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俺の頭(かしら)

#「囀る鳥は羽ばたかない」二次創作

「囀る」ファンの先輩、ミマさんの「あいうえお作文」、「若頭になりてぇ」の言葉から妄想を膨らませて書きました!
(ミマさんからはご了承頂いております)
             _______________


あの人の性癖を知ったのは初対面からだった

だから驚かない…と思っていた

だが、実際セックスの現場を見て…
驚愕した

男と男のセックスが、これほどエロいとは…

いや、男と男だからじゃ無い
男と頭(かしら)だから、だ

ドアの外に漏れる、喘ぐ声
最初は、何の声か分からずにドアを開け
衝撃的な現場を見て、絶句した

次からは、もう一度聞きたくて
薄くドアを開け
覗き見をした

バレたのは百目鬼が来た日だ
(実はとっくにバレてたらしいが)

公開センズリなんて御免だが
アレを見るのは止められない

百目鬼
あのヤロー
アイツは、あの日から頭のお気に入りだ

俺があんなに望んだ尺(しゃく)も、難なくやって貰いやがって…羨まし…ゴホッ

俺はゲイじゃ無い
男には
頭の他には興味が無い

綺麗で上品な面(つら)
美しく均整のとれたエロい身体
口は悪いが、優しい男(ひと)
この世の中で
実の親と共に信用に足りる人物
それが頭

俺が攫(さら)われれば、
命懸けで助けに来てくれる

たとえそれが杉本でも、
あの百目鬼でもそうだろう

でもあの時は
「俺を」助けに来てくれた

それが自慢!!

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「いい女見つけて結婚すれば?」
頭から社長になった今
あんたはそう言うけど
俺は、
それほど「結婚」したくはない

この人の傍にいられるなら
俺はこのままでもいい

いつか社長が組を持ったら
俺は「若頭」になる!
つもりでいる…

あくまでも、つもりだ…

社長が組を持ちたくない気持ちも分かる

この人は、(実は)ヤクザを嫌っている

普通の感性を持つ人だ

ただ心配なのは
井波のヤローに金と身体を与えてる事だ

杉本が言っていた、
井波のヤローはあの時、社長の傷を抉(えぐ)ったと

社長を貶め、侮辱し、
セックスの時に暴力を振るう
「クソ野郎」だと

それでも社長は
情報を得るために
身体を与えてる
ホントは嫌なのが、俺には分かる

百目鬼
アイツがいなくなってから
社長は変わった
メシもあんま食わねーし
笑わなくなった
生気が無いし
生きる気力ってもんを感じない

ニブい俺でも
今なら分かる
本当は、社長はアイツに、惚れてたんだ…と
(最後までやったらしいし)

社長、あんたには
「マジで幸せに」なって欲しいっす
「マジに笑ってる顔」がまた見たいっす

社長を救うのは
俺じゃない
それは分かってる

俺の前を歩く社長、
遅れた俺に気が付いて

「七原〜、お前、おっせーよ」
悪態をつきながら、振り向く

オールバックにした前髪が垂れ
形の良い指が、それをかき上げる

あんたは綺麗だ

道行く人が、その美貌に振り向いて行く

俺はやっぱ
『あんたが、好きっす』

『ずっと傍に居させて下さい』

恥ずかしくて、とても口には出せないが

俺は初めて救われた
あの時のように
もう一度、心の中でそう呟(つぶや)く

そして早足で、あんたの後を追う

離されないように
ちゃんと守れるように

百目鬼が
あんたを攫う日が来るだろう

でも
その日まで

いや、
これからも、いつまでも
俺は、ずっと、あんたの傍に…。


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