜか。

　文明が発達することを人類の進化と考えていないであろうか。経済が発展することを人類の進化と考えていないであろうか。

　文明が発達することも経済が発展することもそれ自体は悪いことではないし、むしろ望ましいことでもある。

　しかし、文明の発達によって核兵器のような大量殺戮兵器が生み出される。また、経済が発展しても貧富の差は拡大し、貧しい人は自己責任だとして切り捨てられたり酷い場合は見下されたりする。

　このような社会では、どれほど知識が豊富でも今回問題となったような表現は後を絶たない。

　人間は生まれながらにして自由で平等であるという単純な真理を理解することなくして今回のような問題を防ぐことはできないが、それは難しいようだ。