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SixTONES 6つの『音色』に寄せて

 尊い。
 尊すぎて無理。

 引くほど語彙力ゼロな書き出し。
 推しの「尊さ」「ヤバさ」の前ではどんな言葉も無力だ。色々と思案した文章よりも、むしろこっち方が雄弁なのではないかとすら思える。

 尊すぎる。
 好き。涙が出る。尊敬している。誇り。自慢。人生の先輩。こうなりたい。なれない。



 言葉に表しきれるものじゃないと分かっていても、SixTONESが発する言葉、歌、パフォーマンスに対して抱いた感情を、言葉にせずにはいられない衝動に駆られる。

 尊敬の対象であり、羨ましくもあり、そう生きたかった自分の破片が落ちてい(るように見え)たりして、彼らを「推す」ことで「そうありたかった自分」が救われる気になったり、奮い立たせているのかもしれない。

 あるいは、ただただその時に見つけたキラキラした宝物をスリーブケースに入れてしまっておくような感覚かもしれない。
「保存」はオタクの真骨頂だ。

 何が尊いのか。何がかっこいいのか。
 なぜ尊いと思ったのか。

 結局、「推し活」は主観で、主語は「私」だ。
 推しを通して自分の理想や価値観を見ている。自分が大事にしたいものがそこに沢山詰まっている。
 つまり何かというと、私はこれからすごく恥ずかしい自分語りをすることになると思う。



 どことなく、2023年にリリースされた音楽は、「俺たちはこういうのがやりたかったんだ」というような、アッパーチューン・EDM・ロック系統多めのラインナップだったように感じる。
(決してそれまでにリリースされた作品に不満を感じている訳ではないことは理解願いたい。)

 正直、私はSixTONESのパフォーマンスのルーツのひとつは、なんだかんだ言っていわゆる”攻め”の部分にあると思っているので、好物のオラオラが世に放たれて非常に満たされた。

 中でも『こっから』の等身大で泥臭くて赤裸々で、熱意・疾走感溢れる応援歌のヒットは、2024年のアルバム『アンセム』にも引き継がれている系譜じゃないかと思う。


 今回のシングルは、そういった系統とは一味違う。
 ペンライトを高い打点で振る「クラブ曲」でも、アクセルを踏み込むようなマイクリレーでもない。

 景色のいい場所で、車を路肩に止めて、今まで来た道を振り返り、これからを考えてただただ談笑している。
 6人が6人のことを歌う。6人が幸せそうにしている。笑いあっている。

 私たちファンは結局のところ、「6人であること」にこだわるシンプルで強い意思、各々の個性・才能・努力に裏打ちされた活躍、お互いへのリスペクトや愛情、10代から続く系譜に魅了されているのだと思う。

 もちろん、熱い煽りもファンサも嬉しい。
 けれど、それを上回る栄養は、6人が円になって内側を向いて、ただシンプルに楽しそうにしていることなのだ。

 『音色』は6人が内側を向いて歌っている。
 私たちは、その周りを360°取り囲んで、穏やかな曲調の後ろに見える努力の軌跡と強固な絆の格好良さに酔い、勝手にボロボロ泣いて、勝手に元気を貰っている。


 そんな新曲が、SixTONES 結成10年目の5月1日に、ドラマのタイアップ曲としてリリースされる。

 こんなに胸アツなタイミングがあるだろうか。
 この手の偶然が決して今回に限った話ではないのだから、ちょっと怖い。

 来るべくして訪れた福音。
 神様も目の付け所が良い。
 (推しの活躍くらいは全て都合よく捉えても許されるでしょう。)




 せっかく曲のテンション上がるポイントを書こうと思ったのに、松村さんのフリートーク並みに前置きが長くなってしまった。
 えぇ、あくまでここまでは前置きなのです。
 怖い思いをさせていたら申し訳ない。

 とはいえこの後は、Twitter 改め Xへの壁打ちの代わりでしかないので、そっとページを閉じていただいて全く問題ない。

  ※ あ、最後はちょっと頑張ってまとめを書いたかも。

あぁ このまま
僕ら一緒に 歩いて行こう

 そう、いつも歌いだしはジェシーくん。
 彼から始まる安心感と高揚は、もはや共通言語だと思う。
 大黒柱でありながら(ファンには全然見せない)心配性な一面を持つことに、どうしても彼の背負うものを思いやってしまうけれど、やはり「彼しかいない」と思わせる大きさはまさしく太陽です。

やけになんだか今日はさ
夕焼けに伸びた僕らの影が
重なっていつもより
大きなひとつのものに見えるな
伸ばしたこの手は少しはあの星に近付いたかな
まぁ何年かかっても 君となら退屈なんてしないけど

 ボロボロの机を各々の持ち方で運んでいた、バカレアの横一列の画が奥に見えるような「夕焼けに伸びた影」。「大きなひとつ」という言葉ほど、今の6人を適格に表現した言葉があるだろうか。

 北斗くんの「少しはあの星に近付いたかな」、ゆごほくの「何年かかっても 君となら退屈なんてしないけど」でびしょびしょに泣いている。

 北斗くんのひたむきで謙虚な努力、アイドルという職業への誠実さを、心から尊敬しています。
 そして、寄り添うこーちくんの温かさ、兄弟のようになってしまう二人の「一生一緒」の空気は、「ゆごほく」という言葉でしか形容できないかけがえの無さがある。

”隣にいて欲しい”
ただただ心が笑って喋ってる
激しい雨に打たれても
支え合い乗り越えてきたから

 意外と「隣にいて欲しい」が樹ちゃんパートであること、私たちはよく分かっています。
 作り上げたカッコいいパブリックイメージとは裏腹、SixTONESへの愛情は人一倍深くて可愛らしい。

 しんちゃんはナチュラルさ、真っすぐさが伝わってくる歌詞。
 好きなように生きていると見せかけて心遣いのプロであり、為すべきことを為す「大人」な最年少。

 「激しい雨に打たれても」からは、どことなく、Imitation Rainが彷彿とされるな、と思う。個人的には TrackONE -IMPACT- の雨のようなImitation Rainの拍手を思い出したりもする。

出会えただけで特別な毎日
あぁこんなに 世界が今 光ってる
たまたまじゃなくここに着いた
変わらなくずっと歩いて来たんだ
ほら君とだったらどこへだって行けそう

あぁこれから 見たことない色で
まだ知らない 音色ができてく
君といれば素直な音がすんだ
そんな自分が そう 嬉しいんだ

 SixTONESのデビュー後の歩みは、着実さを感じる気がする。
 踏むべきステップを踏んでいる、とでも言おうか。
 もちろん、ファンに提供されるものの中にはサプライズもあるし、奇跡のようなことも沢山起きるけれど、何かによって裏打ちされている痕跡のようなものが見える。

 それが「たまたまじゃなくここに着いた」「変わらなくずっと歩いて来た」と歌われていることに、すごく信頼感と格好良さを感じる。
 そして、あくまでそのベースとなっているのは「出会えただけで特別」な6人との毎日なのだ。

 「君といれば素直な音がすんだ」と歌う京本さん。
 一時期はソロで活動することを考えた人が、高らかに歌い上げる。
 孤高な印象を与える彼がSixTONESという場所を選んだことが本当に嬉しい。
 加えて、決してSixTONESを安住の地とするのではなく、高みを目指して進み続ける強さがとても美しい。

大の大人がなんだか
夢だの未来だの語るけどさ
愛や恋 超えて時代や老いも 君と見たい いや、見るんだって
あえて言わないけど なぁ本気で思ってる
それじゃ何年かかっても しわとしわ合わせ 幸せつくろうぜ

まっさらな明日へ 何を描こう
今さらなんてない こっから始まんだ僕ら

 『オンガク』『人人人』『こっから』がちりばめられた粋な計らい。
 和歌であれば「本歌取り」と言ったところか。

 「変わらなくずっと歩いて来たんだ」というサビへの説得力も増すし、過去曲の歌詞から当時の感動を思い起こすことができる。

赤 青 黄色 原色だって
ピンク 緑色 真っ黒だっていい
いま 僕らだけの 音色になる

 メンバーカラーに応じた3人ずつのパートから、6人の「音色になる」のユニゾンで、たまらなくなる。YouTube公開されていなかった分、度肝を抜かれた。
 すごく丁寧に組み立てた小さな立体模型のような、とても美しい個性の調和。

 ここの部分は聞いてもらうしかない。
 SixTONESの「SixTONES」たるものがここにある。

一人で生きられない
わけでもないのに この道選んでる
目に見えない絆や 運命だとか
信じざるを得ない今がある

 私にとってもはや欠かせない栄養となっているSixTONESという「グループ」は、あくまでアイドル本人たちの意思、選択の上に成り立っている。

 だって、彼らにとっては仕事だ。
 私はアイドルも音楽も好きだけど、その世界を仕事にしようとは思えない。色々と現実や条件を考えてしまう。
 どんなに好きであっても、娯楽としての大切さと、仕事にするための覚悟はまた別物だ。

 そう、大抵は少しでも"希みが多そうな選択肢"を選んで、"好きなもの"は少し脇にずらしたりもするのに、彼らは「6人でいる」ことをド真ん中に置いている。
 覚悟を決めて貫いている彼らがあまりにも眩しい、私の無い物ねだりだ。

 はじまりは「個」である、どこかひんやりしたジェシーくんのソロパートと、それを包みこむ6人の人肌の暖かさを感じる歌詞が、すごく赤裸々な感じがして、とても好きだなと思う。

出会えただけで 特別な毎日
あぁこうして 僕らは今 歌ってる

 言語化NGパートその2。
 耳を澄ませて彼らの歌を聞く、ただそれだけ。

 彼らの選択と覚悟、その上に築いてきたものを、伴奏のないアカペラで聴かせる。
 穏やかな曲であっても、しっかり聴き手を引き摺り込む引力と説得力を持つところが、どこまでもSixTONESだ。



 HiHi Jets 猪狩くんの2024/4/29のブログに、アイドルの視点で見たときの「グループの永続性」について書かれていて、涙が出そうになった。

 絶対壊れない保障が無いとき、普通の人間は保険をかけることを考える。
 その中で、SixTONESというグループに「全ベット」している6人の強さ。
 とにかく6人でいることを前提とした、稀有で強固な結束。

 (ほかにも色々。あまりにも素晴らしくて悔しいくらいのSixTONES評だった。)

 「推しは推せるときに推せ」というおまじないのような言葉をチラホラと見かける。

 ここ最近、「アイドルグループに永遠は無い」という、ある意味当たり前とも言える事実に、想定外のタイミングで直面することが多かった。
 いざ目の当たりにすると、気落ちしたり、道しるべを見失ったり、憤慨したり、どうすることもできないと頭では分かっていながらも、気持ちの整理はつかないものだ。

 SixTONESだっていつまでグループ活動を続けてくれるのかは分からない。
(メンバーと同年代の身としては、仕事のモチベーションのためにどうにか定年までは…などと思っているが。)


 いつかはきっと終わりが来る。

 ただ今この時は、まるでそんなこと微塵も気にしていないかのように、不毛な心配を突っぱねるくらいの強くて優しい絆をこれでもかと見せつけて、まだこれから「知らない音色ができていく」「このまま一緒に歩いて行く」と歌ってくれることがどうしようもなく嬉しく有難い。

たまたまじゃなくここに着いた
変わらなくずっと歩いて来たんだ
ほら君とだったら どこへだって行けそう

あぁこれから 見たことない色で
まだ知らない 音色ができてく
君といれば素直な音がすんだ
このまま一緒に歩いて行こう


 6つの音色、SixTONES。
 どのメンバーの声も特徴的で、必要で、6人組み合わさった時の調和の威力たるや。
 あまりの力強さに、危うく永遠に続くかのような夢を見てしまったりもする。

 私にとっては既に失い難い宝石だけれども、デビュー10年目の今日は、未来のいつかから見たらまだまだ原石なのかもしれないし、少なくとも彼ら自身としてはまさに「こっから」なのだろうと思う。

 今後も勝手にびちょびちょ泣いたり、数多のペンライトの中の1部になったりしながら、更なる活躍の道にズルズル引きずられていきたいところである。


Ayy!!!!!!


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