入学から1年経って@保護者様の声

 昨年度の保護者様に、入学から一年経った今の心境をお書きいただきました。


S君のお母様

息子は約一年前に受験を終えました。
紆余曲折あった受験期間でしたが、今振り返ると嬉しかったこと悔しかった事全てが良い経験になり、親子の絆も更に深まった貴重な時間になりました。

第一志望校は4年生後半ぐらいには決まっていました。
志望理由は家から近い事、好きなスポーツの部活が活発である事(活動場所が家から徒歩圏内である事)、そして、説明会に度々足を運び、校風が気に入った事でした。男子校であることも彼の中の大きな志望条件でした。他にも男子校を2校絞っており、説明会の様子でとても好感触の2校でした。彼の中では第一志望校に絶対!という気持ちはもちろん強かったので家族も同じ方向を向いておりましたが、両親はその三校はどこにご縁があっても彼に合いそうだと感じておりました。何が起こるかわからない、どこに至ってもご縁で繋がるところが一番のところだよ、と時々に話しておりました。

4年生初めからいわゆる猛進タイプの大手塾に通っておりました。6年夏前には第一希望には合格圏内でいたのですが、夏過ぎてからみるみるうちに成績が下がり・・縋る思いでいたところ知り会い伝てにBOXOUTのnoteを知り、ご相談したのが12月、普通だったら有り得ないだろう12月冬期講習からの転塾でした。
入塾してから、それまで後ろ向きになっていた彼の向き合い方が変わったのを感じました。結果、残念ながら第一志望校には届きませんでしたが、志望していた他の学校と御縁が繋がりました。

いざ入学してからは大好きな野球部に入部、気の合う仲間たちと出会い毎日楽しそうな日々を送っております。
勉強との両立も初めのうちは四苦八苦しておりましたが、一年の冬には自分の立てた目標順位までクリアし、将来興味を持つことが少しずつ見えてきて2年になっての新たな目標を立てているようです。
中高一貫校は自分のヴィジョンをゆっくりと見据えて大学受験に備えられるのもかなり大きいメリットかと思います。
先生方も親身になって寄り添って下さるので、勉強自体にスランプが起こりずらいであろう事も親としても安心できます。

受験期間は色んな事を我慢して、目標に向かい淡々と目の前の事に立ち向かっておりました。その期間、親のサポートが不可欠であったと思い出します。
今こうして充実した学校生活が送れているのも受験期間に親子共々支えて下さった先生方のお陰であり感謝の思いで一杯です。


 転塾していただいたのが6年生の冬期講習という時期でしたので、基本的には「私たちが指導した」という意識はありません。手記にもある通り、夏休み前までは合格圏にいたので実力があることはわかりましたし、とても真面目な性格だったので、成績が下がり続けた期間も真面目に勉強していたこともわかりました。「今は噛み合っていない」というだけだったので、それを整えた次第です。
 「整えた」といっても、やるべきことを自分で考えさせただけなので、何か具体的に指導したという意識もありません。それまで通っていた学習塾が、膨大な作業を課す型のところだったので、消化不良を起こしていることは目に見えてわかりました。ゆえに、指示を出さず「今の自分には何が必要か」ということを自分で考えさせただけでした。何かをしてあげたというよりも、何もしてあげなかったというのが正しい表現かもしれません。少し積極的なことを言うとすれば「やらなければ合格できない」というネガティブな思考を「合格するためにやる」というものに変えたというところでしょうか。
 特別な指導をしたわけではありません。少しだけ雨宿りするための軒先を貸した程度に過ぎないと考えています。本来、教育などはその程度で良いと思っています。
 特にS君に関しては、私たちが預かる時間が短かったので、無理に変えようとすることのリスクもありましたので、betterな選択として、本人の意志の力を信じて、それを発揮できるように邪魔をしないことを選んだ次第です。

 そんなS君のお母様に一年経った心境をお書きいただいたのは、S君のような中学受験もあるということを、多くの方に知ってほしいと考えたからです。
 大切なことは、どんな状況でも最後まで諦めないことです。負のスパイラルにはまって成績が下がり続けてしまうこともあると思いますが、努力してきた日々が失われるわけではありません。そういう心持であれば、必ず良縁に恵まれると考えています。

 どこの学習塾に通う、通わないという話とは関係なく、全ての受験生が最後まで諦めずに、次のステージと良縁が結ばれることを願っています。そのために、今回はS君のお母様に記事をお書きいただきました。ありがとうございます。

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