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読書note-4

「あおい」198頁
西加奈子
小学館文庫

西加奈子作品は10月に読んだ「窓の魚」が初めて。大阪生まれだし最近の流行作家さんだしと思って読んだけどどうも合わない。ただ1作だけで判断するのはお互いにとって良くないはず。作家さんからしたらもっと読んで!って思っているかもしれないし、僕も自分の感性に出会える作品もあるかもしれない。そんなことを思いながら手にしたのがデビュー作の「あおい」を含むこの文庫本。

この文庫本には「あおい」「サムのこと」「空心町深夜2時」の3編が収録されていました。

段々とわかってきたのは、西作品の登場人物たちの言動は論理的・理性的ではなく、刹那主義で感情的でええ加減。それが人間らしくて良いのかもしれない。

2作目の「サムのこと」は桃谷駅近くのメモリアルパークでサムの葬儀に集まる話。桃谷は、僕が使っていた最寄駅。気持ちが近づきました。焼香の後、サムのお兄さんが登場人物たちのテーブルに来てビールを注ぎ話をするシーンで、サムのニックネームの話しになります。兄の治(オサム)がサムになったというニックネームのエピソードがあるんですが、なぜ亡くなった剛が兄のニックネームを使っていたのかはわからないところが味があって良いもんでした。

最後の「空心町深夜2時」のラーメン屋さんてにんにくラーメン🍜やん!と場所が目に浮かびました。これまたグッと近づきました。

西加奈子作品はまだまだ合わないなぁと思っている部分はありますが、少し距離が縮まったように感じます。

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