おつけもの

なんかこう、そうなの?感がなんか抜けず。
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いやいやいやいや絶対同じ感動あったじゃんよ公式もやったったって言ってたではないすか。か?
もっと探してみ?って言ってるみたいだったじゃんそれで探した人絶対いたと思うのですが。
興味ないですか。そうですか。

でもよ「神様」→「家」とか、名前呼びの変化とか、早い段階で自然に受け入れられてるわけじゃないすか。多分。さすがに。
このアナロジーというか呼応の板野サーカスで全員脳汁ダバダバになる未来が見えた気がしたのです。そこは待ってなかった人もいただろうから、もう少し時間が必要なのかもしれないですが。
こっそりど真ん中にミット構えてた人、絶対いたはずなんだ私だけでなく。
どう検索したらいいんですかね。あの幻覚がどんな感触だったのかを知りたいのです。ですよねーって言いたいのです。
あすかがいっぱいいたんだよ。あすかしか認めない人、どうでしたか。

途中、思考を止めるしかなかった瞬間はたくさんあったから、同じように進めなくなった人もいたかもと思います。
ドラマに熱くなりすぎた人々のあれこれをみじん切りにして練り込んであるやつはさすがにキツかったし、公安パートは個人的にすごく良かったんだけどなんかさらっと反応が良すぎて、じゃあなんでの思考に沈みそうとか沸きそうとか改めて諸々。
これに感情ぶつけて焼く行為はあまりにもクソだ、いいものは評価したい。つれえのはつれえ。
受け容れられてること自体はそうあってくれろと願っていた訳であり喜ばしいことで、不審火対策を潜って焼きに来る人とのガチ攻防を見てるだけで、ビッグウェーブ起こす人がいても乗りません。そういうのとは別の話です。
ていうか……いや。


すごくよかったのです。
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9話で初夢が嫌気発酵ルートだったことが明かされ、全員爆発したことでRが始まった、ぬか漬けと人生ゲームで各エピソードが結び付けられます。
Rは天空の仲間たち栽培キットで世界は糠床だったしかき混ぜてぐちゃみそなっちったねとみんな笑い合い、並べて世はこともなし。
とんでもない量の幸せが、見る側の脳内でも大爆発起こす。
これがですね、〆を経た途端意味が通る構造がですね、春あああああああああああってなるのがたまらなくこう、話が解れるのを眺めながら自分の心のメタンも浄化されていってもうほんとあああああああああああどう表現したらいいんだろうとにかくよかったし、歪な凹凸にみしっと圧強めで寄り添ってくれてる感が今でもああああああああああああああああああああ

これ、書きようがないから書く人が見当たらないのんかなあ。
実際いちばん肝の部分がどうしても言葉にならない。
語りたいことはもっといっぱいあるのにまとまらない。
近所の見慣れた空き地にある日地鎮祭セットが張ってあったら気付くけど、ウェザリングまで完璧なビルが突然建ったら案外気付かない、そんな感じのやつかもしれません。
マーケティング度外視、本気の伏線ザ敷設&回収でございますよ。こんなきれいに決まったら、もうどうしたらいいか分からない。
視聴者全員、車コマに挿してもらって特等席でがっつり見てたんじゃないすか。この感情をどうにもできずに各自が自分だけの体験としていつまでもぐねぐねいじくり回すようになってるのかなあ。なあ!んなあああ!!!

でもカノンのようにモチーフの細部が変化しながら繰り返されるやつはまだ追いかけ易いのではないかと思うのですよ。

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誰がいても構わない世界、気にせず通り過ぎて、困ったときは助け合ってもいい世界、この意味や価値を感覚経由で伝える意思と力量がですね。

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たしかにこれは感想とか書きようがないか。
んーどうにか。