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「峰 -mine- Little Conference Season1」

2019.02.27〜03.02 BPM
「峰 -mine- Little Conference Season1」
Produced by katsuyuki seto
Supported by TABI LABO

4日間に渡り、3Dサウンドクリエイターの瀬戸勝之氏プロデュースによるカンファレンス・イベントを開催しました。1日目はフォト・エキシビション、2日、3日目はインスタレーション、最終日となる4日目には、数々のクリエイターを招いたリトル・カンファレンスを実施。

Producer:katsuyuki seto
1975年生まれ。兵庫県出身。スタジオスペースラボ代表。360°の音声再生領域を活かし、聴覚のみで映像を連想させるような『3D MUSIC』という新たな音楽ジャンルを確立させた世界初の3Dサウンド デザイナー / プロデューサー。2010年には、クリエイター100選に選ばれた。池袋サンシャイン水族館、ラゾーナ川崎クリスマスイルミネーション2013など多数のイベント・会場での特殊音響空間をプロデュース。2015年には、Panasonicセンター東京での2020年東京オリンピック・パラリンピック特別展示会でのサウンドデザイン&サウンドプロデュースによる音響空間の総合演出を手掛ける。

まだ明確なコンセプトワードがあるわけではないんですが、これからの時代をつくっていくであろう人たちと話したいという僕の思いが「峰 -mine- 」の起点です。

じつは、大事にしたのは“ゆるさ”です。

僕自身、3Dサウンドクリエイターとして活動する際に感じているんですが、エンターテインメントを生み出すには、緊張と緩和が必要なんです。ものすごく集中して作り込む部分と同時に、なんかいいんじゃない?みたいな部分を絶妙なさじ加減で融合させていく。だけど、どんな媒体でもイベントでも、クリエイターにフォーカスする時、どうしてもシャープな部分ばかりが前面に出てしまう。だからこそ、そこのバランスの重要性を知っている自分としては“ゆるさ”を追求してみるのもおもしろいんじゃないか、と思ったんです。

イベントの構成もわざと“ゆるさ”を出していて、カンファレンスも普通は時間割がしっかり決められていて、○○が何分後に登場とかあると思うんですが、そういうのはざっくりとだけ決めて、その場の雰囲気に合わせて、かなりラフに進行しました。一方で、取り上げるクリエイターやその作品の見せ方に関しては、徹底的にシャープに。キャスティングもメディア色がつきすぎている人ではなく、まだみんなが知らないけれど作品やその人を知ればみんなが惹かれる、それぐらいパワーを持った人を集めました。

会場にBPMを選ばせてもらったのは、展示がしやすいとか、そういうことじゃなくって、今僕が言ったような雰囲気と温度がある場所だから。実際、BPMはカフェとしても機能するし、オフィスとしても、イベント会場としても機能している。これはスペース、なかなかないと思います。

まずは第一弾が終わったところですが、かなり手応えがあったし、ありがたいことに反響もいただいています。ぜひ続けていきたいですね。

DAY 01:Photo Exhibition

Navigator:Yulia Shur
ベラルーシ出身のアートディレクター&フォトグラファー。クリエイティブエージェンシーAVGVST所属。独自の感性、技術を駆使し、形、線、色を新たな形で表現する作品を得意とするアーティスト。彼女は作品の中で、錯覚、中毒的な美しさ、死、恐れ、そして存在的ではない空想の概念を表現している。世界各国の数々のファッション&アートメディアにも取り上げられ、注目度が高まっている。Beats by Dre、Apple music、Chistian Louboutin、Thom Browneなど、有名ブランドからのオファーも絶えない。

「Yulia Shurはモデルなんですけど、フォトグラファーとしても活躍していて。『峰 -mine-』の見え方を考えたときに、初日のエキシビションは、彼女が写した東京の写真を全面に出したいと思っていました。外国人の視点で見る「東京」は、どういうものなのだろうというのも興味深かったですし、海外のとがったアーティストが日本で活動をすると、どんなアウトプットが生まれるだろうという自分の好奇心はYuliaの作品とフィットして。彼女をアサインすることによって、まず自分たちが見ていた東京への見え方が変わるというイントロダクションを、『峰 -mine-』に加えることができたんじゃないかなと思います」(seto)

DAY 02:Installation

Navigator:WABARA
Kenichi Kunieda(WABARA Producer)

1981年、わばら作家の國枝啓司の長男として生まれ、幼少よりばらに親しむ。2年のドイツ留学、一般企業への就業経験を経て、25歳で父が営む「Rose Farm KENJI」に就農。2014年に「Rose Universe co., ltd」を立ち上げ、CEOに就任するとともに、プロデューサーとして國枝啓司が理想とする栽培環境や栽培手法の確立をサポート。WABARAの思想を体現するプロジェクトや想いを同じくするパートナーとのコラボレーションを世界各国で推進するほか、琵琶湖の再開発事業や花育プログラムの提供など、生態系の一部を担うWABARAのポテンシャルを地球に還元する取り組みも精力的に行っている。

Kei Nakanishi(WABARA Creative Directer)
ブランドプロデュース、クリエイティブディレクション、空間プロデュース、商品開発など、業務領域は横断的かつ多彩。WABARAブランドにおいては、ブランドプロデューサー兼クリエイティブディレクターとして國枝健一をサポート。世界に向けてWABARAを発信中。

「WABARAは、“生きたばらをつくる”というコンセプトのもと、流通に適合させるための過剰な操作を加えることなく生みだされます。限りなく自然に近い環境で育て、さまざまな空間や花種との組み合わせに順応させていくというコンセプトは、僕の中でピンとくるものがあって。そのバラを介して何かやってもらえないか?とお願いしました。照明は、僕が『STAR ISLAND(未来型花火エンターテインメント)』でもご一緒したAiBAさんに手がけてもらい、バラと一緒に照らされている花器などは、日本人では希少なヴェネチアガラスのアーティスト、Hiroko Uekiさんによる作品です」(seto)

DAY 03:Installation

Navigator:ARIGATO-CHAN
その名の通りARIGATOをカタチにする会社。代表の坂野雅が博報堂を経て設立。国内屈指のカルシウム含有量の水「NUNOBIKI NO MIZU」の商品化や“街そうじ”を軸に全国規模で活動する「green bird 神戸チーム」のリーダーを務めるなど、地元神戸を拠点に様々なプロジェクトに携わっている。

「“ありがとう”を切り口に、ハートフルな企画で地域活性化に繋がるプロジェクトのディレクションなどをおこなうARIGATO-CHAN。ちょうど彼の会社が設立して10年経つというタイミングだったので、丸っと1日任せて好きなようにやってもらいました。そしたら、彼が10年間、会社を運営していく中で気づいたことを逐一書き留めていた「気づきノート」を初お披露目してくれたという(笑)。気の合う仲間を呼んでトークセッションをしたりと、最終日のカンファレンスを前に箸休め的なインスタレーションになりましたね」(seto)

DAY 04:Little Conference

「最終日は、参加してくれたナビゲーター、オーディエンス、それから自分が会話できる空間をつくりたかった。フォーマットとしては、8組のナビゲーターが順にスライドを使って、何を、どんな視点で、どのように作っているのを紹介していく進行でしたが、実際にはいい意味で“ゆるい空間”になりました。お酒もフードもあるし、トーク中も静かに聞いている人もいれば、談笑している人もいる。ナビゲーターとオーディエンスの垣根もない。だけど、ただゆるいわけではなくて、そこにある作品や熱意みたいなものは、かなり研ぎ澄まされている。その場では、僕も3Dサウンドインスタレーションをやらせてもらったし、AiBAのライティング、Amazing JIROによるライブペイントなど、視覚、聴覚で楽しめるイベントも盛り込みました。ただのトークセッションじゃない、カンファレンスという言葉から想像されるものとはちょっと違った空気感が作れたと思います」(seto)




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