袴田事件、国は刑事補償とは別途の賠償もしてほしい

袴田事件で、やっと無罪が確定しました。

良かったです。

それにしても、検事総長の「謝罪」は、
全く謝罪になっていないように思います。

もっと言えば、裁判所の「捏造」認定に
納得がいかないならば、

上訴しなければならない、と思います。

納得がいかないながらも、上訴をしない
ならば、

納得がいかないことは言うべきでは
ないと思います。

せめて、

「当初(58年前)第一審から、
どういう証拠を出せば捏造認定になら
かったのか等の検討、検証をします」

くらいの発言に留めておけば良いのに、
とは思います。

もっと言えば、最終的に最高裁まで
行った時に、検察は最高裁で捏造認定
されることを避けたのではないか。

最高裁の判例になることだけは、死んでも
絶対的に避けたかったのではないか。

だって最高裁は、再審開始決定の決定打に
なったであろう、高裁の再審をしないという
判断を差し戻した(取り消した)のですから。

既にその時に最高裁は、捏造にまで
踏み込んだ決定をしているわけですから、

今回のやり直しの刑事裁判で最高裁まで
いったところで、昔から国に有利な判決を
乱発しまくる最高裁でさえ、

捏造認定する可能性は高かったでしょうね。

検察としては、それだけは何としても
避けたかったのでしょうね。

だから、色々と心にもない「謝罪」を
述べて、上訴を断念したのだろうなと。

それにしても、今後、弁護士さん達は、

国に対し、47年間にも及ぶ身柄拘束に
対する刑事補償請求を行うと思います。

1日あたり最大12,500円とのこと。

この金額から特に減額する理由は
ないでしょうから、流石に国も、これは
認めるのかなと。

国側としても、争う余地はないのかなと。

しかしながら、仮に、弁護団が
別途の損害賠償請求として、国賠訴訟を
提起したらどうなるのか。

庶民目線で考えれば、刑事補償は
最低限の無罪判決に対する償いですから、

それ以外に国側に故意や過失があり、
袴田さんに刑事補償では吸収されない
損害があるならば、

弁護団が国賠訴訟を提起する可能性は、
十分あるのではないかと。

もしそうなった場合には、国にはぜひ、
責任を認めて欲しいです。

確かに、裁判所の捏造認定に対し、
「捏造の証拠はない!」と反発している
ことは、形式的な論理としては、

必ずしも間違ってはいないとは、
多少は感じます。

しかしながら、「○○捜査官が捏造を
した」的な警察内部の公文書など
捏造の物的な証拠があるわけじゃないに
しても、

当初の第一審から、犯行時の着衣と誤認
された着衣に血痕が残っていることは、
絶対におかしいです。

検察主張が正しければ、

着衣が発見されたのは、事件から
1年2か月以上経過しているわけです
から、

その期間は味噌に漬かっていたはず
です。

ならば、味噌なんて塩分濃くて
浸透圧も凄まじいでしょうし、

そもそも色も濃いですから、

血痕なんて残るはずないです。本来
ならば、生地自体が真っ黒になるはず
です。

そのことは弁護団実験でも明らかで
あるにもかかわらず、

当初の死刑判決の基礎となった着衣では、
ほぼ真っ白の状態でした。

これは、「発見」される前日とか、
数日前に適当に準備した衣服を味噌に
漬けたと考えるより他はないです。

袴田さんが身柄を拘束されて、
それどころか、事件から1年以上も
経過している第一審の最中に、

事件直後に警察が何度も何度も
丹念に調べて、その時には一切
見つからなかった着衣が、

いきなり「発見」されたのですから、

しかも、そこに付着していた血痕は、

近年の最新のDNA鑑定で
袴田さんの血液とは違うと認定も
されているのですから、

これを警察官による捏造と言わずして
何と言うのか。

どうしても捏造って言われたくない
なら、

「捏造の証拠はない」だけではなくて、

捏造ではない証拠を出すべきです。

もちろん、一般論としては、
無いことの証明は、悪魔の証明とも
呼ばれて実質的に不可能である、

と言われているのは、私も知っています。

ただし、範囲を限定したりすれば、
「その範囲では無い」と証明することも
可能なはずです。

その上、証拠物を持っているのは
警察、検察ですから、

ある程度、範囲や状況を指定したり
区切ったとしても、出来る限りの
捏造ではない証拠を出すべきだったと
思います。

最低の最低の最低でも、
社会的には更に叩かれるでしょうが、

検察がどうしてもどうしてもどうしても
捏造を免れるための論理としては、

例えば、「別の事件の着衣だった」とか、
「味噌工場の人が誤って味噌樽に落とした
着衣だった」などと言うしかない、
と私は思います。

そうすれば、ギリ捏造認定を避けることは
出来たと思います。

というか、普段から被疑者に対しては、
合理的な言い訳や無罪の主張を聞かずに
強引で時に暴力的な捜査を行って
おきながら、

いざ、警察や検察が攻め(責め)
られるような場面になると、

一見すると法的な論理とも取れそうな
理屈を振りかざして、

「捏造の証拠はない」等と逃げようと
するのは、非常に狡いです。

ムカつきます。

その他にも

・そもそも着衣は、味噌に漬かっても
サイズは変化しないはずなのに、袴田
さんは、それが小さくて着ることが
できなかった

・当初の第一審に提出した着衣の写真は
白黒で、生地の白さと血痕の赤みが
わからないようにしていた。しかし、
実際はカラー写真があった!!

等々等々、、、

今後、もし弁護団が、損害賠償請求を
するならば、

国は、刑事裁判で上訴しなかった
のですから、それはつまり、捏造認定に
ついても争わなかったわけですから、

国は争わずに、
全面的に認めて欲しいと思うのです。

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