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東松山・吉見の楽しみ方:堀や曲輪の遺構を120%満喫できる 比企城館跡群の1つ・松山城跡(武蔵国) (埼玉)


こちらの投稿は、「大人散策辞典 ”wiki stroll” ~tomoaki blog~」の "Original の記事" を基本同じ内容で、記載している記事になります。Original の記事では、より多くの写真も含め記載しておりますので、併せてご参照頂けますと幸いです。


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【はじめに:松山城跡(武蔵国)の基本情報】

本日は「東武東上線の東松山駅から徒歩30分程度で行け、本格的な堀の遺構を感じる事が出来る、比企城館跡群の1つ・松山城(武蔵国)をご紹介」します。

お城をテーマにする際の書出しで、いつも通りですが、皆様は松山城と聞くと、何を連想されますでしょうか? そもそも、松山城(武蔵国)をご存じでしたでしょうか? まずは、以下に私の連想ゲームと共に松山城(武蔵国)の基本情報に付き、記載させて頂きます。

Wikipediaによると以下の通り、11の松山城が紹介されています

松山城 (伊予国) - 愛媛県松山市にある城。現存12天守のひとつであり、「松山市」にあることから、単に「松山城」とした場合、一般的にここを示す。松山城 (備中国) - 岡山県高梁市にある城。現存12天守のひとつであり、上記に対し、こちらは一般的に「備中松山城」と呼ばれる。松山城 (陸奥国志田郡) - 宮城県大崎市にある城。松山城 (出羽国) - 山形県酒田市にある城。松山城 (陸奥国岩瀬郡) - 福島県須賀川市にある城。松山城 (武蔵国) - 埼玉県比企郡吉見町にある城。松山城 (下総国) - 千葉県匝瑳市にある城。宇陀松山城 - 奈良県宇陀市にある城。「続日本100名城」に選ばれている。松山城 (石見国) - 島根県江津市にある城。松山城 (豊前国) - 福岡県京都郡苅田町にある城。松山城 (大隅国) - 鹿児島県志布志市にある城”

https://ja.wikipedia.org/wiki/松山城

この様な、感じでしょうか…。

吉見百穴の様子

位置関係につき簡単に触れますと、最初にも記載しました通り、東武東上線の東松山駅から徒歩・30分しない程度で、松山城(武蔵国)の(西側の)入口まで行く事が出来、すぐ北隣には、古代のお墓と言われ教科書でも有名な「吉見百穴」があります。

もう少し広い視野でみると、直線距離で北東11㎞程の所に「さきたま古墳群や忍城のある行田市があり(別記事ご参照ください)」、南東13-14㎞には、私達夫婦の住まう街「川越川越城があります(こちらも別記事ご参照ください)」。また、ほぼ北にあたる方向、11-12㎞程の荒川を超えた所には「熊谷」、さらにその先には東山道武蔵路の古道が通っていたと言われる「群馬県太田市至ります(東山道武蔵路は目の前を通っていた?)」。東に目を向ければ、「川越児玉往還があり、少し先で鎌倉街道上道と交わるこの道は、群馬県の高崎へと延びています」。

忍城の様子

つまり申し上げたいのは、今この現代において、少々マイナーではあるかもしれないが(すいません…)、駅からのアクセスも良い場所にあり、歴史を遡って考えれば、交通の要所であった事が伺える場所に、比企城館跡群の代表の1つ松山城(武蔵国)がある、と言う事です

【松山城跡(武蔵国)の楽しみ方】

上記概要の松山城(武蔵国)ですが、私がおすすめする楽しみ方として、以下2点がございます。東武東上線・東松山駅から30分もかからず、松山城(武蔵国)の下までは行けますが、城跡そのものは、それなりの山になり、斜面も結構急で、全体を見て回るには、2時間程度は必要と思われます。アップダウンの伴うハイキングの様な感じで、「純粋にハイキングを楽しむ事」も出来ますが、以下も踏まえ回って頂くと、より一層、この松山城(武蔵国)を楽しむ事が出来ると思います

・堀や曲輪城の構造 / 遺構を楽しむ

東松山駅方面からくると、それなりの急斜面を登り(お城の西側)、登り切った先には、いきなり本丸が出てきます。つまりこの方面(西側)は、搦手側から入ってきたことになります(裏口からお邪魔したイメージ?)。目の前を流れる市野川を見て、急峻な斜面を登ってくると、こちらの側の守りよりも、反対側(東側)をより焦点を置いて守りを固めていたであろう事、理解いただけると思います。

松山城(武蔵国)の様子①
松山城(武蔵国)の様子② (西側の斜面)
松山城(武蔵国)の様子③ (本丸)

事実、本丸まで来たら(登ったら)、今度は、東松山駅の方面とは反対の東側に向かって進むと、いくつもの堀と曲輪があります。そして、それらはかなりの良い状態で残っています。同時に、確かに堀なのですが、(時代による劣化もあるのでしょうか?)ビックリするほど深く・急な堀ではないので(それでもそれなりの斜面で深さはありますが…)、それぞれの堀を上からも、下からもマジマジと見る事が出来ます。

松山城(武蔵国)の様子④
松山城(武蔵国)の様子⑤
松山城(武蔵国)の様子⑥

また、各曲輪にはそれぞれ説明看板があり、現在位置を確認しながら進めるので、この城の大きさや全体図をイメージしながら進む事が出来ます。大規模なお城とは言えないでしょうが、これほどしっかり遺構が残っていて、観察できるお城も多くはないと思うので、お城好きには中々見応えのあるスポットだと思います(別記事の比企城館跡群で記事でも触れました、杉山城・菅谷館跡もかなりしっかり土塁と堀が残っており、この近辺ではお城付きの方の見所に上げたいスポットです)。

松山城(武蔵国)の様子⑦
松山城(武蔵国)の様子⑧
松山城(武蔵国)の様子⑨

・歴史を感じる:日本三大奇襲の1つ河越夜戦

本ブログの別記事で、勝手な考察を加えさせて頂きました「日本三大奇襲の1つ河越夜戦」における、ある意味1つのポイントとなるお城と言う側面も、このお城は持っています。Wikipedia の力をかり、河越夜戦を調べてみますと、以下の様にあります。

”(略) 河越夜戦は、北条氏康軍と上杉憲政・上杉朝定・足利晴氏の3者連合軍が武蔵国の河越城(現在の埼玉県川越市)の付近で戦闘し、北条軍が勝利を収めた戦いである (略)”

https://ja.wikipedia.org/wiki/河越城の戦い
河越夜戦における勝手な布陣の全体図

北条軍が、河越城内に3000。これを、山内上杉家・扇谷上杉家・足利古河公方の軍:8万が包囲し、その援軍に北条氏康の8000が向かったという構図の戦で「8万 vs 1.1万の戦」となり、1.1万の北条軍が勝ち、関東進出の基盤を北条氏が固めた「日本史における KeyPoint になった戦い」です。そしてこの時に討ち取られてしまった「上杉朝定」ですが、元々河越城主で、河越夜戦の前の戦で北条方に河越城を奪われ、これを取り返すべく、山内上杉家・足利古河公方の協力を得て、上記の様に河越城を大軍で取り囲んだ訳ですが、この際(河越城を奪われていた期間)に「上杉朝定」が逃げ込んでいたお城が、この松山城(武蔵国)と言う事です。

河越夜戦の跡地と伝わる東明寺

つまり、「上杉朝定は河越城を追われ、この松山城(武蔵国)で悔しい思いをしながら過ごし、何とか河越城を取り返そうと、包囲作戦を上杉憲政・足利晴氏と実行するが、河越夜戦で敗れ、この城の戻る事は無かった」と言う事になります。直線距離にして、たった10㎞ちょっとの所に今も川越城があります(現存の本丸御殿)。今の時代に、私達夫婦が徒歩で行っても、3時間程度でついてしまう場所です。距離的は近くて、でも支配するには遠かった河越城を「朝定はどんな気持ちで、この北条氏と対峙する正に最前線の松山城(武蔵国)でいたのか?」と思うと、ちょっと悲しくなってしまった次第です(河越夜戦に関しては、日本談大奇襲や河越夜戦に関する勝手な考察のページもご参照ください)。

松山城(武蔵国)の様子⑩
松山城(武蔵国)の様子⑪

【最後に】

何度かお伺いしている松山城(武蔵国)ですが、最も最近お邪魔したのは、2020年の冬。前にお邪魔した際、本丸にあったはずの ”松山城跡碑” の石碑が、見当たりませんでした。確か本丸にあったと記憶していたのですが、見当たらずウロウロしていると、倒れてしまった石碑を発見

松山城址の石碑①
松山城址の石碑②

文字も見えないので、探していた石碑か否かわかりませんが、恐らくそうではないかと思いました。2019年の台風の時だったのでしょうか、それとも違うタイミングなかわかりませんが、「倒れてしまった石碑」を見るのは、非常に悲しいものがありました…。それも倒れてからしばらくたっているよな印象を持ちましたし…。

確かに有名な城跡とは言えないかもしれませんが、これだけお城の遺構をまじかに見える城跡比企城館跡群の代表の1つ松山城(武蔵国)は、数少ない貴重な城跡だと思います。是非今後も整備される事を期待したいと思いますし、皆様にも機会があれば、「是非この貴重な遺構を見学すると同時に、大人散策でいらしてみては?」と、改めて思った次第でした別記事で松山城(武蔵国)の周辺情報も含め、紹介していますので、是非参考にして頂ければ幸いです。


尚、本ブログ別記事で、日本100名城や続日本100名城国宝5城現存12天守現存4御殿等のお城の分類と共に、姫路城彦根城松本城松江城川越城二条城熊本城高知城掛川城小諸城等々50以上のお城についても情報発信しており、以下一覧表の画像をクリック頂くとダウンロードされたPDFファイルより、リンクで各分類/各お城の個別ページにアクセスできますので、併せてご参照頂けますと幸いです。

「日本100名城 & 続日本100名城一覧 + α」の抜粋画像:
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