🚃伊豆箱根にゴトゴト揺られて①

ken-endo

2022年6月6日 17:36

　イズッパコにゴトゴト揺られて

🚉JR東海道線三島駅から乗り換えて🚃伊豆箱根鉄道の旅です。三島から修善寺を結んでいます。

【JR東海道線🚉三島駅前】
〝水の街〟だけあって、駅前には湧水のモニュメントがあります。

　欧州の諸国ではその昔、水は〝富の象徴〟ですから、時の為政者は街に⛲️噴水や水の公園を作っては権勢を奮いました。
　例えば、🇨🇭スイス。
　首都ベルンには、100ヵ所もの噴水があり、一番判りやすい噴水がコレ❣️

【🇨🇭ベルンの〝正義の女神の泉〟の⛲️噴水】
右手に⚔剣、左手に⚖️天秤を持ち、強い姿勢と公平さを表しています。

　例えば、🇦🇹オーストリア。
　首都ウィーンのシェーンブルン宮殿の庭園内にあるネプチューンの⛲️噴水池と奧に広がるグロリエッテには、満面と湛える人工池があります。

【🇦🇹シェーンブルン宮殿庭園にあるネプチューンの⛲️噴水と奧に建つグロリエッテ】

　例えば🇩🇪ドイツ。
ロマンティック街道沿いの都市・ローテンブルク旧市街にも⛲️噴水が数カ所設置されていました。

　例えば、🇫🇷フランス中東部の街エビアン・レ・バンは〝水の都〟と呼ばれ、ミネラルウォーターの採取地としても知られています。

【🇫🇷エビアン・レ・バンのカシヤの泉⛲️】
エビアン旧市庁舎の裏手に、常にアルプスの伏流水が豊富に湧き出て、誰にでも無料で飲料できます。

　ここに挙げた水の関わりは、ほんの一例です。
　三島市も街のあちこちに🗻富士山の伏流水に纏わる場所があります。
　🚃伊豆箱根鉄道にも🎫一日乗車券があります。
お値段1040円。
　駿豆線乗り放題切符「旅助け」です。

【伊豆箱根鉄道駿豆線一日乗り放題切符】
この形ですので、有人改札口を通る必要があります。

　江戸の庶民が関所を通る際の通行手形に形を似せた乗り放題切符です。

　
　三島駅南口から修善寺駅までの13駅・19.8kmを繋ぐ電化私鉄路線です。

　三島といえば、幕末までは伊豆国、そのためこの路線を駿河・伊豆の両字を一字ずつ取って、通称「駿豆線」《すんずせん》ともいい、伊豆箱根鉄道を愛称こめて〝いずぱっこ〟と呼ばれて親しまれています。
　⛩三嶋大社から👣歩いて3分、「三嶋曆の館」があります。明治6年正月朔日(旧暦12月31日晦日）に、現在の太陽暦に変わるまで🌕月の周期で暦を決めていた太陰太陽暦だった際に、三嶋曆は三嶋大社に毎年、奉納されていました。

　朝廷が採用していた京暦とは、同じ太陰太陽暦でも閏月編入の解釈の違いから、尾張曆・三嶋曆とは違いが生じることがありました。
　三嶋曆は戦国武将・北条氏政配下の関東が採用しており、尾張曆にも近かったことから、織田信長も三嶋曆に興味を持ち、天正10年正月に、改暦の話を朝廷の土御門久脩《つちみかどひさなが》に持ちかけて、公家たちを困らせます😡

　🏯安土城に挨拶に来た土御門久脩に改暦を検討するよう、五摂家筆頭・近衛前久に伝えるよう申し送りすると、朝廷は上を下にの大騒ぎになってしまった様が記されています。
　嫌がらせなら、正月賀状の挨拶の時だけ言ってみたに過ぎないのですが、信長は同年6月朔日に京都・本能寺に立ち寄った際にも、茶器を観に来た公家たちにこの改暦話を持ち出して座を白けさせてしまいます🤷🏻‍♂️
　公家の一人、山科言継が記した『言継卿記』に、信長の振る舞いを
「無理なることを申し候」と、困惑しています😤

【栃木県足利市にある足利学校】　　　　　　　　　　　　現存する三嶋曆の最古の記録は栃木県足利市にある足利学校に残っています。

　　当時の作歴は朝廷の中でも土御門家が世襲により、代々引き継がれています。暦を毎年11月朔日に朝廷に進上し天皇の裁可を経て、各部署に🗞配布される儀式を「御暦奏」《ごりゃくのそう》と、言いますが、その先例や儀式を信長が変えようとしたので、再び大騒ぎになるところでしたが、翌日に本能寺の変があり、信長自身が自刃してしまうので、改暦の話はここで沙汰止みとなります。

　三島は〝水の街〟と呼ばれるだけあって、清流・源兵衛川が流れている街で、駅前のロータリーにも清流がこんこんと湧いています。
　鰻と言えば浜松が有名ですが、ここ三島も鰻の有名店がたくさんあります。ただし、昨今の不漁続きで庶民には手が届かない超高額な高級食材になってしまいました🥲

　そんな時はアナゴ。
　アナゴは鰻と同じウナギ科ですが、あっさりしていて淡白な味わいが、〝粋〟江戸っ子職人たちの口を捉えたのでしょう。関東ではアナゴは天ぷらや煮穴子など広島県宮島が名産かと思いきや三島駅周辺の一番町で美味しいアナゴ天丼が食べれます😋

　アナゴ天丼で腹ごしらえして🚉三島駅を出発。
　最初の🚉駅は、三島広小路駅です。

【三島広小路駅ホーム】
改札を通ると変形五叉路があり、⛩三島大社に繋がっています。

　三島は〝水の街〟と言っていいほど、清流が幾重にも流れています。

　街をぶら〜り👣
　三島広小路駅前を東西に走る旧東海道。駅前が五叉路になっていて、踏切を渡り五叉路を左に向かって歩き出すと、すぐに聖徳太子に纏る🪦石碑が😱

【旧一万円札の聖徳太子像】
昭和を生きた方々なら解るであろうお馴染みの旧一万円札。

　今の諭吉さんもいいのですが、一万円札と言えば、やはりコレ❗️
　聖徳太子像の一万円札ですよ。このお札のお陰で、「冠位十二階」とか
〝和を以って貴ぶと為し〟と謳った「十七箇条憲法」を習ったのですから🧐

　「聖徳太子堂」と刻む聖徳太子の碑があったので、気になり、参道を奥へ奥へ向かいます。

　蓮行寺本堂の右手に、聖徳太子像と聖徳太子堂がありました。
　聖徳太子像には午後の日差しが差し込み、まるで後光が差しているかのようですね。

　各地に残る聖徳太子信仰、ここ三島にもありました🙏🏻

　三嶋曆を調べている関係で⛩三嶋大社や三島曆の館には数度、訪ねましたが三島広小路界隈も歩いてみると、いろんな発見がありますね。
　やはり旧東海道沿いに街が発展しただけあって発見も多いです。

【三島田町駅（三嶋大社前）】
駅としては広小路駅ではなく、田町駅が⛩三嶋大社門前なのですね。

　🚉三島広小路駅に戻って、🚉三島田町駅へ移動です。三島田町駅横には食堂「紀美乃」さんがありました。

【三島田町駅前の🛤線路沿い】
写真は特急踊り子号、熱海駅で分岐して熱海から伊豆急下田へ向かう列車と三島から修善寺に向かう列車があります。

　新しいE 257系のJR東日本の特急も走ります。
　店内から〝伊豆っ箱〟と特急踊り子号の通過も見学できます。小上がりよりカウンター席の方が見上げれば〝伊豆っ箱〟が通り、しかも駅前なので🚉駅に停車する電車は減速して入線しますし、駅から発車する電車はゆっくりと加速していきますので、電車の通過時間は充分、堪能できます。

　駅改札から1分。写真の右手側が三島田町駅です。

【食堂「紀美乃」さんのメンチカツ定食】
やはり、味噌汁が美味しいとまた通いたくなります😋

　三島田町駅を下車したのは駅から5分、佐野美術館があるからです。

【佐野美術館入口】
刀剣女子が殺到した佐野美術館。
また来年正月に、佐野美術館所属の刀剣を中心に刀剣展の第二段を開催する予定のようです。

　今回の企画展示は刀剣ではなく、動物写真家・岩合光昭さんの🐈『世界ネコ歩き 2』です。
　📺BS NHKの人気番組『世界ネコ歩き』の写真パネル展です。ネコ好き😍な方にはどっぷりストライクゾーンです👍🏻
　1階はショップ、2階が企画展示です。

　企画展の表看板のネコの回、観たことあります。確か、🇦🇷アルゼンチンの海岸の砂浜で雄猫が寛いでいるところです。
　動物写真家の岩合光昭さんの構図は、ネコを撮影する際の参考になります。相手が動物でも、岩合さんはよく話しかけていますし、目線が何時もネコ目線です。

　🚉三島田町駅を出発。
　三島二日町駅→大場駅→伊豆仁田駅で途中下車。
🚉伊豆仁田駅の駅舎も趣きがあるのですが、この駅は駅近くの県立田方農林高校（田方農業高校の前身）の校長・仁田大八郎氏の所有地と私費を投じて出来た駅です。
　現在は、無人駅です。

　仁田駅から👣徒歩4分に、田方農業高校があります。車窓からは農業高校の農地や飼っている🐐ヤギも見えます。

　🚉伊豆仁田駅に戻って、修善寺行下り🚃列車に乗って原木駅→韮山駅で途中下車。　

　韮山は、見所満載の🚉です。西に改札があり、国道136号線を渡り、ファミリーレストラン「ココス」の脇の道路を狩野川に向かうと、まさに〝北条ワールド〟と言っていいほどの平安時代末期の歴史的遺構の数々です。
　🚉韮山駅から徒歩だと15分ぐらいです。
　長徳寺があります。
　閻魔大王を祀る臨済宗の古刹です。山号を瑞応山、本山は鎌倉五山第二位・円覚寺です。

　創建が室町・南北朝時代の延文年間だと知り、平安時代末期〜鎌倉時代辺りの興味あるエピソードは無さそうだなぁと、諦めかけた際に一人の初老の翁から声をかけられました。
「何処から来たんだね⁉️」
振り返れば、どうやら長徳寺のご住職の高僧では🤔
この御仁がお話しが面白いと評判のご住職のようです。
「清水から来ました」
「清水の次郎長さん、かね。わざわざ遠くから来なさった」
ご住職か閻魔大王様のこと、平安末期の北条館に纏わることなど、話しはいろんな方向に。
　その中で、頼朝が挙兵した治承四年(1180年)8月17日、ここ守山の地ある守山八幡宮で挙兵に至った経緯で気になるご発言を語り出します。
「八幡宮で挙兵の狼煙を挙げた頼朝勢はここから真っ直ぐに伊豆の代官・山木判官館に向かうんだが、松明を持って行軍して来た頼朝勢を甘く見てたんだろうな、やられちまった」

【長徳寺から山木判官館があった香林寺方面を望む】
正面の小高い丘に香林寺と山木判官館跡があります。

山木判官館は、後に北条早雲が築いた韮山城がある山に隠れて、向こうからもこちらからも見えないのでは⁉️
　いくら奢る平家の代官・山木判官ですら、ぞろぞろと松明を持ってやって来る頼朝勢が見えていたなら、むざむざと襲われる前に逃げ無かったのですか🤔
ご住職曰く
「昔の人は呑気だったんだろうな。それに、頼朝勢を甘く見ていたんだろうよ」

　本当ですか？
　俄かに信じ難い顔をしていたのでしょう。ご住職は香林寺方面をしっかりして指差して
「あの高い鉄塔が建ってるじゃろ、あの直ぐ右辺りに白い煙が登っとる。あそこが香林寺、山木判官館跡じゃ」

【伊豆箱根駿豆線🚉韮山駅交差点から香林寺方面】
判り辛いので後日、晴れた日にもう一度もう少し近づいてみました。守山から香林寺までほぼ一本道。
道の左側は臼井国際産業の韮山工場で、踏切は🚃駿豆線です。

　ご住職のご発言を疑うわけではありませんが、今の今まで守山地区から香林寺、山木判官館は視認出来ないと思っていました。

　いくら山木判官でも⛩三島大社の大祭で警固の者が手薄だったとはいえ、やっと駆けつけて間に合った佐々木四兄弟含めて、総勢三十名にも満たない頼朝勢に討ち取られてしまうなんて。
　しかも守山から松明灯して近づいて来る頼朝勢に、不意を突かれたのでは無く、油断や弛みがあっのでは、ないか🥱

　このことをFacebookに載せてみたら、事実誤認で地図上では絶対見えないから、謝罪して撤回しろとのコメントが寄せられました。
　歴史は現場に赴かねば解らないことはたくさんあります。ですから「現場百回」などと言う言葉も生まれます。
　机上の空論ではなく、現地の方々の声に耳を傾けて現場に赴いて実感することは大切なことです。

　現場に赴いて確認もせずに、私のFacebookの投稿を撤回を要求し訂正謝罪まで載せろと二度もコメントなさった方、韮山の守山地区に言ってみましょう。ついでに、🗣長徳寺ご住職のご意見に耳を傾けてみませんか？

　以来、私はFacebookでの投稿を控えるようにしました。実際に現地でのフィールドワークをしてからの投稿を机上の空論を展開して気難しい論争することは無意味だからです。

　　　　　　　　　　　　　（続く）

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