見出し画像

昔に戻れない変化

 自転車を買った。パナソニックさんの出しているギュット・アニーズ。
 私たち夫婦にはまだこどもがいないし、妻も妊娠していないので、後ろの座席は先行投資も良いところだ。けれど、こういう目に見える小さな変化が、なんとなく夫婦から親子に切り替わる上で、親に必要な心の変化なんだと思う。

購入するまで

 私たち夫婦は結婚する前から一緒に住んでいて、もうすぐ4年が経つ。私も妻も就職してからずっと首都圏に住んでおり、通勤するにも普段生活するにも電車に乗るのが当たり前の日常。駅からそれほど遠くない場所に住んでいるので不便もしていない。
 週末に夫婦で出かける時に、自転車を買おうかどうかと妻と話すことがあった。ヨドバシカメラに行くとふらっと自転車コーナーに足が向いて、買いもしないのに試乗用の自転車にまたがった。そして買いもしないのに「身長が190センチあるおれにはちょっと小さいな!」と意味のないコメントを残してその場を去った。嫌な客だ。
 結局自転車は買わないまま時が過ぎ、昨年末に引っ越しをした。距離にしてみれば旧居からほんの数キロしか離れていない場所だが、近所にスーパーがあり、駅まで出れば飲食店があり、まわりには学校や保育園があるエリア。まだそういう未来が来るとは決まってないのだが、明確に意図した引っ越しだった。
 実際に暮らしてみると改めて気づくのだが、ちょっとした買い物をするにも、ちいさいこどもを連れたご両親たちは本当に大変そうだ。第三者の私から見るとこどもは只々かわいいのだが、親からしてみれば気が気でないだろうな。だから出かけるための移動手段として自転車を選択しているひとも少なくない。最近だと市街地で走っている自転車のほとんどが、ギュットに代表されるような電動自転車な気さえする。
 さいわい新居には雨風をしのげる自転車置場があったことと、歩いていける距離に自転車屋があったことも後押しとなり、購入を決めた。

乗った感想

 購入したギュット・アニーズは、電動自転車のなかでも車輪がかなり大きい。26インチある。それでも身長190センチの私がまたがると、やや窮屈感を覚える。電動自転車はそもそも小型の車輪をつけるタイプが多く、そういったタイプの自転車は何度も試乗をした結果運転できないことがわかっていたので、それに比べれば及第点である。(もっといえば規格外な体型をしている自分が悪いので・・・)
 電動アシスト機能は、強めアシストから弱めアシストまで3段階。強めは上り坂でもなければ使わない気がする。ひとりで乗るなら弱めアシストでも十分だ。これは妻も同じ感覚のようなので、男女差体格差は特に関係がないようだ。
 そしてひとこぎで思った以上に進んでくれる。電気がアシストしてくれていので当たり前なのだが。これは良い半面事故のリスクもあがっていそうなので、自転車はブレーキが大切なのだと改めて思い知らされる。
 後部座席は今の所完全に荷物置きだ。このタイプの座席は生後1年くらいしないと危ないみたいだ。購入前にお店の方から注意をもらったが、言われてみるとたしかにそんなもんだろうなぁ。シートベルトがゆるいと言うよりは、座席が乳幼児に対して大きすぎるように見える。その時期は仕方がないのでベビーカーか、もしくは自動車を買おうか・・・。
 私にとって自転車の購入は、大学生以来のことなのでまさに10年以上ぶりだ。しかもその頃は安いママチャリだった。比較するのも変な話だが、まるで別物だ。写真のタイプのギュット・アニーズは14万くらいで店頭購入したので、ママチャリ3,4台ぶんの価値が詰まっている。電動アシストもじゅうぶんに価値を与えてくれているが、なによりも、まちなかでよく見かけるあの後部座席つき電動自転車に自分がまたがっているというこの感覚がたまらなくむず痒い。この感覚も自分にとってはありがたい価値だった。
 むず痒いと言っているうちはまだまだだと思うので、ちゃんと乗りこなして、いずれ来る(来てほしい)我が子のために、父親の心持ちになっておきたいと思うのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?