不動高校学園祭殺人事件

犯人同情度

★★★★

心情的には最大にしたいんだけど、推ハラ(推理ハラスメント)…もとい、金田一と剣持による写真部員と顧問への事情聴取の時に部員に疑いが向くようにネガキャンしていたのが頂けなかったので。まあ、全員やってたけど。

この事件のきっかけになった六野冬花の自殺はやはり伊志田で確定なのだろうか。隠しカメラは無く、伊志田が冬花を陥れたと言う明確な証拠は出てなかったので。
とは言え盗撮写真を裏サイトにばら撒いたのは伊志田で確定なのと(伊志田のカメラのメモリーを復元した時に女子高生の裸の写真が何枚も出てきた)、冬花自身が「伊志田君に騙された」と証言しているので間違いないか。

殺された恋人の復讐、と言うのはそんなに心を動かされないが、今回は同情できると強く思える内容だった。

被害者同情度

伊志田 純 ★

特に語る事の無い外道。江塔が「あんなヤツ殺されて当然だ」と激昂したのも不謹慎かも知れないが当然だと思う。

その他の登場人物

江塔大樹 ★★★★
七瀬美雪 ★

江塔大樹

犯人と冬花が実は恋人同士だと知った時も、祭沢と鷹杉は驚いていたが、江塔は「やっぱりそうだったんスね」と、驚くのではなく事実の一つとして普通に受け入れていた事が器の大きさを示すエピソードだったと思う。

まあ、その前に知ってたからだが、その時も特に驚いたという描写は無かったし、むしろ「この人ならしょうがない」と許容していた風だった。ただもしその相手が伊志田だったら江塔は許してなかっただろうけど。と言うか間違いなく許してない。
それどころか「冬花が自殺に追い込まれ、犯人がその復讐の為に伊志田を殺したのは、自分が2人の関係をバラしたせい」だと謝罪したのも好印象だった。まあ最初からバラすなと言う話だが、これに関してはデタラメを吹聴した伊志田が悪いので、江塔を責めるのは酷か。犯人もその事は特に咎めてないし。

真面目だが感情的になりやすいという不器用なタイプだったが、犯人と自殺に追いやられた冬花の恋愛を驚きもせず、色眼鏡で見る事もしなかった江塔は人格者だったと言えよう。伊志田みたいなパリピが嫌いなだけ、と言うのもあったかも知れないが。

七瀬美雪

七瀬美雪の項目を作ったのは、事件解決後のセリフを糾弾する為です。まあこれまで何度も書いてきたので繰り返しになりますが。
ここから先は七瀬美雪を強い語気で批判しています。

■本題

あーんな地味な○○(犯人の名前)があの美人の六野さんと付き合ってたなんて

これは事件解決後の七瀬美雪の台詞だが、この女は自分が何言ったか理解しているのかな。

犯人に対する侮辱であるのは勿論、冬花にとっても余計なお世話。お前だって金田一の事を馬鹿にされたら良い気分しなかっただろ。時にはムッとしてただろ。自分が言うのは良いのか?

こんな無神経なセリフを、一モブキャラに言わせるならまだしも(それでも最低だが)、ヒロインに言わせる事が信じられない。こんなシーンを描いた作者ごと非難したいぐらい。と言うかしているし、してきたが。
このセリフ一つで七瀬美雪というキャラクターのイメージが一気に台無しになる程の最悪な台詞だったと思う。

思えばこの女は伊志田の事も

殺されたって文句言えないよ

と評している。
伊志田は確かに最低だが、主人公側のヒロインが殺人を肯定する発言してどうするんだか。江塔も言っているが、元々犬猿の仲だった江塔が言っていたのとでは意味合いが違う。

その辺のモブキャラが言うような軽薄なセリフを言わせるなら、もはや美雪はヒロインではないと思う。見てくれの良さだけでヒロインになれるなら別に美雪じゃなくてもいくらでもいるので。
むしろ外見のアドバンテージすら怪しい。元々作画の一定しないキャラクターなので。その上無神経なセリフまで加わったらもはやヒロインとして成立していない。ここまで来ると、メガヒット漫画の作者様に言うのも不遜かつ身の程知らずではあるのだが、キャラ作りの問題にすら思える。37歳の事件簿でCAにする前にもっとヒロインとしての描写に説得力を持たせてくれよって思う。

最後に

犯人の動機や犯人と冬花との純愛が部員に伝わっていたのは、この事件におけるわずかな光であり救いだったのではないかと思う。
犯人には罪を償ったら、犯人の純愛を受け入れ、謝意を示した江塔と共に立ち直ってもらいたいものだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?