723を待ちながら

それはカンカン照りの日だった

723を待ちながら3人の男達が関西サンマを打っていた


<関西サンマ簡易ルール>
・完先
・5は全赤、抜きドラは北
・小車輪またはしょうしゃ(門前混一色七対子)は6ハン
・大車両(門前清一色清一色)は役満
・4枚使いの七対子あり
・35000持ちの40000返し
・1本場は1000点
・沈みウマ、トビ賞が10000点


東1局、開局とともに親のタコが3巡目に4pを切って「リーチ」と元気に言った

南家のイカは手の中にあった対子の1pを切ると、タコから低い声で「ロン!」と声がかかった

133445588p西西中中

タコが「リーチ一発しょうしゃドラドラ、裏はサービスでトッパン!」

イカ「なんやまだ3巡目やぞ!」

タコ「何言うてんねん、もう3巡目や!」

ハマチ「バカヅキやな!」

イカ「ツキいらん。こいつはバカじゃ!」


そんなことを言いながら1本場になった。

タコ  59000
イカ  11000
ハマチ  35000

1巡目にハマチが切った東をタコがポン!

手から7pを切り、2巡後にイカの切った9pをポンして5s切り

ほどなくして7sを卓のヘリにつけた

99m12356s  抜き北北北 ポン東東東・999p

W東ドラ4のハネ満で9000は10000オール

タコ  79000
イカ  1000
ハマチ  25000

イカは残り1000点になった

次局は2本場、一人ノーテンやツモられても終わる

絶体絶命のピンチが訪れた

タコ「723はまだなんか!あいつ来るまでになんぼ勝つかわからんわ!」

ハマチ「723って誰なん?」

タコ「俺の大切な人や!」

ハマチ「そうなんや。麻雀打てるんか?」

タコ「バリバリや↑」

ハマチ「そら楽しみやなぁ」


そして2本場を迎えた

土俵際まで追い詰められたイカはもう真っ直ぐに端牌を切り飛ばし、最速のテンパイを目指した

誰も鳴かず静かに中盤を迎え、イカはこんな手になっていた

122345556799中

5.9sのポンテンを視野に入れていると指先に引っかかるものがあった

3sだ!

5.8.9s待ちのテンパイ!!

点棒のないイカは、失地回復を期して「リーチ!」と言って中を切った

ハマチがポンと言って、場に3枚切れの1mを切った

前巡までに脂っこいところを切っているハマチはテンパイだろう

79000持ちのイカはもう傍観を決め込んだ

ポンした次の巡目、ハマチは5sをツモった

22555p34888s  抜き北 ポン中中中

中ドラ5でハネ満

イカは渾身のリーチの高め5sを食い取られて飛んだ

こいつは冷えてる

感覚的にヤバいことはわかっている

ハマチは4000.8000は2本場で6000と10000

リーチ棒を含めると17000の収入だ

42000のトバシを取った

まずまずの出来だ

タコは、マルAトップがBトップになり、トバシも取られた

ちょっと気合い入れなあかんなぁと心の中で思いながら

タコ「723は鹿児島の子やから、大阪わからんで迷ってんかなぁ」

ハマチ「連絡ないん」

イカ「723のせいで地獄じゃ」


そんなことを言いながら、冷房の効いた雀荘で関西サンマを打つ男たちだった

723は来るのか?

いや、723は実在するのか?

都市伝説かもしれない

男達はダジャレを交えながら淡々と関西サンマを打つのだった

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