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飲み放題

 劇場に入って演劇だけをする3日間となった。楽しいかというと、緊張するのでそんなに楽しくない。UBERをやっているときの方が楽しい。なんで演劇をやっているんだという話になるが、ほんと何でなんだろう。自己承認欲求なんだろう。もうおじさんなんだから、そんなのは捨ててしまえばいいのに。

 あと1回本番をやりすごせば、平常運転の日々に戻ることができる。声は枯れているがあと1回なら乗り切れる。千秋楽終了から打ち上げの間に2時間ほど時間が空くようで、その間、UBERをするか一人反省会をするか悩ましい。

 昨日も似たような時間があって、昨日は一人反省会を選択した。自軍マチネ終了後の2時間半の時間だ。この日俺は、ZANEN座チームのソワレを観劇するためマチネ後も下北沢に留まる必要があった。もしくはUBERで時間を潰すか。最初、UBERの気持ちで駐輪所に向かった。しかし暑い。UBERでは汗だくになるだろう。汗だくで劇場の狭い席はいやだな。俺は居酒屋の暖簾をくぐった。

 劇場入りしてから気になっていたのは90分2000円飲み放題のピザ屋だった。90分では時間を埋めきれない。まずは居酒屋に入ってからピザ屋に梯子する算段だ。看板メニューの茄子の揚げびたしがなるほどおいしかった。ツイッターにも画像を上げた。

 そのツイッターに反応して飲んでるんだったら合流しようとLINEがきた。共演の女優さんからだ。ピザ屋で合流した。のんべえの女優さんで頼もしい。お互い10杯づつ飲みたいところだ。案外話が途切れず、4杯飲んだところでタイムアップとなった。2軒目だしね。彼女は少女のころから人前に出るのが好きで、バレエ、バンドのボーカル、役者と道を歩いてきた。人前に立ってどうしようというのはなく、ただたのしいということだった。うらやましい。その心の持ちようの秘密を聞きそびれた。もったいないことをした。

 でも今日、打ち上げがあるので、その時に聞いてみよう。 

この文章で上がった収益は、全てボス村松の演劇活動と植毛に充てられます。砂漠に水を。セイブ ザ ボース。