日経平均の未来を考える

このところテレビでも話題になっているが、日経平均株価が右肩上がりになっている。
2002年から株式投資をしている私がこの理由について考えてみた。

☆日銀の黒田さんが異次元緩和を行った為、金融市場にマネーがじゃぶじゃぶと入ってきた。
さらに、日経平均が前場(株式市場の9:00~11:30)で2%以上下落したときは毎回、日銀が700億円超のETFを買い支えてくれたので、日経平均が下がる確率はかなり小さい。
だから、アベノミクス以降株価は右肩上がりになってきたのだ。
しかし、突然パンデミックが全世界を襲う。
外食産業、旅行関係の産業、飛行機や電車などの運輸業は厳しい試練に晒される。ここでまた政府はこれらの産業や日本国民を助ける為にお金をばらまく。
つまり、マネーがさらにじゃぶじゃぶになったのである。
それなのに、バブル崩壊後の失われた30年の壁はなかなか超えられなかった。

☆外国人投資家が日本株の安さに目を付けた。
株価がどのくらい安いのかを表す指標としてPERとPBRがある。
PERとは株価収益率(price-earnings ratio)のことであり、株価を一株当たり当期純利益で割ったものである。この値が小さいほど株価は安いと判断される。
PBRとは株価純資産倍率(price book-value ratio)のことであり、一株当たり純資産に対する株価の倍率である。やはり、この値が小さいほど株価は安いと判断される。
投資の神様と呼ばれる、ウォーレン・バフェットさんが日本の商社株を大量買いしたことでニュースになったが、PBRに目を付けたことでも話題になった。
外国株式に比べて日本株式はかなり安いことが外国人にばれてしまったのだ。
バフェットさんは長期投資をするので、日本株式を売るのはかなり先のことだろう。逆に買い増すことを考えているだろう。
これを知った他の外国人投資家が、後に続けと言わんばかりに日本株を買いあさっているのが現状である。

以上、2つの理由により現在の株高が説明できる。

それでは、いつまでこの株高が続くのだろうか?
多くのアナリストが、2025年の4月くらいまでこの状況が続くだろうと予想している。もちろん一本調子で上がるわけではなく、途中調整がありながら上がると思われる。日経平均株価も40000円くらいになるだろうと予想している。
しかし私は2025年の4月以降も上がり続け、50000円近くまで行くと予想している。このことに関しては反論する方もいるのではないかと思うので、この予想の根拠を述べたいと思う。

35000円を超えてくると日本企業が元気になってくる。特に輸出産業が潤ってくる。すると、一部の人間の給与が上がり国内の消費が多くなってくる。そして、その後を追うように輸出に関係ない企業も潤ってくる。今度は一般の人間の給与も上がってくる。すると益々消費が旺盛になり、企業収益が増えてくる。以下これの繰り返し。つまり、経済の良い循環が起きてくるのだ。したがって、40000円を超える頃は1株当たりの価値が下がっているのではないかという心配はしなくてよいのだ。その頃は企業収益はもっと良くなっているのだから。40000円を超える頃のPERは今とさほど変わらない(少し上がるか下がるかの程度)と考えられる。しかも大阪万博が控えているし、円安はしばらく続くだろうから訪日外国人観光客も増え続けるだろう。と私は考えたからこの予想にたどり着いたのだ。
ただし、数学の証明とは違うので必ず正しいと言い切れるわけではない。あくまでも個人の予想である。

☆この株価上昇の立役者は誰なのだろうか?
もちろん、日銀の黒田さんである。異次元緩和が始まったころ、私は30000円を超えることを予想していた。この事を友達に話したら笑われた。そんなことあるわけないよ。と。
去年の12月頃、テレビで散々「悪い円安」発言をするコメンテイターが何人かいた。もちろん違った視点で見れば彼らの言っていることは正しいのであるが、こと、日本経済にとっては円安はとても良い事なのである。
歴史的に見れば、円安が長く続いたからこそ過去の高度経済成長期があったのだ。日本は資源輸出国ではないので、材料を輸入して日本国内で製品を作り付加価値を与えて輸出する。という産業構造で発展してきた国なのだ。
もし日本が産油国で、国民が遊んでいても石油が売れるような国だったならば、輸入だけ考えていればいいので、円高の方が良いに決まっている。でも、日本は残念ながら資源に乏しい国なのだ。この事実に目を背けて「悪い円安」発言をする人の話は最後の方で述べよう。

☆この株価上昇はバブルなのか?
30年ぶりに…と世間では騒がれているが、ドルベースで見れば日経平均株価は全然30年前を越えていない。だから、失われた30年は継続中だ。という人がいるが、発想を転換してみよう。ドルベースで見れば日経平均株価は上昇余地がまだまだある。ということである。つまり今回の株高は青天井であるとも言える。私は50000円を予想するが、60000円を超えてもおかしくないくらいの勢いはあるのだ。円安が150円を超えれば60000円になったとしても、この30年間の経済成長率は平均1%くらいなものである。百歩譲って1980年代の株価が異常であったと考えて補正をしたとしても60000円くらいが健全な成長率の範囲なのである。だから私は50000円を予想するのだ。
したがって私は全然バブルだとは思っていない。

☆そもそもバブルの定義とは?
以前何かのコラムで読んだ記事に書いてあったが、株式の配当利率よりも銀行の利子の方が高くなってしまう状態がバブルである。と。
確かに以前のバブルでは銀行利子が8%を超えていた気がする。これは異常なことである。この頃私は株式をやってはいなかったが、このくらいのインフレになると、土地の値段も高騰し、歪んだ経済状態になる。
これをバブルの定義とするならば、現在は全然バブルではない。多分、3年後も5年後もこの定義を使用するならばバブルではないだろう。

☆バブルではないとしても、大暴落はあるのだろうか?
正直、何回か暴落する局面はあると思う。偉そうなことを言っている私でも何度か痛い目を見ている。でも、マイナスを経験しない投資家なんていない。負けたことがない等と言っている人間がいれば、その人間は詐欺師である確率がとても高い。注意した方がいいだろう。
重要なのは負けた事があったとしても、トータルでプラスになっていることである。その点私はかなりのプラスなので、偉そうな事をいう権利が少しはあるだろう。
例えば、日本が大震災に見舞われる。
こんな事が起これば大暴落をするであろう。
しかし、発想を変えればこんなときは株を仕込むチャンスとなる。東日本大震災の時でも半年くらいで株価は元に戻っているのである。(銘柄にもよるが)したがって、今度大震災が起こった時、日本人は慌てて株を投げ売りして、それを外国人投資家が喜んで買い漁るだろう。つまり何が言いたいかというと、今度の震災では1か月くらいしか暴落しないと私は考える。いや、震災の程度によっては1週間で株価は元に戻るだろう。だって、日本株は安すぎるから。このことに気付いている外国人は常に暴落バーゲンセールを狙っている。
では、暴落の心配はないのか?
こんな時だけは大暴落するだろう。
①戦争で核兵器が使われるなどの、全世界的な恐慌が起こる。
②急激な円高が起こる。
この2つだけ心配していれば十分だと私は考える。
①に関しては私は全くわからない。しかし、起こる確率は低いだろう。
②に関しては植田日銀総裁が考えを変えない限りは起こらないだろう。

☆経済は好景気と不景気を周期的に繰り返す。
明けない夜はない。だから暴落が起こったとしてもいつかは高騰する。それだけのことである。そして今はやっと夜明けを迎えた感じである。だからその流れに乗って資産運用するだけである。
株の売り時は2年後くらいから考え始めればいいだろう。
そして、そもそも私は値上がり益(キャピタルゲイン)重視派ではない。長期投資配当金(インカムゲイン)重視派なのである。だから最高値で売り抜けるよりも配当利回りを重視して、株価が天井を打っても配当利回りが良ければ売らない選択もあり得る。
だから、暴落してもドルコスト平均法により、静かに買い増すだけである。
そう、私はバフェットさんを手本としているのである。

☆いくつかの心配事
借金大国と言われる日本の借金総額は、2019年3月末時点で1103兆3543億円だったと発表された。 日本の債務残高はGDP(国内総生産)の2倍を超えており、主要先進国の中でも、かなりの高水準となっている。
そもそも、この借金を返さなければいけなくなったら日本は破綻する。
この主張は正しい。こんな事が起これば日本円の価値はかなり下がるだろう。そして、貨幣とは信用の下での価値基準の事なので、円は外国では忌み嫌われて使えなくなるだろうが、国内では引き続き流通するだろう。ここで、価値がゼロにならない事が重要であり、さらに現金よりも株式の方が高価値になってくる。なぜなら株を持つということはその会社の一員になるようなものだからである。例えるならば、貨幣価値が二束三文になっても、土地の価値が減るわけではないのと同じで、不動産と似たような価値が株にはあるのだ。したがって、日本円が破綻すれば、債券と円は価値が激減するが、不動産や株はそこまで価値が下がるわけではないのである。
次に預金封鎖とハイパーインフレの心配であるが、これはセットでやってくる。歴史がそうだった。
しかし、ここでも株式が価値を発揮する。
政府がハイパーインフレを意図的に起こせば国の借金は一瞬で返済できる。その代わりに円の価値が激減し、被害を受けるのは日本国民だ。だから、こうならないように円高にせよと。円高を誘導してなるべく国の借金を減らさなければハイパーインフレが起こる。国が破綻する。と、これが悪い円安論者の言い分なのである。確かに一理ある理論ではあるが、これに一言物申す。
借金を全額返済するのが良い事なのか?
仮に国の借金がきれいさっぱり返済できたとしよう。その次に何がまっているのか?
日本は無借金国だから円の価値が上がる。私の予想ではこんな事が起これば、1ドル10円の時代が来てもおかしくない。以前の円高でも1ドル50円になるのではないかと心配したものである。そんな事が起きた方が日本はやばい事になるのではないだろうか。
つまり、私が言いたいことは、日本の事だけ考えていればいいわけではないのだ。
多分、日銀の黒田さんはこういう全ての事を天秤にかけて、円安を誘導したのではないだろうか。
(ここからは私の推測でしかないが)
そして、円安を容認しているアメリカとは、何らかの形で日本景気が良くなるまでは円安を容認する約束をしたのではないか?なぜならば一つの国だけでは為替レートの誘導はできないからだ。中国からの脅威に対抗するために、もう一度日本に復活して欲しい。そんなアメリカの思いがあるから円安を容認しているのではないか。と私は勘ぐってしまう。

☆いくつかの心配はあるが、金融危機の時こそ株式は威力を発揮する。
インフレが起こると投資家はより豊かになりさらに貧富の差が広がる。
インフレは貨幣価値が下がるので、インフレ下では不動産と株式が(相対的に)安全資産になる。ハイパーインフレに至ってはなおさらである。
したがって、暴落だけは気を付けながらもこの時代、株式投資一択である。

株高で得をするのは?
私は株を持ってないから株高になっても無関係。
そもそも株を買うお金が無い。
こんな人は株高の恩恵が得られない?
いえいえ、そんなことはありません。
年金機構は国民から預かったお金で資産運用しているのである。つまり株を買っている。したがって、株高になれば将来の年金額が増えるのだ。計算はしていないが、株価が32000を超えたことでかなりの利益が年金機構のお金に積み増しされているはずである。だから、株を持っていない人でも恩恵を受けることになるのである。

政府が金融教育や株式投資を声高にしているように、日本人はもっと資本主義の勉強をして株式投資で利益を得るようになるべきである。
私ももっと勉強して、今回の大波に乗りたい所である。
目指せ、億り人!

※今回の私のコラムは株価上昇を約束するものではありません。
あくまでも私の考えであり、このことにより損害を被っても私には責任はありません。あくまでも自己責任で株式投資を楽しんでいただければ幸いです。


よろしければサポートをお願いします。頂いたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます。