2023〈GⅠ〉有馬記念【全頭診断】

こんにちは。ボルダー馬右衛門です。

2023年のボルダー馬右衛門の重賞の本命的中実績です。

2023「中山金杯」◎ラーグルフ(1人気)1着
2023「京都金杯」◎エアロロノア(3人気)2着
2023「愛知杯」◎アイコンテーラー(7人気)2着
2023「京成杯」◎セブンマジシャン(2人気)3着
2023「AJCC」◎ユーバーレーベン(3人気)3着
2023「フェブラリーS」◎レッドルゼル(3人気)2着
2023「中山記念」◎ラーグルフ(8人気)2着
2023「チューリップ賞」◎モズメイメイ(7人気)1着
2023「金鯱賞」◎フェーングロッテン(3人気)2着
2023「フィリーズS」◎ムーンプローブ(7人気)2着
2023「高松宮記念」◎トゥラヴェスーラ(13人気)3着
2023「阪神牝馬S」◎サウンドビバーチェ(6人気)1着
2023「アーリントンC」◎セッション(4人気)2着
2023「フローラS」◎ゴールデンハインド(7人気)1着
2023「新潟大賞典」◎セイウンハーデス(2人気)2着
2023「京王杯SC」◎ダディーズビビッド(6人気)3着
2023「エプソムC」◎ルージュエヴァイユ(7人気)2着
2023「函館2歳S」◎ナナオ(6人気)2着
2023「関屋記念」◎ラインベック(6人気)3着
2023「新潟2歳S」◎クリーンエア(4人気)3着
2023「紫苑S」◎モリアーナ(4人気)1着
2023「京成杯AH」◎ウイングレイテスト(5人気)2着
2023「オールカマー」◎ゼッフィ―ロ(7人気)3着
2023「京都大賞典」◎プラダリア(5人気)1着
2023「菊花賞」◎ドゥレッツァ(4人気)1着
2023「武蔵野S」◎タガノビューティー(6人気)2着
2023「中日新聞杯」◎ピンハイ(4人気)3着

 ご覧の通り、私は基本的に、期待値重視で馬券に絡んできそうなファクターを持った穴馬から馬券を購入します。そんな穴馬で狙えそうな馬&本当に強い馬を皆様に推奨できればという思いで当記事を書いていますので、ぜひ自身の予想の参考にしてみて下さい。

※当記事は馬券の的中を保証するものでは一切ありませんので、馬券の購入は自己責任でよろしくお願いいたします。
※レース当日にはにて最終予想である印&買い目も公開しますので、ぜひそちらもご覧ください。

それではさっそく「有馬記念」【全頭診断】を行っていきます。

【全頭診断】
S/A/B/Cの4段階評価であり、最高評価はS評価

1枠①ソールオリエンス(5人気想定)[8.0倍(執筆時点)]B評価
・前走「菊花賞」:3着
 控えて後方を追走しており、2週目の坂の下りで押し上げていった。外を回すロスがあり、どスローからの瞬発力勝負の展開の中で勝ち馬とは位置取りの差もあった。それでも直線では上がり3位の末脚で伸びを見せての3着だったため評価を下げる内容ではない。
・前々走「セントライト記念」:2着
 中団のやや後ろを追走。位置取りの差&最も外を回すロスがあったものの、直線ではしっかり伸びを見せており、好位からスムーズな競馬ができた勝ち馬レーベンスティールと0.3秒差の2着は善戦できた内容。
〈短評〉
 堅実な脚を使うことができ、これまでの全成績は[3-2-1-0]と未だ馬券を外したことのない安定した成績を残せている点を評価したい。古馬の牡馬の斤量が58㎏なのに対して、斤量56㎏という点も魅力的である。さらに距離は違えど、トリッキーな中山コースでのレース経験がある点もプラスである。しかし、位置取りにやや課題があり、後方一気の競馬となってしまう点は、直線の短い中山コースにおいて割引である。さらに今年の「皐月賞」を1枠1番から制しているとは言え、この馬の脚質的に1枠1番はやはり不安が残る。実際に、過去10年の「有馬記念」の1枠成績を見ても、[1-1-1-17](勝率5.0%/連対率10.0%/複勝率15.0%)と1枠成績は思わしくないため、割引である。

1枠②シャフリヤール(9人気想定)[27.5倍(執筆時点)]B評価
・前走「BCターフ」:3着
 中団の内目を追走し勝負所で進出。前有利の馬場と展開が向いたとは言え、直線でやや窮屈な競馬となってしまった。さらに前を走って内をロスなく回り、内前有利の馬場と展開を味方につけて完璧な競馬をしていた勝ち馬オーギュストロダンとさほど差のない3着は評価できる。
・前々走「札幌記念」:11着
 中団を追走していたが、徐々に後続に捲られて後ろから。折り合いがあっていなかった&外からの捲り差しが決まりやすい馬場と展開の中で内目を走らされて厳しいレースとなってしまった。さらに時計の掛かるタフな馬場もこの馬には不向きだったため、最終的に騎手が無理に追わない選択をしており、見直しができる内容だった。
〈短評〉
 海外でのレースも経験し、タフな馬場で結果を残しているため、スタミナ&パワーがあることは確かである。しかし、キレ味勝負が得意な瞬発力型のこの馬にとって、中山コースの急坂&短い直線はやや不安が残る。さらに、この馬の脚質的にも1枠2番はやや不安が残り、過去10年の「有馬記念」の1枠成績を見ても、[1-1-1-17](勝率5.0%/連対率10.0%/複勝率15.0%)と1枠成績は思わしくないため、割引である。さらに、このメンバーレベルの中では、やや決め手に欠けてしまう。

2枠③ホウオウエミーズ(14人気想定)[43.2倍(執筆時点)]C評価
・前走「福島記念」:1着
 前半は控えて後方を追走していたものの、後半は早めに仕掛けて先団に接近。外目の好位からスムーズな競馬ができ、外からの捲り差しが決まりやすいロングスパート戦の展開が向いての1着だったため素直に評価し難い。
・前々走「新潟牝馬S」:2着
 中団のやや後方を追走。外を回すロスがあり、さらに、スローからの瞬発力勝負の展開の中で1・3着馬とは位置取りの差もあったが、ロスの少ない立ち回りをしていた3着馬を、上がり3位の瞬発力で交わしての2着は評価できる。
〈短評〉
 堅実な脚を使って伸びてくるタイプだが、この馬にとって直線は長い方が良く、距離延長で初の2500mの非根幹間距離やトリッキーな中山コースへの適性という面も含め、今回のメンバーレベルの中では、やや決め手に欠けてしまう。

2枠④タイトルホルダー(7人気想定)[11.8倍(執筆時点)]A評価
・前走「ジャパンC」:5着
 逃げたパンサラッサには離されながらも2番手追走。逃げたパンサラッサは淀みないハイペースだったものの、この馬は実質ミドル~スローペースでの逃げだったことを考慮すれば、直線で後続に交わされての5着は素直に評価し難い。しかし、瞬発力勝負の展開は不向きな馬のため見直しができる内容でもあった。やはり持久力勝負に持ち込むのがベストな印象。
・前々走「オールカマー」:2着
 ハナをきって先頭。内前有利の馬場と展開が向いたにも関わらず、直線で勝ち馬ローシャムパークに交わされての2着は素直に評価し難い。しかし、踏ん張りは見て取れたため、休み明けを考慮すると及第点の内容。
〈短評〉
 今回のメンバーの中でハナを取りにいくとすれば、アイアンバローズかこの馬だろう。しかし、前走のように緩やかなペースで楽逃げしてしまうと、今回も上がりの速いメンバーが揃っており、厳しい展開を強いられてしまうため、持久力勝負で粘り込みを図りたいところだ。さらに、中山・内回りコースの大前提として内前有利の傾向になりやすいため、この馬にとってロスの少ない立ち回りができる内枠は絶好枠だと言えるだろう。今回の「有馬記念」をもって引退となってしまうため、一競馬ファンとしても期待したいところだ。強靭なスタミナを持ち合わせたこの馬をこの人気で買えるのなら、馬券的妙味も加味して評価したい。

3枠⑤ドウデュース(6人気想定)[9.5倍(執筆時点)]S評価
・前走「ジャパンカップ」:4着
 リバティアイランド&イクイノックスの直後を追走。脚を溜めて外目の好位から競馬ができ、逃げたパンサラッサは淀みないハイペースだったものの、後続はミドル~スローペースの瞬発力勝負ということを考慮すれば展開は向いた。しかし、上がり2位の瞬発力を見せ、直線では1~3着馬より外に出すロスがあっての4着という点を考慮すれば評価を下げる内容ではない。
・前々走「天皇賞(秋)」:7着
 中団でイクイノックスを追走。直線で追い出してからも反応がいまいちで力負けだったため素直に評価し難い。しかし、休み明けでこの超高速馬場に対応するのはさすがに厳しかったこともあり見直しができる内容でもあった。
〈短評〉
 
前走「ジャパンC」は、一気に復活の兆しを見せた内容だったと言えるだろう。さらに今回は、言わずもがなの最強コンビである武豊騎手に再度乗り替りとなる点もプラスである。距離は違えど、昨年の「皐月賞」でも、中山・内回りコースは経験済みであり、スタミナ&パワーが求められるコースも苦にしない点はプラスだ。好位を取れる位置取りのセンス&堅実な脚を使うことができる点も評価でき、展開も向きそうである。さらに過去10年の「有馬記念」の3枠成績を見ても[2-2-1-15](勝率10.0%/連対率20.0%/複勝率25.0%)であり、3枠5番の絶好枠を引けた点もプラスである。最強コンビ復活となり、巻き返しも十分期待できるのにも関わらず、この人気で買えるのなら、馬券的妙味も加味して評価を上げたい。

3枠⑥ディープボンド(13人気想定)[42.7倍(執筆時点)]B評価
・前走「ジャパンC」:10着
 中団の前目を追走。長くいい脚を使った持久力戦が得意なこの馬にとって、瞬発力勝負の展開は不向きであり、さらに直線で外に出されるロスがあったため評価を下げる内容ではない。
・前々走「京都大賞典」:3着
 中団を追走。4コーナーで膨らみ外を回すロスがあったものの、直線で外から一気に伸びてきた。内前有利の馬場と展開が向かなかった中で勝ち馬と0.1秒差の3着だったため最も強い競馬をしており負けて強しの内容。
〈短評〉
 豊富なスタミナがあり、器用な立ち回りをすることができる点は評価できる。さらに一昨年の「有馬記念」で2着と好走したように中山コースへの適性も問題ない。しかし、最近になってややズブさがでてきている点は否めず、もうひと伸びできるパワー&キレる脚が欲しいところ。さらにテン乗りにも不安が残り、今回のメンバーレベルを考慮しても、やや決め手に欠けてしまう。

4枠⑦アイアンバローズ(16人気想定)[66.5倍(執筆時点)]C評価
・前走「ステイヤーズS」:1着
 早めに先頭へ立ち後続を離して逃げ。決してきついペースではなく、自分のペースで逃げることができ、前が全く止まらない前有利の馬場と展開が向いて1着だったため素直に評価し難い。
・前々走「京都大賞典」:11着
 先行馬を見ながら2番手追走。内をロスなく回り、内前有利の馬場と展開が向いたにも関わらず、直線で後続に交わされての11着は力負けだったため素直に評価し難い。
〈短評〉
 先行力&豊富なスタミナがある点は、タフな中山コースにおいて評価できる。しかし、今回は逃げ馬にタイトルホルダーがいるため、前走「ステイヤーズS」のような自分のペースに持ち込む楽なレースはさせてもらえないだろう。さらに過去10年の「有馬記念」において、前走が「ステイヤーズS」だった馬は6頭参戦しているものの、[0-0-0-6]と「ステイヤーズS」を使った馬の成績が非常に悪い点は割引である。今回のメンバーを考慮しても、やや決め手に欠けてしまう。

4枠⑧ライラック(10人気想定)[30.5倍(執筆時点)]B評価
・前走「エリザベス女王杯」:4着
 控えて後方を追走。スローからの瞬発力勝負の展開の中で位置取りの差がありながらも、上がり最速の瞬発力で一気に伸びを見せ、勝ち馬と0.3秒差の4着は評価を下げる内容ではない。
・前々走「府中牝馬S」:3着
 中団の前目から。直線では前が壁となって進路変更をするロスがあり、追い出しに遅れるロスがあったものの、上がり3位の33.0秒という破格の末脚を使っての3着だったため着順以上に評価できる内容だった。
〈短評〉
 非常に優れたキレる脚を持ち合わせている点は評価できる。さらにタフなレースも得意とする点はプラスであり、「目黒記念」や「日経賞」などを経験していることからも距離&コース適性も問題なさそうである。古馬の牡馬の斤量が58㎏なのに対して、斤量56㎏という点も魅力的である。しかし、位置取りにやや課題があり、後方一気の競馬となってしまう点は、直線の短い中山コースにおいて割引である。さらに、過去10年の「有馬記念」において、オルフェーブル産駒は4頭参戦しているものの、[0-0-0-4]とオルフェーブル産駒の凡走が目立っている点にも、やや不安が残る。

5枠⑨ヒートオンビート(12人気想定)[37.3倍(執筆時点)]A評価
・前走「アルゼンチン共和国杯」:3着
 控えて後方を追走。直線で前にスペースがなくて外に出すロスがあり、さらに59㎏のトップハンデの斤量を背負いながらも大外から一気に伸びを見せて、勝ち馬と0.2秒差の3着は負けて強しの内容で評価できる。
・前々走「京都大賞典」:9着
 中団を追走。直線で進路が狭くなる不利を受けて抑えることしかできなかったため、不完全燃焼で度外視できる内容。
〈短評〉
 2500mの非根幹距離の経験が豊富であり、得意な距離としている点も評価できる。「有馬記念」と同距離&同コースの「日経賞」に今年&昨年と参戦して、昨年に関しては3着と好走できており、中山・内回りコースも苦にしない点は非常に評価できる。さらに過去10年の「有馬記念」の5枠成績を見てみると、[3-2-1-14](勝率15.0%/連対率25.0%/複勝率30.0%)であり、5枠9番の絶好枠に入った点もプラスである。今年に入ってからやや位置取りの悪さが目立ってしまう点は、割引となってしまうものの、前走はトップハンデの59㎏を背負いながらも強い競馬ができており、今回は前走よりも1㎏軽くなる点はプラスに働くだろう。馬券的妙味もある点を加味して評価を上げたい。

5枠⑩ジャスティンパレス(1人気想定)[4.9倍(執筆時点)]A評価
・前走「天皇賞(秋)」:2着
 スタートはやや遅く、控えて後方を追走。外に出すロスがあったとは言え、ペースは緩みなく流れ、後方で脚を溜めていたこの馬に外からの差し・追い込み有利の馬場と展開が向いての2着だったため素直に評価し難い。しかし、距離短縮のスピード勝負にも対応できた点はプラスの収穫だった。
・前々走「宝塚記念」:3着
 中団のやや後方から。外を大きく回すロスがありながらも直線でしっかり伸びてきた。1・2着馬とは瞬発力勝負に負けてしまったものの、3000m以上の持久力戦を得意とするこの馬にとってみれば善戦。勝ち馬イクイノックスとも0.2秒差と差のない競馬で評価できる。
〈短評〉
 豊富なスタミナがある点はもちろんのこと、上がりが速いスピード勝負の展開にも対応できる万能タイプである点を評価したい。豊富なスタミナを活かし、さらにキレる脚を持ち合わせているため、昨年の「有馬記念」2着馬のボルドグフーシュのようなロングスパートをかけるレースに持ち込めれば、十分に勝ち負けもできる能力はある。過去10年の「有馬記念」の5枠成績を見てみると、[3-2-1-14](勝率15.0%/連対率25.0%/複勝率30.0%)であり、5枠10番の絶好枠に入った点もプラスである。しかし、中山コースの急坂に対応できるパワーがやや不足している点&馬券的妙味が薄い点は割引となってしまう。

6枠⑪ハーパー(8人気想定)[24.5倍(執筆時点)]A評価
・前走「エリザベス女王杯」:3着
 先頭とはやや離されながらも3番手追走。スローからの瞬発力勝負の展開の中で前目の好位からスムーズな競馬ができており、1・2着馬よりも位置取りでアドバンテージがあっての3着だったため素直に評価し難い。
・前々走「秋華賞」:3着
 先団を追走。前目の好位からスムーズな競馬ができ、前有利の馬場と展開が向いたにも関わらず、勝ち馬リバティアイランドには直線で突き放された&後方を走って前有利の馬場と展開が全く向かなかった2着馬マスクトディーヴァに直線で交わされての3着だったため素直に評価し難い。
〈短評〉
 長くいい脚を使った持久力戦を得意としている点を評価したい。キレる脚こそないものの、ロングスパートをかけられる持久力は個人的にあると思い、特別速い上がりを必要としない中山コースにおいて、前目で持ち前のしぶとい粘り&伸びを見せることができれば、好走できる能力は十分にある。さらに、目を引くのは古馬の牡馬と比べて4㎏も軽い斤量54㎏のアドバンテージである。初の中山コースという点は不安が残るものの、非常に器用な馬であるため、トリッキーな中山コースへも十分に対応できると個人的には思う。しかし、中山の急坂に対応できるパワーがやや不足している点は否めない。近走は展開が向いての好走が目立っていた&多少の不安は残るものの、これまでの全成績は[2-2-2-1]と、非常に安定感があるこの馬をこの人気で買えるのなら馬券的妙味も加味して評価を上げたい。

6枠⑫ウインマリリン(15人気想定)[52.0倍(執筆時点)]B評価
・前走「BCF&Mターフ」:4着
 序盤で左右から挟まれる不利を受け、後ろのポジションを追走。脚を溜めて競馬ができたとは言え、キレは勝ち馬の方が一枚上手であり、長くいい脚を使えるこの馬にとっては、もう少し前のポジションで競馬がしたかったことを考えると、瞬発力勝負の展開は合わなかったため見直しができる内容。
・前々走「オールカマー」:9着
 中団の内目を追走。直線では前にスペースがなく、やや窮屈な競馬となってしまい、さらに長くいい脚を使えるこの馬にとって瞬発力が求められる展開も向かなかったため見直しができる内容。
〈短評〉
 先行力があり、長くいい脚を使った競馬ができる点は、今回の中山コースにおいて評価できる。実際、「有馬記念」と同距離・同コースで行われる「日経賞」に一昨年参戦しており、1着と好走できているため、中山・内回りコースへの適性の高さは伺える。さらに過去10年の「有馬記念」を見てみると、スクリーンヒーロー産駒は3頭参戦しており、[1-1-1-0]と未だに馬券を外したことがない点もプラスである。しかし、ここ最近はややズブくなってきている印象もあり、ややスタミナ面でも不安が残る。今回の「有馬記念」をもって引退となってしまうため、一競馬ファンとしては期待したいところだが、近走の内容からも、やや決め手に欠けてしまう。

7枠⑬タスティエーラ(3人気想定)[6.0倍(執筆時点)]S評価
・前走「菊花賞」:2着
 中団を追走。どスローからの瞬発力勝負の展開の中で勝ち馬とは位置取りの差がありながらも、直線では上がり2位の脚で伸びを見せての2着は評価を下げる内容ではない。休み明けでも好走できた点は、力がある証拠。
・前々走「東京優駿」:1着
 中団の前目を追走。2・3着よりも前目の好位を走って位置取りでアドバンテージがあり、前有利の馬場と展開が向いたにも関わらず、直線で2・3着馬に追い上げられてタイム差なしの1着は素直に評価し難い。
〈短評〉
 豊富なスタミナがあり、根気強くしぶとい脚を使ってくるタイプであるため、スタミナ&パワーが要求されるタフな中山コースへの高い適性はあると個人的には思う。距離は違えど、今年の「皐月賞」では、中山・内回りコースを経験しており、2着と好走できている。また、古馬の牡馬の斤量が58㎏なのに対して、斤量56㎏というアドバンテージもプラスに働くだろう。さらに過去10年の「有馬記念」において、前走が「菊花賞」だった馬は13頭参戦しており、[2-2-2-7](勝率15.4%/連対率30.8%/複勝率46.2%)と「菊花賞」を使った馬の好走が目立つ点もプラスである。しかし、過去10年の「有馬記念」の7枠成績を見てみると、[0-1-3-16](勝率0.0%/連対率5.0%/複勝率20.0%)と7枠13番への不安は残ってしまう。それでも、R.ムーア騎手は有馬記念のために短期免許を取得して来日しており、陣営の本気度が伺え、これまでの全成績が[3-2-0-1]と、安定した成績を残しているため評価したい。

7枠⑭プラダリア(11人気想定)[36.7倍(執筆時点)]C評価
・前走「京都大賞典」:1着
 先行馬を見ながら追走。内をロスなく回ることができ、内前有利の馬場と展開が向いたとはいえ、直線では内から寄られて接触を受ける不利があった。それでも1着と好走できたため評価できる内容だった。
・前々走「新潟記念」:4着
 中団を追走。外目の好位からスムーズな競馬ができ、どスローの瞬発力勝負の展開の中で、追い比べ勝負に加わった。しかし、もうひと伸びが足りず、力負けだったため素直に評価し難い。
〈短評〉
 先行力があり、好位を取れる位置取りのセンス&タフな馬場を得意としている点は評価できる。しかし、過去10年の「有馬記念」の7枠成績を見てみると、[0-1-3-16](勝率0.0%/連対率5.0%/複勝率20.0%)と7枠14番への不安は残ってしまい、さらに今回のメンバーレベル&近走の内容を見ても、やや決め手に欠けてしまう。

8枠⑮スルーセブンシーズ(4人気想定)[7.3倍(執筆時点)]B評価
・前走「凱旋門賞」:4着
 じっくり構えて後方を追走。直線では前にスペースがなく、内に入る進路変更をするロスがあって外からの差し・追い込み有利の馬場と展開が向かなったものの、狭い馬群を割って一気に伸びての4着は評価を下げる内容ではなく、強い内容だった。
・前々走「宝塚記念」:2着
 スタートで出遅れがあり、後方を追走。4コーナ過ぎあたりでは前にスペースがなく、内に進路変更をするロスがあり、外優勢の馬場が向かなかったものの、直線では上がり最速の瞬発力で一気に伸びてきた。勝ち馬イクイノックスとタイム差なしの2着は負けて強しの内容でかなり評価できる。
〈短評〉
 非常に優れたキレる脚を持ち合わせている点を評価したい。さらに前走「凱旋門賞」では、4着ながらも非常に強い内容であり、過去10年の「有馬記念」において、前走が「凱旋門賞」だった馬は9頭参戦しており、[1-1-2-5](勝率11.1%/連対率22.2%/複勝率44.4%)と「凱旋門賞」を使った馬の好走が目立つ点もプラスである。しかし、中山コースでの実績はあるものの、距離延長で初の2500mの非根幹距離距離という点では不安が残る。さらに近走は出遅れが目立っており、後方一気の競馬となってしまう点は、直線の短い中山コースにおいて割引である。さらに最も不安視するべきところは外枠という点である。過去10年の「有馬記念」の8枠成績を見てみると、[0-0-1-19](勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率5.0%)と8枠の成績は非常に悪く、ロスの少ない立ち回りが求められる中山・内回りコースにおいて、外枠は大きな割引である。そのため、評価したくてもしきれないのが現状である。

8枠⑯スターズオンアース(2人気想定)[5.5倍(執筆時点)]A評価
・前走「ジャパンC」:3着
 中団の前目を追走。外目の好位からスムーズな競馬ができ、逃げたパンサラッサは淀みないハイペースだったものの、後続はミドル~スローペースの瞬発力勝負ということを考慮すれば展開は向いた。しかし、このメンバーレベルの瞬発力勝負の展開で、勝ち馬イクイノックス&2着馬リバティアイランドに次ぐ3着は評価できる。
・前々走「ヴィクトリアM」:3着
 先行馬を追走する形で前目の位置。内目をロスなく回ることができ、前有利の馬場と展開が向いたものの、伸びはいまひとつで勝ち馬のソングラインに直線で交わされての3着は素直に評価し難い。しかし、今のこの馬にとってマイルは短い印象で、もう少し長くいい脚を使えるレースの方が合っている気も。
〈短評〉
 まずはなんと言っても、[3-4-4-0]と未だ馬券を外していないこの馬の安定感を評価したい。前走「ジャパンC」の内容が非常に強く、イクイノックスを除いて、2着馬リバティアイランドとも差のない競馬ができていた点もかなり評価できる。さらに好位を取れる位置取りのセンスも良く、堅実な脚を使って伸びてくるため、展開も向くであろう。距離延長で初の2500mの非根幹距離距離への適性という点では不安が残るものの、スタミナがあり、長くい脚を使えるこの馬にとって、スタミナ&パワーが求められる中山コースでも苦にしないと個人的には考える。しかし、この馬にとっての一番の難点は大外枠という点だ。過去10年の「有馬記念」の8枠成績を見てみると、[0-0-1-19](勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率5.0%)と、8枠の成績は非常に悪く、ロスの少ない立ち回りが求められる中山・内回りコースにおいて、大外枠は大きな割引である。しかし、鞍上はルメール騎手。ルメール騎手は過去10年の有馬記念で9度騎乗して[2-2-2-3](勝率22.2%/連対率44.4%/複勝率66.7%)と脅威の数字を残しており、「有馬記念」への相性の良さが伺える点は心強いだろう。大外枠という不安はあるものの、この馬&この騎手ならば期待せざるを得ない。

【評価一覧】
S評価:ドウデュース/タスティエーラ

A評価:タイトルホルダー/ヒートオンビート/ジャスティンパレス/ハーパー/スターズオンアース

B評価:ソールオリエンス/シャフリヤール/ディープボンド/ライラック/ウインマリリン/スルーセブンシーズ

C評価:ホウオウエミーズ/アイアンバローズ/プラダリア

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