たのいけのあと

お久しぶりです。丁度公演が終わり一か月とちょっとが経ちました。

この度は感染報告もなく無事に公演を終えたこと、本当によかったと思っております。

普段の企画とは少し動きも形も変わって、作品自体に触れるような事をあまりできていなかったと思いますので

何回かパートを分けて書いていこうかなと思っております。

まぁ俗に言うあとがきみたいなものです。

「矢島編」①

「たのしそうなお池」では2つの物語が舞台上で展開していきます。

ほぼ同時に展開するので気が付いたら色々過ぎていたりするかと思います。

でも、人生って一つの視点で進んでいるわけではないじゃないですか。Aさんがいるし、Bさんの視点もあるし、Cさんだっているし。

一つの視点が固定されるのはその人の世界だけでありますから、神様である傍観者からしたら様々な視点を見ているに違いありません。

ここはひとつ、誰か一人といわず、複数人の時間を見ていこうではありませんか。

そんな趣旨の元、あの時の板の上ではたくさんの視点が行き来していました。

まぁ、段々絞られていってしまうんですけどね。

一応主人公という位置づけをしている人物が二人おりまして、それぞれを「~編」として呼んでいます。

今日書くのは矢島 資生という登場人物のストーリーです。

彼は斑池町の人間ではないのですが、とある事から「おはよーさん」なる存在を追いかける事になり、次第に奇怪な出来事に巻き込まれていきます。

●「おはよーさん」

斑池町の噂の人物。という触れ込みでしたが普通に斑池町で生活している男性です。

ただひたすら決まった時間と場所を徘徊しており、出会うと「おはよー」とあいさつをしてくるのです。

挨拶は社会生活の基本と言われておりますが、こうも徘徊者から挨拶を繰り返されると少しの気味悪さを感じてくるかもしれません。

元ネタと言っては少し失礼かもしれませんが、坂口が小学生の時、近所で現れていた通称「ハラヘリさん」という存在がおりました。

彼は出会うと「はーらへーりへーりめーしくったか!」と大きな声を発してくるのです。

今でこそは不審者情報案件になりますが、当時はそんなことはなくて、なんなら近所の子どもたちは「あっ、ハラヘリや!」

と声をかけたりしていました。

ハラヘリさんに関しては変な人でもなんでもない(かどうかは本当の所はわかりませんが)普通のおっちゃんでした。

世間話が出来るくらいには本当に近所のちょっと元気なおじさんでした。

中学、高校となるにつれてハラヘリさんは姿をみなくなりましたし(目撃したという話はありましたが)それ以上のなにものでもありません。

何処の地域にもこうした癖のある人物っていらっしゃると思います。

注目してしまう、というか存在を意識してしまうくらいの癖を持った人というのはすごいなぁと思うのです。

語弊のないように言うと、その人自体に良し悪しのスゴイがあるというよりは、その方を認識している他の人たちの、その人を見ている印象がほぼブレないんですよね。

変な人だなー、って思っている。いつまでたってもその人のイメージは変な人だったなーって、変わらないんですよね。

つまり、Aさんが「おはよーさん」を意識する。このAさんの頭の中の「おはよーさん」はいつまでも変わらないですよね」

至極当たり前なんですけどね。興味を持たなかったり、他に意識することがあって「おはよーさん」に対しての情報が変わらないから

Aさん、ないし私たちの中の「おはよーさん」は変わらず生き続けているわけなんです。

ちょっと悲しいと思うことがあって、今住んでる所で夜中に必ず決まったルートをジョギングする男性がいるんです。

自分のバイタルや体力、調子。位置情報などをすべて言語化して口に出して走ってるのです。無線で誰かに通信している、実況しているようにも見えました。

たまに自転車こいでる時に危ない目に合いそうになるのでちょっと危険人物感は否めないんですが。

とある日、仕事の帰り道にまたそのジョギングさんに出会いました。そしたら彼はこんな感じの事を言いながら走っていたんです。

「前方に歩行者、減速、私は頭がおかしいです。すいません。気にしないでください。歩行者に注意、注意……」

みたいな感じで言葉を発し、またそのまま通り過ぎていきました。

いつもと違ったのは私は~気にしないでください。という言葉でした。

実況の中に、何故この言葉を発していたのだろう。ここ最近何かに絡まれたのか、それともついに通報されてしまったのか

真相はわかりませんが、何故だか僕は悲しい気持ちになってしまいました。

●遠野さん

ピンク地底人5号さんが演じておりました、胡散臭い人物です。

もう一人、作中に登場する「黒田」という人物も同じく5号さんが演じております。

衣装が全く同じなのは「胡散臭い奴は大体どいつも胡散臭い奴だよ」だからです。

色んな人達から見たら胡散臭いやつはどれも大体おんなじように見えてくるアレです。

怪しげな宗教団体の幹部や教祖、YOUTUOEとかの広告で出てくるビジネスを宣伝する話し手、SNS界隈で活躍する自称フリーランスアカウント。

どれもおんなじような顔や見た目をしていませんか?

もしかしたら同一人物かも?と思ってしまうくらい同じような感じですよ。

あれのカラクリの一つとして、「上手くいっているように演出する」という手法をとっている人がいます。

成功者のモデルを演出することで、勧誘や営業の説得力を挙げるという手口です。

まぁ、日常でも「身なりを整える」っていう印象戦術はありますから、別に胡散臭いやつ限定にはならないんですが、にしてもこれほど当てはまる物かというくらい似たような顔と身なりをしています。

そういう認識で見ると大概の自称成功者のプロフィールを覗くとたのしいきもちになったりします。しますか?

もしかしたら同一人物が手広くやってる可能性もなきにしも非ずです。真相は神のみぞしる。

●ぷろれすごっこ

風俗店の比喩的パロディの感じです。内容は見てもらった通りです。

メニュー、何があるんでしょうね。

僕は痛いの嫌なので、常連の塚浦の気持ちが微塵もわかりません。

●お香

黒田が売りさばく怪しげなお香。

あれはチャイハ○で買いました。「オピウム」って香りらしいです。

嗅覚からも色々アプローチしたいなぁと思って、お香とか香りつきのタバコとかを使ったりしました。

意外とにおいってすぐに抜けるようで、いい塩梅に効果を出せた…気がします。嫌煙家の方、すいません。

主に幻覚や幻聴の症状が起きやすい精神安定薬のようなイメージでした。

矢島編の登場人物には三者三様の様々な「ピンクゾー」が現れました。

ちなみに「ピンクゾー」の衣装はガネーシャをイメージしてみました。

その筋の人から怒られそうな気がしました。すいませんでした。

●池の水を抜く企画

一時流行りましたよね、あの手の企画。

キナ臭い噂もあがったり、結局ふわふわしたまんまあんまり見なくなったと思う今日この頃。

詳しい人に色々聞いてみたいですね。

②へ続く…

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