見出し画像

パンを焼く

季節の変わり目のせいか、歳のせいか、最近気分が不安定になることがある。

そんな時、心を空っぽにしてよく眺めていたのはyoutubeだった。最近はショート動画がどんどん流れ、関心がない分野の映像が目に入ることもよくある。

そんな時にたまたま見かけたのが、パンを作る動画だった。

こねられた後に発酵し、もっちりふくらむパン生地が可愛い。
延々とパンがこねられ、成形されていく動画を見るうちにあのもちもちを触りたい衝動に駆られた。

作ろう。仕事の昼休憩にそう思い立つと、帰り道にはスーパーで強力粉とドライイーストを手にしていた。

パンの焼き方には色々あるようだが、見かけた初心者向けの動画では、手ごねで作っていた。また、工程も合計3時間程度で完成させられそうだったので試してみることにした。

工程は簡単に説明すると
①材料を混ぜる(強力粉、ドライイート、バター、水など)
②こねる
③一次発酵 ラップをかけ数時間放置する
④成形 レシピ通りに等分割し、生地の表面が張るように丸める。
⑤ベンチタイム 濡布巾をかぶせ、数十分放置する。
⑥ガス抜き・成形 膨らんだパン生地を手のひらで軽くつぶし、再度きれいに表面が張るように包み直す。
⑦二次発酵 数十分放置
⑧焼く 予熱済みのオーブンで15分程度焼く
以上で完成だ。

パン作りの行程は想像以上に疲れた。
特に、②のこねる工程は、想像以上に体力を消費するものだった。
また、待ち時間が長いのも億劫だった。

ふっくらもちもちに見えた発酵後の生地は、表面を突っ張らせて左右に引くと、何十年も掃除していない洋館に張った蜘蛛の巣のようだった。
このおかげでもっちり食感になると思っても少し動揺する見た目をしている。

それでも、小さく丸めた姿はふわふわもちもちで可愛らしい。

何時間もかけて作った焼きたてのパンはやはり、絶品だった。
冷めると硬くなってしまうが、温めるとまた柔らかさを取り戻す。

工程を考えると、頻繁に焼くのは躊躇われるが今回衝動的に買ったドライイーストの量は50gである。(1度のパン作りに使用する量は3〜5g)。

約3週間前のパン作りデビュー以降、既に3回焼いた。

賞味期限を切らさないうちに、またパンをこねる休日が来るだろう。
次はチョコチップや胡桃を混ぜてみよう。

なんとなくどよんとした気持ちの日々に、少し日が差した気がした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?