散歩だーい好き

散歩がだーい好きです。

このノートも散歩途中に公園で書いています。

だーい好きなのに最近散歩してませんでした。

今久しぶりの散歩中です。

引っ越す前。実家に住んでいた頃は、しょっちゅう夜中に堺の何もない街を練り歩いていたんですけど。

みんなが寝静まった夜の街での散歩。ほとんど人とすれ違わない。少しだけ街を独占した気持ちになれる。さらにお洒落な音楽なんて聴いちゃえば簡単に自分に酔うことだってできます。


そんなだーい好きな散歩にまつわる苦い思い出が一つあります。


小学5年生の頃。一番自分に酔いたい時期。

夜中ではなく早朝5時にひっそりと家を抜け出し散歩をしたことがあります。薄暗かった記憶があるので季節はおそらく秋か冬。なんだか悪いことをしているみたいでドキドキしました。

どの家もまだ明かりがついていない。
道ですれ違う人のほとんどが早起きのご老人。

「今、上野芝向ヶ丘町は僕の街」

家庭科で作ったシャチ柄のナップサックを背負った寺岸少年は、坂道だらけの住宅街を我が物顔で闊歩していました。

ずんずん歩きました。

ずんずんずんずん。

ずんずんず、、

「ちょっといいかな?」


振り向くと僕の目線に合うように腰を落としている男性警察官。

「小学生?こんな時間に何してるの?」

散歩です。ただの散歩。ただの散歩なのに。

警察官に話しかけられることなんてもちろん始めて。ちょっとだけ悪いことをしている気持ちもあったせいか、めちゃくちゃ動揺してしまいました。

「どこの小学校?カバンの中って何入ってるの?」

財布しか入っていません。財布しか入っていないのに。めちゃくちゃ動揺していた僕は「財布です」と答えることすらままなりませんでした。

大人でこの反応をしていたら"署までご同行"待ったなしです。

さっきまでの威勢はどこへやら。警察官から解放されたあと、小走りでパタパタ帰宅しました。

上野芝向ヶ丘町はすでに僕の街ではなくなっていました。



難波周辺は何時になっても人がいます。
どれだけ頑張っても僕の街にはならない。

だから自ずと散歩の頻度が減っていたのかもしれません。

僕にとって自分に酔えることが散歩する大きな理由だったんだと今更気付かされました。

かなりダサいかも。

まあ、散歩だーい好きなことに変わりはないのでこれからはたくさん散歩しようかなと思っています。

おもしろい看板や良さげなお店を見つけたり、「ここ歩いたらここに出るんや」なんてちっさな発見もあったり、散歩の楽しみはいくつもあるので。単純に歩くのも好きですし。

あと今なら「財布です」ってスマートに答えられるしね。



ではでは

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