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2024年度実践記録 #2初めての授業参観〜オムニバス型授業〜

 19日(金)に今年度初めての授業参観がありました。前からずっとやりたいと思っていたオムニバス型授業。今回、初めてチャレンジしましたのでまとめてみたいと思います。

準備編

書籍とnoteから

 オムニバス型授業との出会いは、渡辺道治先生のご著書『BBQ型学級経営』(東洋館出版)でした。

初めて読んだ率直な感想は「こんな授業をしている先生がいるんだ!」でした。それから、様々なところで、渡辺先生のお話を聴く機会をいただき、どんどん先生の魅力に引き込まれ、憧れの存在になっていきました。そして、「追試したい!」という思いが強くなりました。

 そこから、今度はnoteを購入し、コンテンツをダウンロード。実際に、書籍とコンテンツ、noteを見ながら、どんな授業になるかをイメージしていきました。

Voicy【話し方講座】

 また、Voicyの話し方講座の中で、「シャドーイング」というトレーニング方法を知りました。その教材として1年生に向けた「オムニバス型授業」をオンラインでやって下さったものをいただけたので、授業の練習の意味も込めて、シャドーイングを繰り返しました。

妻に模擬授業

 いよいよ、授業参観が近付いてきたある日。準備をしようと自宅で作業をしていると、妻が「なにやってるの?」と聴いてきました。授業参観の準備で‥という話の流れから、妻に実際にやってみることに。「やばい、泣けてきた。」と話す妻の様子から、この教材、授業のパワーを感じました。と同時に、子どもたちに届けたいという思いも強くなり、授業参観が楽しみになっていきました。

授業参観本番

 今回は、渡辺先生のご実践をもとに、4年生に向けて授業を行いました。1時間を通したテーマは「勉強のコツ」。これだけ準備をした授業参観は初めてと言えるほど、事前に準備をしたので、とてもわくわくして迎えることができました。

「国語」のコツ

 授業のスタートは、国語の教科書の音読から。子どもたちには「道徳」と伝えておきながら、授業前に「国語の教科書と道徳のノートを準備して。」と伝えていたので、子どもたちは「何が起こるの?」という様子でした。
 音読しよう!と声をかけると、いつも通りの元気な声。追い読み→交代読み→たけのこ読み→一斉読みと変化をつけながら、何度も詩を音読しました。元気いっぱい、笑顔で音読する姿がとってもキラキラしていました。
 その後伝えたのが、国語のコツ。「何度も何度も読むこと」としました。

「算数」のコツ

 続いては算数のコツ。四角形を探す難問です。段々と難易度が上がっていく設計が子どもたちのやる気に火を灯します。最初は簡単そうにしていた子どもたちが、夢中になって考え始める。ここでは、保護者参加型にするために「特別ゲストに聞いてみてもいいよ」と声をかけました。すると保護者の方も一緒になって考える様子が。中には、メモを取り出して真剣に考えてくださる方も。何度も何度も答えを言いにくる子どもたち。その度に「違うな〜」「もう一度考えてごらん」と声をかけていきます。少し長めに時間をとったあと、あえて答えは出さずに、算数のコツを伝えました。
「算数のコツはたくさんバツをもらうこと。今日のみんなのようにたくさんチャレンジして、たくさんバツもらうことで、どんどん分かるようになるからね。」
答えを教えなかったことにより、授業後にも「あの答えは‥」とチャレンジしてくる子がいました。やる気に火が灯ると自然と考えるということを実感した姿でした。

「図工」のコツ

 図工のコツは「たくさん絵を描くこと」。自分の息子が描いた絵と星野富弘さんが描いた絵を比べることで、上達していく過程に目を向けました。また、ここは授業のクライマックスに繋げる大事な部分でもあるので、時間は短いですが、丁寧に扱うことを意識しました。

「すべての勉強」のコツ

 ここからクライマックスに繋げていきます。流れは先述した渡辺道治先生の書籍やnoteの内容通りに進めました。自分で繰り返しシャドーイングしてきた部分でもあります。

 ずっと子どもたちは集中して聴き入っていたのですが、特にグッと惹き込まれたと感じた瞬間が2箇所ありました。
①星野さんの字を見せ、書いた年齢を聞いた後、「26歳」と伝えた瞬間。
②「現在の星野さんの作品」として、先ほど図工で見せた絵を紹介した瞬間。
 ①に関しては子どもたちのイメージとのギャップによるものが大きかったように思います。「ずれ」は子どもたちの意欲を高めるのだということを、肌で実感しました。子どもたちの「えー!」という声と驚きの表情がとても印象に残りました。
 ②に関しては、「図工のコツ」でプロの作品として紹介した絵が、星野さんが口で描いたものだと分かった瞬間です。①とは違う「えっ!」という反応がありました。教室全体が引き締まるような感覚。普段の授業ではなかなか創り出せていない雰囲気になりました。

実践を終えて

まずは、やってよかった!

 実践を終えての感想は、とにかくやってよかった!でした。子どもたちの元気いっぱい取り組む姿、悩む姿、考える姿、何かを感じる姿。1時間の授業の中でこれだけの場面を創り出すことができるこの「オムニバス型」授業のもつ力を痛感しました。これは、自分にとっての初めての授業参観の鉄板になりそうです。

ただ‥

 自分の力不足を痛感したところもあります。渡辺先生が授業される時には、子どもや保護者が涙するという話をされていました。自分の今の力では、そこまで持っていくことができませんでした。これは、授業のもつ力を最大限に生かしきれなかった自分のせいです。渡辺先生が『授業を研ぐ』で書かれていた、最後の1%の準備のところが甘かったのではないかと思っています。(本当に99%の準備ができていたのかという反省もありますが‥)音や声、立ち位置や立ち姿など、日々の自分の積み重ねからくる部分が圧倒的に足りなかったのだと思います。実際にやってみることで、渡辺先生の凄さをより感じることができました。

前を向いて進んでいこう

 力不足を痛感したということは、そこは自分がこれからの伸ばさなければいけないところだと分かったとも言えます。実際に追試させていただくことで、次にオムニバス型授業をする際の目標もできました。それは、授業後に子どもたちや保護者が思わず感想を言いにきたくなるような授業にすることです。渡辺先生は、ご著書の中で「本当によい授業は、性別も年代も立場も超越します。」と書かれていました。その領域に少しでも近付けるように、前を向いて進んでいこうと思います。