不妊治療のハナシ④

双子と聞いて、某国民的有名野球漫画の主題歌が脳内再生された私。

いや、私と夫の子どもに甲子園に行けるようなそんな運動神経があるのか?とかそう言うのはまあ、置いておくとして。

とにかく、私の頭の中はパニックになった。

あとはこのまま2つ、うまく成長していってくれれば良いけれど、もしかしたら、消えちゃうこともあるから、まだ分からないからね。と先生は言った。

バニシングツインだ、と私は思った。

大昔、大学の授業の一環でそれを題材にした小説を書いたことがあったから知っていた。
バニシングツインで亡くなった胎児はもう一方に吸収されるということも知っていた。

まさか我が身に起きるかもしれないとは、思わなかった。

帰り道、車の中でエコー写真を眺めた。
白い丸い形が2つ並んでいる。
これが胎嚢。胎嚢が2つ。
すごいことが起こっている、と私は思った。
同時に嬉しくて仕方なかったが、不安もある。
バニシングツイン、がひっかかる。
次回の健診で心拍が確認できれば、とりあえず安定ということになる。消えちゃうかな。バニシングツインはおおよそ15%の確率で起こりうる。


私の2回目の不妊治療は、子宮造影検査を受ける前に終了となった。
ある意味、2万円近くかかる検査を受けずして妊娠できたことは奇跡だったのかもしれない。
親孝行の双子だなあと呑気に思っていた。

しかし、この時、双子妊娠の大変さを私は知る由もなかった。








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