友達と恩師の話

今日は自分の学校で文化祭があった。まぁ俺は今日も今日とてチキンをしばく事に明け暮れ登校などしていないのだが。まぁもう積極的に参加する代ではないので良いよね別に。
毎年文化祭の季節になると思い出すことがある。安い焼肉屋に高校生が集まっているのを見て、文化祭の楽しそうな写真をUPする後輩を見て、どうしても思い出す事がある。

2019年11月3日,4日。当時高校2年生だった俺も文化祭を楽しんでいた。クラスではお化け屋敷をやり、初めてピアスを開け、まだ車なんて乗れないからチャリで打ち上げをしにお好み焼き屋に、カラオケに走り、最後は俺の家で男7、8人が集まってクソガキみたいな話をして就寝。安易な言葉になるが青春してたんじゃないかな、女の子なんぞいなくても友達は沢山いたわけだ。
その中の1人にバイクに乗る奴がいた。こいつははっきり言って変だ。いきなりカレーメシをカメラで撮り出したり、黒板に変な絵を描き出したり、「教科書を見せて」と頼むと俺に教科書を渡して自分は寝てしまうようなそんな奴、成績は悪いし留年すると言われていた男の子。よく一緒にキャンプをしに行って土砂降りの中一緒に帰ったり、モンストをしに行ったり、割とずっと一緒にいた友達。
彼はamazarashiが好きだった。正直悩みなんてなんもなさそうだし、ほわわんと生きてた友達だったから意外だった。でもどうしてもライブに行ってみたい!!と2人で話すくらいの友達で年末CDJ一緒に行こうな、ワンマンも来年は行こうな、てか新曲楽しみじゃね??と話していた。2人で雨男みたいだねと言いながら雨に打たれたり、「チャリがamazarashiになってたよ!!」とかラインをしてきたのをよく覚えている。

2019年11月5日。そいつはこの世を去った。バイクの事故だった。 
いつものように一限を受けた時そいつはいなくて皆で「寝坊か??」などと話していたら急に全員集められ、先生が涙を流して震えながら「◯◯が、亡くなりました…亡くなりました…。本当にごめんね、私がこんな風じゃいけないのに、皆の方が辛いはずなのにごめんね」と自分達に伝えた。
正直何が何だかわからないしずっと泣いてた記憶しかない、「俺らが今するべきなのは泣く事じゃない」と言った友達も泣いてた。母親に伝えた時、まだ何も知らない母親が電話に出た時の声が明るかったのが1番辛かった。俺の写真フォルダは文化祭の楽しい写真から、そいつの机に花と写真を置いて皆で無理して笑って撮った最後の記念写真になってしまう。

そこからはすぐに葬式、通夜があり、あっという間に日常に引き戻された。何もかもが当たり前じゃないことを思い知ったのに当たり前に戻されて、気持ちが悪くて、体は動かなくて、死んでやりたいくらいの気持ちに襲われていた。
そんな時に自分を含めクラスを救ってくれたのが当時の担任だった。

その人はすごく強くて優しかった。俺らがどんな風に学校に来ても良いように学校に掛け合ってくれて、花を飾る事も写真を残す事も全部何とかしてくれた。俺らを目の敵にしてたヤンキーみたいな奴らがテニスボールを投げ込んできた時も本気で怒ってくれた。自分だって辛いはずだしとんでもない心労が増えたのに、どうしてそこまでしてくれるのか、わかるようでわからない。正直な気持ちはそこ。
それが卒業する時にわかった。その先生は当時学内でストーカー被害にあっており、パワハラも受け、生きる事を諦めていたという背景があった。ただそれが俺らの卒業を見届けるという目標、そしてこのクラスで命の尊さを皆で吐くほど泣いて死ぬほど笑って精一杯感じたことが引き留めていたらしい。貴方が先生じゃなきゃみんなの心がどれ程壊れていただろうか、どれだけ辛かっただろうか、貴方が引き留められたのと同じ様に俺ら40人も貴方に引き留められていたのに。
そんな事を毎年思いだすし、改めて考える。

思う事がある。
人生はあまりにも有限で、終わりは突然訪れる。人が抱える背景は自分じゃ想像しえない所にあることもある。日常が日常じゃなくなるのはいつだって突然で、人の気持ちが計り知れない所にある事を知った。そしてだからこそ目の前の人に真っ直ぐ真剣に、言葉にして、1秒後に全て終わってもなんの悔いもない様な生き方をしたい。そんな事を友達と先生から教わった様な気がする。そして俺は自分の見える範囲の大切な人は自分に何ができなくてもなんかする、だってあんたが居なくなるなんて絶対嫌だし。

先生へ、貴方のおかげで彼の死をそんな風に昇華して、いつか俺が死ぬ時、自分の人生を自分が誇れるようになんとか毎日生きてるよ。貴方だけは俺が煙草を吸う事を本気で悲しんでたよね、ごめん、もう直ぐやめるよ。でも俺がこんな風に生きられてるのは間違いなく貴方のおかげです。ありがとう。俺が本当にこの学校を卒業する時また全部伝えます。
友達へ、お前が死んでから何回かamazarashi見てるけどやっぱりお前とも見たかった。俺次のライブ大好きな彼女と見るんだけど、ちょうどお前が帰ってきそうなタイミングだからちょっとだけ割り込んで良いからね。そっち行ったらまた沢山話そう、また教科書貸してくれよ。それまでは俺が一方的に会いに行くから。

とまぁそんな事を思う。もうすぐ四年か、早いね。今日は良いnoteを見たから少し書き殴りたくなってしまった、文章的にはあまりに膨大になってしまったが。
さて、体調を治して墓参りでも行くかな。あいつが好きだったモンスターとチータラまた持ってこう。

バイクかっけ〜

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